投稿者: 佐藤俊夫
読書
白露
戦争をしない
反戦・不戦、まあ、いろいろあるが、それらの言葉の定義はひとまず置くとして、戦争が悪いことであるのはわかりきった話である。
戦争を防ぐ、他国から侮られたり攻撃を受けない、また、万一攻撃を受けた場合でも勝つか、有利条件で講和する、そのために必要なものは何か。
軍事力は当然であるからそれはもはや論ずるまい。
それよりも、軍事力と同等か、あるいはそれ以上に重要な意味を持つのは、「国際社会から同意や協力を得ること」である。
多くの国々からそっぽを向かれない、手を差し伸べ、援助してもらえる、そういうことが重要であるのは、過去の戦争史を見ても歴然としている。
例えば、日露戦争で日本はからくも勝利を拾ったが、それは、旅順要塞攻略や日本海海戦や奉天大会戦だけがめざましかったからではない。
奉天ではロシアが戦線整理と反撃のため一時後退、今の自衛隊で言う遅滞戦術に移行しようとしたのを、世界各国のメディアが「ロシア敗退した! 負けやがった! 日本人勝った! ロシアを撃退したぞ! やったーすごいぞ日本人!」などと書き立て、もはや疲弊してこれ以上戦えないというところにまで無理をしてもいた日本を、世界各国みんなで「勝ったことにしてくれた」のである。当時、日本及び日本人は発展途上国で差別的待遇を受けながらも、国際社会からは概ね好意をもって迎えられていたのである。
一方、極端な例であるが、大東亜戦争ではどうであったか。敗戦時、主要な強国で、日本の味方など「ただの一国もなかった」のである。日露戦争のときのロシアに同盟国がなく、わずかにフランスが援助していた程度で、世界中から「暴露(ぼうろ)」と言われて嫌われていたのと同様に、である。
こう考えてくると、平時、政府による外交はもちろんのこと、民間レベルや個人レベルでも、「嫌われない日本人」「皆から好かれる日本人」であることが重要になってくる。
勿論、防諜は別途考慮しなければならない重要な事項である。防諜が考慮されていないと、過度な多様性受容すら逸脱し、友好に見せかけた間接侵略を受け、外国人の諜報ないし謀略によって国が内部から腐り、かえって国際社会から孤立させられ、その上で直接侵略を受けたりしないとも限らない。
防諜を重視しつつ、外国及び外国人とは友好の実を上げなければならない。
私は右翼主義者だが、上のような考え方から、事実に基づかないねじ曲がった排外主義を主張する個人や政党には反対である。
このエントリは、Facebook や Threads に書いたものを転載したものです。
妄想・大東亜戦争後
妄想その1・オスマン帝国パターン
オスマン帝国~トルコ共和国の第1次大戦時の成り行き
第1次大戦当時のオスマン帝国は、ドイツと同盟を結び、ガリポリでは名将ムスタファ・ケマル・アタテュルク元帥が頑強な防御戦闘を行って英国をはじめとする協商連合軍を撃退するなど善戦した。
しかし、有名なロレンス大佐の秘密工作によるアラブの反乱や、コーカサス山脈での敗走などもあり、 次第に劣勢となり、民心も政府も疲弊し、皇帝メフメト6世はついに降伏の詔勅を発した。
オスマン帝国は領土を蚕食され、協商連合の進駐軍がイスタンブールに蟠据、しかも西からはギリシャ軍が新たな戦端を開いて侵攻してきた。
ところが、その頃パレスチナ戦線で戦っていたムスタファ・ケマルはこれを聞いて “妄想・大東亜戦争後” の続きを読む
原爆忌
暑中見舞
昼寝
風薫る
読書
また少し脱線して、本屋で目についた本を買って読んだ。
ジャンヌ・ダルク
- 世界史のリテラシー 少女は、なぜフランスを救えたのか: ジャンヌ・ダルクのオルレアン解放 (教養・文化シリーズ) (ISBN978-414407295-6)
20年以上前の映画だが、ミラ・ジョヴォヴィッチ主演の「ジャンヌ・ダルク」を見た事があり、オルレアン解放のシーンなどにゾクゾクするほど痺れ、最後の無残な火刑の経緯には涙したものだった。
本書はわかりやすく当時までのフランスの状況とオルレアン解放、ランスの戴冠、次いでその後を解説するものだが、やはり冒頭のオルレアン解放に目が行く。
しかし、なぜジャンヌ・ダルクがジャンヌ・ダルクたりえたかという後半の解説と一連の事実が成した史的な “読書” の続きを読む