週末のひとときを家族と楽しむべく、近所の「馬車道」というファミレスへ行った。
お子様メニューを頼めば、大抵、ご飯だのハンバーグだのにつまようじの国旗が立ててある。これはたしか、日本オリジナルのアイデアで、戦前からあるらしい。それはまぁ、子供も喜ぶし、けっこうなことではある。
問題は、この馬車道であろうとあるまいと、否、どこの街のいかなるメシ屋でどのようなお子様ランチを頼もうと、どんなことがあろうと絶対に、
日章旗は無い、
一にかかって、このことであろうか。今日もハンバーグに突き刺さっていた国旗は、イギリス国旗であった。
無論、戦前は、否、私が生まれ育った昭和後半だって、お子様ランチに立ててある旗は100%間違いなく日の丸であった。だが見よ、なんとしたること。何をもってのゆえに、この日本のど真ん中で、由緒正しい日本人の4人家族が、イギリス国旗の刺さったお子様ランチをその末っ子が喜々として喰らうのを見て、卑屈なる植民地有色人のようなゆがんだ笑みを片頬に浮かべねばならぬのか。日本はサンフランシスコ講和条約によって、独立国たるの威厳を何十年も前に取り戻しているのだ。
お子様ランチのハンバーグの小山の頂点に無造作に突き立てられたイギリス国旗は、さながらその小山が英米勢力によって征服され圧伏され抑圧され植民地化されたものであるがごとくあくまであたりを睥睨して傲岸不遜である。反面、皿の周りのキャベツやらニンジンやらは、隷従屈従させられアヘンを無理矢理売りつけられて廃人にされ苦力としてこき使われ未来永劫浮かぶ瀬もなく滅びるほかはない劣等民族の悲哀を湛えてナサケなくヤルセなくうらぶれている。
そのことになんとはない不満というか、胸糞の悪さを感じつつ、三郷市にあるイトーヨーカドーの大きな買い物スポット内の、ビバホームというホームセンターに行った。
品揃えが豊富で、いろいろなモノが手に入り、実に楽しいところである。その1階の一隅では、飲食店などの店先を華やかにする幟などが売られており、会議のテーブルに置くなどするための小さな国旗も一緒に置いてある。
問題は、ごらんのとおりである。
・・・え?ナニが問題なのかワカラネェ?
問題ですよ。ここにあるのは、全部外国の国旗だ。日本の国旗など、ちっともまったく少しも全然、ただの一本たりとも販売されていないのだ。この写真に写っているのも、韓国にアルゼンチンにフィンランドにスウェーデンの国旗である。
このようなことは、やはり、愚かで劣っていて陰鬱で知性がなく、いわんや国際感覚なるものなどカケラもない幼児的な光景で、ヘドが出そうなくらい嫌なものである。
・・・ここの社員に雇われているのは、ひょっとしたら、オトナリの半万年の歴史を誇る世界的民主国家やら、その向こうの偉大なる将軍様の率いる地上の楽園やら、更にその向こうの世界の中心国などの、この世のものとも思えぬほどスンバラしく人道的で完全なる人々だけなのかも知れぬ。
へいへい、立派なことでゴザンスて。いくらでも勝手にやってチョーダイ、ハッハッハ(←乾いた笑い)。馬鹿企業めが。つぶれてしまえ!!。