読書

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 矢野峰人訳の「ルバイヤート集成」、大晦日に読み終わる。

 もう、涙、涙である。

 解説が変わっていて、文学者の南條竹則氏と高遠弘美氏が書いているのだが、高遠弘美氏のそれは全文旧仮名遣いである。高遠弘美氏は昭和27年(1952)生まれであるから、戦後の人であって、「旧仮名遣いネイティブ」の人ではないはずなのであるが、これは訳者矢野峰人へのリスペクトであろう。

小春

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(おも)菓子(がし)の黄にほぐるゝや小春の座

佐藤俊夫

#kigo #jhaiku #haiku #saezuriha #俳句ポスト365

 3.10.20(水)から募集、3.12.27(月)から発表の「俳句ポスト365」に投句したところ、29(水)の中級者佳作に採って頂きました。

読書

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 引き続き60年前の古書、平凡社の世界教養全集を読む。第19巻の四つ目、最後は「悪魔の弁護人 The Devil’s Advocate」(J・G・フレーザー著、永橋卓介訳)である。休暇中の夕刻、自宅で読み終わった。

 著者フレーザー卿は江戸時代末期に生まれ、明治時代から戦前にかけて英国で活躍した学者である。英国社会人類学界の総帥と仰がれた大学者だ。特に民俗学に計り知れない影響を持った。

 本書は現代の社会制度の発展に及ぼした太古の迷信の影響を取り扱ったものだ。私には、 “読書” の続きを読む

鈴ヶ森

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()首様(くびさま)てふ冬麗(とうれい)の鈴ヶ森
山茶花(さざんか)や日陰の多き街の風
(あい)()(れん)麻布十番蕎麦湯(そばゆ)濃し
首痛きヒルズの威容寒波(らい)
底冷(そこびえ)の階段日比谷線に過去

佐藤俊夫

#kigo #jhaiku #haiku #saezuriha

一字詠「残」

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窓際に残りの日々や関東煮(かんとだき)
ふと(かおり)(くち)寄す(いまし)残る月
残身(ざんしん)を口やかましく寒稽古
(あかぎれ)(はした)無残や築地(つきじ)
炉辺(ろべ)に酒語る深更(しんこう)(すみ)残る

佐藤俊夫

#kigo #jhaiku #haiku #jtbt

 「夏雲システム」で関谷氏が運営しておられる「じたばた句会」に投句したものです。

去年(こぞ)()(とし)

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去年(こぞ)()(とし)花鳥(いま)だし星の寺
テレビさへ去年今年てふ構へある
(うずくま)るしゞまの隅に去年今年

佐藤俊夫

#kigo #jhaiku #haiku #saezuriha

今週のさえずり季題

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矢野峰人(ほうじん)訳のルバイヤート

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 矢野峰人(ほうじん)訳のルバイヤートの、程度のいい古書が手に入った。

 前から欲しかったのだが、戦前に出版されてから長年にわたって刊行が絶えてなく、古書も市場になく、見ることができずにいた。ところが、17年前に刊行されていたことを、7年前に知った。ただ、 “矢野峰人(ほうじん)訳のルバイヤート” の続きを読む

テーマ詠「プロポーズ」

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結納に陶人(すえひと)の銘十二月
寒星(かんせい)(もと)文無しのキス(きよ)
寒紅を差す言ひ出しを待つ(いち)()
遠火事になどて求婚する馬鹿は
今のうち指輪を渡せ神の留守

佐藤俊夫

#kigo #jhaiku #haiku #jtbt

 「夏雲システム」で関谷氏が運営しておられる「じたばた句会」に投句したものです。

 「遠火事に」の句は投句時「遠火事になどて結婚など言ふ馬鹿は」でしたが、修正しています。