このところ、よくアニメや漫画を見たり読んだりするようになった。若い頃は活字だけでなく漫画もよく読んでいたが、ここ数十年は活字にばかり親しんでいたので、60歳を前にしてまたずいぶん変わったものだと我ながら思う。
アニメや漫画は楽しい。
このところ楽しんでいるのは、「異世界おじさん」「葬送のフリーレン」「薬屋のひとりごと」だ。「薬屋のひとりごと」は単行本は買っていないが、「異世界おじさん」と「葬送のフリーレン」は単行本も全部買って読んだ。
これら3作品のうち、「異世界おじさん」と「葬送のフリーレン」には、「旅」が共通項としてあるが、「薬屋のひとりごと」に旅の要素はない。他方、これら3作品に共通しているのは、いずれも「主人公が相当な変人」ということだ。
「異世界おじさん」の変人っぷりたるや、それをもってしてこの漫画を成立させているくらいだ。「葬送のフリーレン」は、主人公の変人ぶりはちょっとした息抜きというか味付けでしかないが、それでもそれが魅力となって相当に物語を牽引している。「薬屋のひとりごと」も、毒を喰らって酒を飲み、普段は悪目立ちしてモテたりしないよう
変人は見ていて面白い。しかし、
たしかに、私は変人だ。だが、私の変人ぶりは、半分は「奇を
先日、気の置けないある人に、「佐藤さんは山下清みたいな人なんですよね」と言われてハッとなった。私は得意なことと苦手なことが
だが、実のところ、これらの「得意なこと」というのも自分の能力の中ではマシなほう、というだけのことだ。それは例えば、今の私ならプログラミングとかコンピュータのオペレーション、文章を書くことなどだが、客観的に世の中の普通の人と比べて私のそれらの能力が高いとは、悔しいが言えない。
山下清みたいだ、と言われたのは、これが2回目だ。1回目に私にそれを言った人は「山下清」とは言わなかったが、別の表現でそれを言った。すなわち、「時々、知能が低いように見える人が、あることだけとても良くできる、っていうのを聞くことがあるけど……ナントカ症候群?」と私を指して言ったもので、私の家内などはそれを聞いて「ウチの主人になんと失礼な」などとふくれて見せてくれたものだった。
がしかし、山下清のような天賦の才は、私にはない。だから、むしろ私の特定の部分が天才的に見えたというのは褒め過ぎであって、それだけに逆に多少嬉しくもあるのだ。
今はもう辞めてしまったが、数年前まで「日本ITストラテジスト協会」というところの正会員として活動していた。ITストラテジスト試験に合格したときに入会したのだ。だが、まだ私が現職陸上自衛官だった間に、それまでは任意団体であった日本ITストラテジスト協会が社団法人に変わったので、辞めた。法人格を得た協会が必ずしも営利を否定していなかったからで、これが自衛隊法で禁じられている「私企業からの隔離」に引っ掛かる恐れがあったためだ。
自衛隊を定年で辞め、会社員となった今はそのような制限とは関係がなくなったが、IT業界で働いているとはいえ、今は「ITストラテジ」とは程遠い仕事をしている。これからもITストラテジに関わることは多分あるまい。だから、日本ITストラテジスト協会には戻っていない。
しかし、この「日本ITストラテジスト協会」に在籍していた間、IT業界の多くの方々と交流を持つことができ、自分の幅がとても広くなったように感じた。15歳の頃から自衛隊にいた私は、自衛隊の仕事以外何もしたことがなかったから、ITストラテジスト協会の誰も彼も、何もかもが新鮮に思え、刺激が得られた。一昨年自衛隊を定年で辞めて会社員になったが、即日働くことができたのは、
日本ITストラテジスト協会はコミュニケーションにMajordomoなど昔ながらのメーリングリストを用いる他、パブリックな情報共有や発信にはFacebookやTwitterなどのSNSも積極的に使っている。
ある日、「我ら♪変人倶楽部」というFacebookのプライベートグループからお誘いが来た。ちょっと覗いてみると、日本ITストラテジスト協会の人が沢山いて、面白い話をしていたので、仲間に入れてもらった。
日本ITストラテジスト協会には、本当に変人が多いように思う。だが、私と違って、若い頃私が目指そうとした「本当に頭の良い変人」の集合である。