テーマ詠「小さくて丸いもの」

投稿日:
チョコ粒を貰ふ手袋脱ぎて(ゆう)
母死にて捨つる粒肥(りゅうひ)寒椿(かんつばき)
摩天楼毛糸帽子と一セント
隙間風細胞膜の謎はまだ

佐藤俊夫

#kigo #jhaiku #haiku #jtbt

 「夏雲システム」で関谷氏が運営しておられる「じたばた句会」に投句したものです。

テーマ詠「雨」

投稿日:
立哨の雨に打たるゝ無月哉
雨止まず仔を舐めてゐる秋の駒
飯盒(はんごう)に馬鈴薯を込む雨(しき)
草雲雀(くさひばり)()めばふと雨降りはじむ
薄紅葉嵐過ごせば五体無事

佐藤俊夫

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 「夏雲システム」で関谷氏が運営しておられる「じたばた句会」に投句したものです。

テーマ詠「夜」

投稿日:
横顔に月下のビルの名を(たず)
グラシン紙夜仕事(よしごと)に書は(うずたか)
(ひぐらし)もひとつだけにて(よい)早し
晩秋は夜にこそあれ白湯(さゆ)の味
(よる)()くやいまさら惜しむ秋の雲

佐藤俊夫

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 「夏雲システム」で関谷氏が運営しておられる「じたばた句会」に投句したものです。

テーマ詠「故郷」

投稿日:
(みささぎ)に雨降りしぶく今朝(けさ)の秋
故郷(ふるさと)もさぞかし暗き無月かな
花野へと老母(つえ)(がわ)りの車
(いしぶみ)(わずか)()るよ終戦日
()けば実家は空家蚯蚓(みみず)鳴く

佐藤俊夫

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 「夏雲システム」で関谷氏が運営しておられる「じたばた句会」に投句したものです。

題詠ないしテーマ詠「原爆忌」

投稿日:
南瞑(なんめい)(こう)(りょう)もまた原爆忌
人の世に曜変(ようへん)()れよ原爆忌
万日も生きながらへて松落葉
ポケツトに(のこ)る青唐辛子()
沢瀉(おもだか)の水(もと)めずに咲く(かげ)

佐藤俊夫

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 「夏雲システム」で関谷氏が運営しておられる「じたばた句会」に投句したものです。

「幸福駅の切符」からイメージするもの・夏

投稿日:
真つ黒に頑張る汽車の大暑哉
虹色の夏シャツ透かす地平線
()(やけ)から漆黒の夜はみっしりと
この人と降り立つ(まき)ぞ風(かお)
(ばん)(りょう)を両手に抱きて北の(ひな)

佐藤俊夫

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 「夏雲システム」で関谷氏が運営しておられる「じたばた句会」に投句したものです。

テーマ詠「乗り物」

投稿日:
浮くダンボ耳のひかりに重なる(しょ)
ゴンドラは高し土用波は遠し
舞浜の何にも乗れず夏の風邪
前の子の(あせ)()やジェットコースター
自転車を涼ませんとや()(した)(やみ)

佐藤俊夫

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 「夏雲システム」で関谷氏が運営しておられる「じたばた句会」に投句したものです。

テーマ詠「記念日」

投稿日:
箱入の風鈴くれて()むる客
水貝の馳走や叙勲たゞ一人
妻はこの季に生まれけり緑さす
夜釣()む五十回忌の(わずら)ひは
定年の日は目高ゐる庭の(そば)

佐藤俊夫

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 「夏雲システム」で関谷氏が運営しておられる「じたばた句会」に投句したものです。

テーマ詠「アイドル」

投稿日:
()(びえ)()の握る写真の髪黒し
握手()むふと香水の悲しさは
とりどりの音(うすもの)をひらひらり
()(ざか)(おみな)手振(てぶ)り衰へず
帽深く見覚えの(ほお)避暑の宿

佐藤俊夫

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 「夏雲システム」で関谷氏が運営しておられる「じたばた句会」に投句したものです。

当季テーマ詠「爽快」

投稿日:
(うり)冷えて(あさ)()の塩気まづよろし
夏燕かすめて辻の風(とお)
忘れけり扇つかへば(あに)白し
外濠や水鶏(くいな)(せな)は濡れ光る
たつぷりと風()む腹や(こい)(のぼり)

佐藤俊夫

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 「夏雲システム」で関谷氏が運営しておられる「じたばた句会」に投句したものです。