ほんのわずかの時間くらい

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 東京勤めが長い。埼玉の住居(すまい)から都心まで満員電車で通勤するようになってから、はや20年以上が過ぎた。

 ここ数年感じることだが、満員電車に乗り降りする時や、混雑した駅のホームを歩くときに、ずっとスマホを操作している男が多く、これが前にいると実に迷惑極まる。スマホの操作に夢中になっているため、降車する客の邪魔になる場所に立ってしまっていたり、2秒3秒、歩き出しが遅れて、後ろの人の邪魔になっている。ホームを歩きながらスマホを操作している男も、どうしても歩度が遅くなり、混雑時など後に続いている人の迷惑になっている。

 他人のスマホの画面をのぞき込む趣味は私にはないが、しかし、見るともなしにそういう迷惑な男のスマホの画面が見えてしまうことが多い。通行の邪魔になっている男のほとんどはゲームをしている。

 職場やお客さんからの急な連絡メールに返信しなければならず、やむなく操作しているというのならまだ同情の余地もあるが、迷惑な男に限ってやっているのはしょうもないゲームだ。

 別にスマホやゲームが気に入らないと言っているのではない。そんなの個人の勝手だから、いくらでも楽しめばよかろう。ただ、せめて電車に乗り降りする前後のわずかな時間くらい、ゲームのポーズ機能などを使って、スマホの操作をやめることができないものなのか。

 身動きできないような満員電車の中でずっとゲームをし続けている男も迷惑だ。スマホはどうしても顔や胸の前に持ってきて両手で操作するから、左右に肘が張り出し、背中は反り気味になる。背中や肩、肘がこっちにゴツゴツと当たって、実に不愉快極まる。こちらの肩に平気でスマホを乗せてゲームをする大男までいる。「この半鐘泥棒が」と悪態の一つもつきたくなるではないか。

 こういう連中は両手でゲームをしているために吊革や柱につかまることができないから、ちょっと電車が揺れるとよろめいてこちらに体全体でぶつかってくる。

 東京の電車なんて、数分から十数分で目的地に着く。なんでその短い時間だけ、スマホをしまって邪魔にならない姿勢をとるということができないのだろう。

投稿者: 佐藤俊夫

 50代後半の爺。技術者。元陸上自衛官。2等陸佐で定年退官。ITストラテジストテクニカルエンジニア(システム管理)基本情報技術者

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