株式売買ユーティリティの改修

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 先週16日に突然正常に動かなくなってしまった株式売買ユーティリティ。やっと手を付けることができた。

 案の定、十何年変わっていなかったYahoo!ファイナンスの仕様が変わったためであることが判った。返してくるHTMLに変な <span> タグや class が増え、まるで別物に変わっている。それに、GETの引数の仕様も変わり、以前のURLではデータを持ってこれなくなっていることも判った。

 株価データを切り出すためのマッチング・パターンを書き直し、変な <span> タグや classのサニタイズを強化した。それからURLも書き直した。

 動くようになったが、220社の株価データを全部取り直すのに数時間はかかる。

スクレイピングや奈良漬や「お前のようなアホ」や

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 昨年頃だったか。

 若い人――若い、と言ってもそこそこオッサンだが――とIT活用談義をしていて、この「スクレイピング」という言葉が出てきた。まるで初めて聞く言葉のような気がした。いや、必ずしも「初めて聞く」でもなく、聞いたことがないわけでもなかったのだが、耳慣れぬ言葉ではあった。しかし、その時の会話の文脈と、scraping という英語から意味はすぐに通じ、その若い人に「スクレイピングって、何ですか?」などと()き直さなければ解らないということはなかった。

 今で言う、この「スクレイピング」ということを私が最初にやりだした頃には、スクレイピングという言葉が抑々(そもそも)なかった。だから「無料自動収集」だとか「クローリングしてサニタイズして格納」だとかいうような言葉で表現していた。もっとも、私がしていたこと(他人の過去の言葉尻を(とら)えた掲示板での粘着荒らし行為(苦笑)だとか株価データの収集だとか、特定領域のニュース記事の巡回収集だとか)は個人的なくだらんことで、その仕組みを他人に説明する必要はまったくなかったから、わざわざ無料自動収集などという持って回った言葉を使う必要もほとんどなかったのだが。

 今は Python (など)の言語を用いれば、様々なライブラリやプラグインが豊富にあるらしく、Web を巡回してデータを(あさ)ることなど誰でも簡単にできるようである。しかし、私などがそうしたことを始めた頃には周囲にそういうことをしている人はおらず、ネットを(あさ)っても情報は少なく、いきおい、最初はTCP/IPのソケットから書き起こしたものを用い、次いで Perl・CPAN の「LWP」などという Web ライブラリを用いた。今も現役で稼働させている、株価を Yahoo! から取得するスクリプトは、Perl 内から「wget」を呼び出し、必要なデータを切り出す仕組みだ。

 全くのところ、こんなもの「手作りスクレイパー」もいいところである。フロントエンドのスクレイパーのみならず、現役で株価の分析に使っている自作プログラムは、私に幾許(そこばく)の利益をさながら点滴のようにしたたらせ続けてはいるものの、これなど古めかしいかな生の C で書いたもので、ソースコードの冒頭にはそれこそ「#include <stdio.h>」か、せいぜい「math.h」ぐらいしか書いていない。AI などとは程遠い実に簡単・単純なものでしかないのである。

 それらを動かし始めたのは20年前~15年前のことで、そこから(ほとん)ど進歩させていないし、私の IT 技能もほとんど進歩せず、停滞したまま、否、むしろ後退すらしている。

 私は、自分が必要としていることや自分がしたいことは、自分が理解できるコンピュータ技術やプログラミング技術を使って、大概(たいがい)のことならすぐにできる。だが、それを他人が使えるように工夫してやったり説明してやったりなど、面倒臭くて、もうしたくない。それに、当節流行のビッグデータだの AI だのということは、全然わからないしできない。覚えるのも、いまや奈良(なら)(づけ)のようになってしまっている私の脳味噌には荷が勝つから、もう億劫(おっくう)で、嫌だ。他人を使役できるような身分ではないから、自分にできない何かを誰かに肩代わりして貰えるような人望もないし、だいたい、そんな気がハナッから、ない。

 「お前が勿体(もったい)ぶって隠している、しょうもない、お前みたいなアホでもわかる計算機の秘密をとっとと教えろ!」みたいな、そんな、私をバカにした態度の輩に説明を求められ、それでも私は誠実に少し説明しかけるのだが、大概は私が10秒喋るか相手が100文字読むかしないうちに、もう面倒臭がられて説明は(さえぎ)られてしまう。テメェが説明を遮るのが理解できない原因なのに、「これだからコンピュータ屋は説明が下手糞だと言うんだ!ちったァ日本語を鍛えろ」などと吐き捨てられてしまう。そんな連中のお遊びの相手は、もうほとほと嫌だ。

 そんなアレやコレやが、最近の私の、人様から見れば無気力極まるITへの冷淡っぷりの、原因の幾つかなのだと思う。

20H2へのアップデートでBluetoothが使えなくなった場合の直し方

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 Windows Update がかかり、半日以上もかかってやっとこさ完了した。「20H2」というバージョンである。

 これまでにも大きい Windows Update がかかった後によくあったことなのだが、上の Update の後、突然マウスが反応しなくなった。Bluetooth マウスだからで、こういう時、一連の Bluetooth モノはヘッドセット、キーボードなども全滅である。Windows を再起動しても直らない。「設定」画面の Bluetooth オン・オフボタンが無くなってしまっていてオンにもできない。デバイス・マネージャで確かめると Bluetooth Device が消失してしまっている。デバイス・マネージャの表示設定で「非表示デバイスを表示」にすると、Bluetooth 周辺機器が全部グレーアウトになって出てきてしまう。

 しかし、こうなってしまった場合の直し方は、実は簡単だ。

 UEFI あるいは BIOS セットアップ画面を出し、セットアップ・デフォルトをリストアして「Save changes & Exit」をかけるだけだ。一見、何の関係もないお(まじな)いのような操作に感じられるが、これは要するに、「ドライバキャッシュの使用などの迅速なブートの手段をWindowsに取らせず、一から清潔にブートさせる」ために一見関係ないように見えるこんな操作をするわけである。WindowsはUEFIあるいはBIOSのセットアップが変化していると判定すると前回の起動時の設定などを破棄して新たに読み直すわけであるが、UEFIやBIOSのどこが変わったかまでは見ないようで、そのため「単に Save Change するだけ」でよいようだ。

 同じことは、「一度セーフモードで起動し、なにも操作せずにもう一度通常起動する」というふうにしてもできる。だが、このほうが手数がかかるから、前述の方法の方が速い。

 ネットを(あさ)ると、似たようなことでお悩みの向きが多くいるようだ。そのような方は、上述の方法を試されては如何(いかが)

どアホ

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 オノレは自分の家族にも使わせられんような出鱈目を世界中に売り(さば)いとったンかいッ。

 「だからこそやっぱりジョブズは偉いッ!」みたいな筆致も我慢がならない。こんなものを有難がっていてどうする。

日本ITストラテジスト協会を退会

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 正会員として加入していた「日本ITストラテジスト協会」(JISTA)を退会することにした。

 日本ITストラテジスト協会は、情報処理技術者試験のうちでも最難関をもって知られる「ITストラテジスト」試験の合格者を中心に組織された協会で、全国組織である。会員の相互研鑽や情報発信、ITの普及への貢献など、様々な活動を行っている。

 私は8年前、ITストラテジスト試験に合格したことを機に入会し、一時期は大分熱心に活動に参加していた。しかし、最近4年ほどはあまり参加していなかった。

 このところJISTAは新型コロナウイルス蔓延の影響下にも関わらず、オンラインでの月例会開催などを通じて順調に入会者が増え、全国で800名を超す会員を擁するほどになった。そのこともあってか、協会内では「これまでの『任意団体』を脱却し『法人化』するに()かず」との動きが盛り上がった。縷々(るる)万端(ばんたん)(あい)(ととの)い、きたる2月から社団法人化されることとなった。

 社団法人となって法人格を獲得すれば、これまで困難であった「財産の管理」もできるようになり、また、実費以外は会員の持ち出し・持ち寄りで行われていた運営事務にも報酬が出せるようになる。運営や組織もより明確化するなど、よいことが多いのだ。それに、社会への情報発信力などもこれからより強化されることだろう。()(はか)るに、ゆくゆくは出版や人材育成、情報発信の事業などを通じて利益を上げ、管理し分配することも可能になるだろう。

 私は退会するが、これまでの月例会、テーマ別ディスカッション、毎年のオープンフォーラムを通じた自分の識能の向上や、会員の方々、それもIT業界でそれと知られるメンバーの方々とのあたたかい交流など、思い出は尽きない。

 協会におかれて、今後も益々盛会とされるよう祈念するものである。

マイクロソフトに(あさ)られる

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 このブログへのアクセスが先般から急増していることを先日書いた。記事には「落ち着いてきた」と書いたが、実はその後、アクセス数は以前の倍ほどに高止まりのまま推移していた。

 記事の内部のリンクがあまりクリックされないこと、検索エンジンからの流入がそれほどないこと、アクセス元が米国であることなどから、恐らくは検索エンジンのクローラであろう、と推測はしていたが、面倒臭くて確かめてはいなかった。

 ところが、この金・土、そして日曜の今日、以前の3~4倍ほどのアクセスが殺到している。ブログ開設以来のアクセス数の最高記録を軽く突破してしまった。同じように記事の内部のリンクがクリックされたり、検索エンジンからの流入はそれほどない。勿論、このブログの人気化などでは決してない(苦笑)。

 もしハッキング、クラッキングの類だったりしたら嫌だな、と思い、サーバのログを確認してみた。そうしたら、「13.66.139.0」からのアクセスが大半を占めていることが判った。

 そこで、「13.66.139.0」って、どこのアドレスかな、と whois を引いてみたら……

#
# ARIN WHOIS data and services are subject to the Terms of Use
# available at: https://www.arin.net/resources/registry/whois/tou/
#
# If you see inaccuracies in the results, please report at
# https://www.arin.net/resources/registry/whois/inaccuracy_reporting/
#
# Copyright 1997-2020, American Registry for Internet Numbers, Ltd.
#
NetRange:	13.64.0.0 - 13.107.255.255
CIDR:	13.64.0.0/11, 13.104.0.0/14, 13.96.0.0/13
NetName:	MSFT
NetHandle:	NET-13-64-0-0-1
Parent:	NET13 (NET-13-0-0-0-0)
NetType:	Direct Assignment
OriginAS:	
Organization:	Microsoft Corporation (MSFT)
RegDate:	2015-03-26
Updated:	2015-03-26
Ref:	https://rdap.arin.net/registry/ip/13.64.0.0
OrgName:	Microsoft Corporation
OrgId:	MSFT
Address:	One Microsoft Way
City:	Redmond
StateProv:	WA
PostalCode:	98052
Country:	US
RegDate:	1998-07-10
Updated:	2017-01-28
Comment:	To report suspected security issues specific to traffic emanating from Microsoft online services, including the distribution of malicious content or other illicit or illegal material through a Microsoft online service, please submit reports to:
Comment:	* https://cert.microsoft.com.  
Comment:	
Comment:	For SPAM and other abuse issues, such as Microsoft Accounts, please contact:
Comment:	* abuse@microsoft.com.  
Comment:	
Comment:	To report security vulnerabilities in Microsoft products and services, please contact:
Comment:	* secure@microsoft.com.  
Comment:	
Comment:	For legal and law enforcement-related requests, please contact:
Comment:	* msndcc@microsoft.com
Comment:	
Comment:	For routing, peering or DNS issues, please 
Comment:	contact:
Comment:	* IOC@microsoft.com
Ref:	https://rdap.arin.net/registry/entity/MSFT
OrgTechHandle:	MRPD-ARIN
OrgTechName:	Microsoft Routing, Peering, and DNS
OrgTechPhone:	+1-425-882-8080 
OrgTechEmail:	IOC@microsoft.com
OrgTechRef:	https://rdap.arin.net/registry/entity/MRPD-ARIN
OrgAbuseHandle:	MAC74-ARIN
OrgAbuseName:	Microsoft Abuse Contact
OrgAbusePhone:	+1-425-882-8080 
OrgAbuseEmail:	abuse@microsoft.com
OrgAbuseRef:	https://rdap.arin.net/registry/entity/MAC74-ARIN
#
# ARIN WHOIS data and services are subject to the Terms of Use
# available at: https://www.arin.net/resources/registry/whois/tou/
#
# If you see inaccuracies in the results, please report at
# https://www.arin.net/resources/registry/whois/inaccuracy_reporting/
#
# Copyright 1997-2020, American Registry for Internet Numbers, Ltd.
#

 実に簡単なことで、CIDRブロック13.64.0.0/11、即ちマイクロソフト社、MSNのクローラーからのアクセスであることがわかった。

 しかしそれにしても、なんで今更、MSNがこのブログなんか(あさ)るんだろう??

「メッセージと画像(xxKB)をダウンロード」

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 Windows10付属の「メール」を使用している。

 仕方なく使っているのであって、好きで使っているわけではない。実に使いづらく、気に入らない事の多いアプリなのだが、「Outlook Express」が添付されなくなり、「Windows Live Mail」もサポートされなくなった今、もう、どうしようもこうしようもないのでこれを使っているわけだ。

 気に入らないことだらけのこの糞アプリだが、時々憤激してしまうのが、「メッセージと画像(xxKB)をダウンロード」と表示されたまま、いつまでもウィンドウ上部の動作確認アニメーションが左から右へ流れ続け、肝心のメッセージは一向に表示されない、という現象が頻発することだ。

 しかも、この状態で1日くらい待っても、まったくメッセージを見ることができない。何かの登録確認メールでこの状態になると、お手上げである。登録確認メールには期限があり、悠長に待っていると取り消しになってしまうからだ。

 ところが、ふとしたことでこれを回避する操作が見つかった。左の画像がそれである。

 一見、まったく関係のない、ウィンドウ右上の「…(三点)メニュー」を操作すると、「名前を付けて保存」というメニューが出て来る。これをクリックするのである。

 クリックすると、「まだメッセージのダウンロードが済んでいません。保存するとおかしくなります」というような意味のスットコドッコイな警告が出るのだが、ところが、そのメッセージが出たあと、何日待とうが見ることのできなかったメッセージが、何事もなかったかのようにヒョイと表示されるのである。

 ネットでこの「Windows10メールアプリのメッセージがいつまでたっても表示されない」件を検索すると、同じようなことで悩んでいる方がたくさんいて、Q&Aサイトなどに多くの質問と回答があるのだが、回答がどれもこれも的を外しており、決定打に欠け、実に残念であった。しかし、上のような操作でメッセージを見ることができるようであるから、同様の症状でお悩みの向きは、是非試してみて頂きたい。

急なアクセス増加がようやく収まる

投稿日:

 この11月2日頃から昨日頃まで、このブログのアクセスが急増していた。

「ややっ、人気化か!?」

……んなわけない(苦笑)。

 日本語でしか書かれていない生粋の国粋主義(ドメスティック)ブログであるにもかかわらず、アクセス元のドメインを見てみると、米国内からのアクセスがほとんどだ。しかも、なにがしか人気化した場合の特徴である「特定のページへのアクセス」ではなく、「どうでもいい(ヒラ)ページ(笑)」へのアクセスがまんべんなく増えている。

 そうしたアクセスの特徴から言って、多分、Googleのクロールが激増したのであろうと思われる。

 だがしかし、なんで急に、今まで申し込んだってクロールに来ないようなダレたGoogleが、こんな過疎ブログなんぞ突然(あさ)りだしたのかわからない。

 なんとなくではあるが、大統領選挙が関連しているのかな、とも思う。しかしどうやら、今日でアクセスは収まったようだ。

読書

投稿日:

 「ザイログ(ぜっと)80(はちまる)伝説」という本を読んだ。Facebookである方がこの本について触れておられたので、興味を覚え、買ってみたのだ。

 面白かった。

 私が自分で初めて書いた機械(マシン)語のプログラムは、シャープのCZ-800C「X1」上で動かすものであった。BASICでのプログラミングをひとわたりやってみた後、ゲームプログラムの作成中に少々凝ったことをしようとして、BASICの動作の遅さに我慢がならず、機械語で書くことにしたわけである。X1の搭載CPUはZ80Bで、つまり私がはじめて使った機械語はZ80のそれであった。

 初めの頃、X1上で動くアセンブラがなく、「ハンド・アセンブル」ということをよくやった。ハンド・アセンブルというのは、紙にニーモニックでプログラムを書き、同じく紙の命令表を見ながら手書きで16進の機械語に翻訳していく作業だ。こうしてできた機械語のプログラムを、「モニタ」と呼ばれる基底システムから入力していくか、BASICのプログラム中に「DATA文」で配置し、「POKE命令」でメモリに配置するなどしていた。

 そんなことを懐かしく思い出しながら本書を読む。

 よく知られているインテルとフェデリコ・ファジン、嶋正利の4004の物語から始まって、ザイログ社の設立、PC-8001への採用、MSXの大ヒット、Z80からZ8000、そしてZ8へと変遷していく様子をとても興味深く辿(たど)った。

 Z80は40年近く経った現在も生産されていて、「新品が手に入る」ということを改めて知り、驚いた。そして、ザイログ社がまだ消えていないことも興味深い。

 しかもなお、入手しうるZ80を使用した自作ボードコンピューティングの趣味世界があり、世界中で楽しまれているらしいということを知り、二驚三驚した次第である。

 なお、このブログには、いつもは技術書については仕事で読んでいる面が否めないから、読書として載せないことにしているのだが、この「ザイログZ80伝説」については読み物としての側面が強く、実際楽しく読めたので、載せた。

読書

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 引き続き、約60年前の古書、平凡社の「世界教養全集」を読んでいる。第10巻の途中だ。キリスト教一色であった前第9巻から打って変わって、第10巻は仏教一色である。

 昨夕、帰りの電車の中でこの巻二つ目の収載作「般若心経講義」(高神覚昇著)を、解説だけを残して読み終わった。今朝の出勤時の電車の中で、解説も読み終わった。

 著者の高神覚昇師は戦前から戦後にかけて、仏教の普及に最も功績のあった一人として知られ、真言宗智山派の名僧である。真言宗のみならず、大谷大学に国内留学して浄土真宗にも縁を持ち、華厳宗・三論宗をも論じた。そのため、この本のみならず、密教や空海・最澄に関する著書など、多くの著作がある。

 高神師は戦前、ラジオで「般若心経講義」という番組を放送して好評を博した。その後、放送内容をまとめて出版したものが本書である。終戦後再版したようだ。既に著作権が消滅しており、青空文庫にも収められている。

 内容は般若心経の一節一節を逐条的に、かつ、誰にでもわかりやすく、そしてまた、著者の西洋哲学や西洋文学に関する該博な知識と理解をも開陳しつつ講義していくものである。

気になった箇所
平凡社世界教養全集第10巻「釈尊の生涯/般若心経講義/歎異鈔講話/禅の第一義/生活と一枚の宗教」のうち、「般若心経講義」より引用。
他の<blockquote>タグ同じ。p.125より

因縁の真理を知らざることが「迷い」であり、因縁の道理を明らめることが「悟り」であるといっていい。

p.150より

何事によらず、いつまでもあると思うのもむろんまちがいですがまた空だと言って何ものもないと思うのももとより誤りです。いかにも「謎」のような話ですが、有るようで、なく、無いようで、ある、これが世間の実相(すがた)です。浮世のほんとうの相です。

p.189より

 草履取りは草履取り、足軽は足軽、侍大将は侍大将、それぞれその「分」に安んじて、その分をりっぱに生かすことによって、とうとう一介の草履取りだった藤吉郎は、天下の太閤秀吉とまでなったのです。あることをあるべきようにする。それ以外には立身出世の秘訣はないのです。五代目菊五郎が、「ぶらずに、らしゅうせよ」といって、つねに六代目を戒めたということですが、俳優であろうがなんであろうが、「らしゅうせよ」という言葉はほんとうに必要です。

言葉
審か

 「(つまびら)か」である。

下線太字は佐藤俊夫による。p.138より

「博く之を学び、審かにこれを問ひ、慎んで之を思ひ、明かに之を弁じ、篤く之を行ふ

熟する

 全然難しい()みではなく、そのまんま「(じゅく)する」であるが、用法が面白かったから挙げた。

p.171より

いうまでもなく惑とは、「迷惑」と熟するその惑で、無明、すなわち無知です。

 「熟する」というと、普通は「この柿はよく熟してるなあ」というように、十分に時期が来て、よくこなれていることなどを言うのに使う。他方、「熟語」という言葉がある。この「熟語」という言葉には、 2字またはそれ以上の漢字で書かれる漢語という意味もあるが、「慣用によって、特定の意味に用いられるようになった語句」のことも言う。

 これを踏まえつつ、「熟する」という単語を調べると、「ある新奇な言葉が多くの人に使われ、一般に通用するようになる。」との意味があることがわかる。

 そうすると、「『迷惑』と熟する」とは、「迷惑、という言い慣わし方があることからも分かる通り」というほどの意味と言ってよかろう。

おもやすめども

 これが、調べてもサッパリわからなかった。Googleで検索すると、この「般若心経講義」のテキストばかりヒットする。

p.178より

娘をなくした母親を慰め顔に、「まあ、極楽へ嫁にやったつもりで……」といったところで、母親にしてみれば、それこそ「おもやすめども、おもやすめども」です。なかなか容易には諦めきれないのです。

 文脈から恐らく「そのように思ってはいても」というような意味ではあるまいか。また、本書の他の部分で、浄瑠璃や義太夫などからの引用と思われる、著者独特の下世話に馴れた、洒落(シャレ)た言い回しもあることから、なにかこういう台詞や歌詞、筋書きの、芸能のひと(ふし)があるのかもしれない。

思いついたシャレ(笑)

 本書を読んでいる最中にフッと思いついたのだが、データモデリングに使うER図の要素を仏教の術語(ターム)に当てはめると、下のようになるのではないか。

DM的仏教術語の理解(笑)

 ……い、いや。冗談なんで、軽く受け流してください(笑)。

 引き続き第10巻を読み進める。次の著作は「歎異鈔講話」(暁烏(あけがらす)(はや)著)である。