デケェ囁(ささや)き声 投稿日: 令和6年(2024)02月13日(火)22時28分2024年2月19日(月)23時20分52秒 JST あれはたしか、定年で自衛隊を辞(や)める1年くらい前、最終ポストの、情報セキュリティや守秘の責任室長(情報保証・保全室長)をしていた頃のことだったか。新コロの猖獗(しょうけつ)っぷりたるや、もはや最大火力と言ってよいほどの猛威を極めていたが、紙の秘密文書を司(つかさど)らなければならない仕事の特性上、テレワークへのシフトが難しく、私はガラ空きになってしまった通勤電車で毎朝毎晩、自宅から市ヶ谷まで通勤していた。 その日、私は早めに仕事を切り上げ帰りの電車の中の人となった。都心から北千住に向かう日比谷線は三ノ輪と南千住の間で地上に出る。次第次第に陽永(ひなが)となる心地よさ、暮れ泥(なず)んでいる黄色い光の中を電車はのんびりと走っ “デケェ囁(ささや)き声” の続きを読む