読書

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 「ザイログ(ぜっと)80(はちまる)伝説」という本を読んだ。Facebookである方がこの本について触れておられたので、興味を覚え、買ってみたのだ。

 面白かった。

 私が自分で初めて書いた機械(マシン)語のプログラムは、シャープのCZ-800C「X1」上で動かすものであった。BASICでのプログラミングをひとわたりやってみた後、ゲームプログラムの作成中に少々凝ったことをしようとして、BASICの動作の遅さに我慢がならず、機械語で書くことにしたわけである。X1の搭載CPUはZ80Bで、つまり私がはじめて使った機械語はZ80のそれであった。

 初めの頃、X1上で動くアセンブラがなく、「ハンド・アセンブル」ということをよくやった。ハンド・アセンブルというのは、紙にニーモニックでプログラムを書き、同じく紙の命令表を見ながら手書きで16進の機械語に翻訳していく作業だ。こうしてできた機械語のプログラムを、「モニタ」と呼ばれる基底システムから入力していくか、BASICのプログラム中に「DATA文」で配置し、「POKE命令」でメモリに配置するなどしていた。

 そんなことを懐かしく思い出しながら本書を読む。

 よく知られているインテルとフェデリコ・ファジン、嶋正利の4004の物語から始まって、ザイログ社の設立、PC-8001への採用、MSXの大ヒット、Z80からZ8000、そしてZ8へと変遷していく様子をとても興味深く辿(たど)った。

 Z80は40年近く経った現在も生産されていて、「新品が手に入る」ということを改めて知り、驚いた。そして、ザイログ社がまだ消えていないことも興味深い。

 しかもなお、入手しうるZ80を使用した自作ボードコンピューティングの趣味世界があり、世界中で楽しまれているらしいということを知り、二驚三驚した次第である。

 なお、このブログには、いつもは技術書については仕事で読んでいる面が否めないから、読書として載せないことにしているのだが、この「ザイログZ80伝説」については読み物としての側面が強く、実際楽しく読めたので、載せた。