読書

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 引き続き読み進む。

 主人公高田屋嘉兵衛は着々と力を蓄える。ついに新造の持ち船、巨大な弁財船「辰悦丸」も手に入れ、いよいよ念願の北前航路、松前交易に乗り出す。恩義のある堺屋を不義理にもせず、新たな屋号の高田屋で徐々に「オーバーライド」していく。

 大成していく主人公が生き生きと描かれ、読んで楽しい。しかし、幕府と松前藩の因縁深い関係の狭間に足を踏み入れてしまいそうな予感が少しづつ出てくる。

言葉
サンピン
新装版 菜の花の沖 (3) (文春文庫)、ISBN978-4167105884、64ページより引用

 この時代、一両の値打ちの大きさは非常なもので、江戸の旗本が臨時に雇い入れる最下級の侍の給金が年三両一分で、町人たちはかれらをサンピンと呼んだ。

 「サンピン」というとやくざ者をからかってそう呼ぶような気がするが、それは違うということを上記で再認識する。むしろ、例えばやくざ者が下っ端刑事をからかって「サンピン」と言ったり、役所への出入りの業者が公務員を愚弄して「サンピン」というような使い方が本来だろう。逆に、官吏がやくざ者をからかう場合は例えば「おい、三下(サンシタ)」と言うのである。「サンピン」と「サンシタ」は、語感は似ているが全く意味と向きが違う。「三下」というのは、客の履物を出し入れする下足番、表の戸に立っている表番、雑用に追い使われる使番などの「三人下っ端」のことを言うのである。

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