SOBA満月の人気と行きずりの知らない人と
行きつけの蕎麦店、新越谷駅南側にある「SOBA満月」の表に並んで待っていると、人品卑しからぬ年配の男性が駅の方からやってきた。その人は表に何人か客が並んでいるのを見て、「あらー……随分並んでますねえ、このお店は人気なんですね」と何気なく声をかけてきた。
「ええ、このお店の出す十割のお蕎麦はピカイチの人気で、土曜日はいつも並びますよ」
「そうなんですか。……今日は
このお店は客が並んでいるときには「お席が空いたら電話でお呼び出しさせていただくこともできますが」と案内する。近くの「VARIE」や「サンシティ・イオンモール」で買い物をしたり、イオンモールの中にある公立図書館で読書などしていれば、席が空き次第、電話で連絡してくれる。
その案内を聞いて男性も少し迷っておられたが、私が店の外に並べられている椅子に腰かけて
折しも、晩秋の空は高々と晴れ上がり、日差しの
無理に話そうとするでもなく、自然に
「このお店のお酒は、おすすめはなんですか」
「私はよく山梨の銘酒『七賢』を選びますよ。甘口ですが、香りが爽やかで、好きなんですよ」
「そうですか、私はネットでこのお店を検索したときに、『鴨焼』がいいという評判を見ましてね、ここの鴨焼は美味しいですか」
「そりゃもう。ここの『鴨焼ハーフ』の『塩』を『七賢』でやるのは絶品ですよ。……そうですね、他に、油ものがお嫌いでなければ、ここの先代が揚げている天婦羅は油も天
「この、『赤天』というのは……?」
「これは、こちらの女将さんのお
と私が言うと、看板ボードを書き換えていた若女将さん、すかさず
「『赤てん』、お客様の皆さんは、ビールにも合うとおっしゃって下さいます」
と合いの手を入れてくれる。
実に穏やかな会話になった。
お互い、自分が何者であるかなんて、そんな立ち入った会話は何もしなかった。
思うに、こういう、互いに行きずりの他人どうしが悪意もなく自然に話ができるということは、本当に良いことだ。それが今はあまり見られなくなっていると思う。皆警戒しているのだ。
その一方で、ネット上では様々な「行きずりの会話」が警戒もヘッタクレもなく交わされている。
その男性は70歳代に見えた。私は56歳。多分、私は「穏やかなリアル行きずり会話ができる最終世代」なのではなかろうか。後輩世代は、行きずりの知らない人との会話はネットでしかしないと思う。
晩秋漫 ろ
すっかり涼しくなった。晩秋の晴天である。今日はSOBA満月の蕎麦を
先月までの勤め先は市ヶ谷の防衛省庁舎にある陸上自衛隊だったから、通勤は自宅最寄りの新越谷駅から東武スカイツリーライン~日比谷線~中央総武線を北千住と秋葉原で乗り換えるコースだった。そのため、土日に秋葉原へ買い物に出かけるのには通勤定期が使えた。よく秋葉原へ行く私には至極便利で、しかもこのコースには北千住や上野など緊要な乗り換え駅が含まれるので何かと通勤定期が役立った。
しかし、私は先月定年で自衛隊を辞め、今月1日からは会社員になった。東武スカイツリーライン~直通で半蔵門線~有楽町線というコースで、有楽町線には永田町で乗り換える。今までのように秋葉原では降りられなくなった。このコースだと、秋葉原に用があるなら最も近い駅は半蔵門線
今日は神保町駅から秋光溢れるばかりの
- 第62回東京名物 神田古本まつり(公式)
- 神田スポーツ祭り(同じく)
三省堂書店の裏側の「すずらん通り」は元々歩行者天国だが、今日は多くの出版社や書店が露天で本を売り出していて、絵本から宗教書から戦史軍談、教養に自己啓発まで
私は本を買い出すとキリがない男であることを自覚しているので、残念ながら今日は本
フェスティバルは明日もやっているそうなので、興味のある方は行ってみては如何。