The decoration meat bun

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 朝起きて、顔を洗って着替え、いつものようにリビングのカウンターに向かうと、妻が朝食を出してくれる。

 いつもはジュース、トースト、目玉焼き、コーヒー、牛乳など、だいたいそんなものだが、たまにはホットサンド、シリアル、ホットケーキなども出る。

 今日も欠伸(あくび)をしながらおはようと言ってスツールに腰をかける。妻は「今日はコレよ」と、「肉饅(にくまん)」を出してきた。前にも一度か二度はこんな朝食もあったが、珍しいことだ。

「いただきまーす!」
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 しかし、今日の肉饅は通常の肉饅ではなかった。肉饅の底面の平らな面が上になっており、普通はそこに丸い経木(きょうぎ)か紙が貼り付いているものだが、それがきれいにはがされていて、なめらかな白い肌になっている。その平らな面が白い生クリームで縁取られ、ショートケーキのようにデコレーションしてあって、赤や黄色のアラザンが振りかけてあり、真ん中辺に薄手のチョコレート片があしらってある。少しばかり金箔が飾られていて、なにやら美しいが、土台は温かな肉饅なのが変だ。

「ふへっ!?……ジュンコ、こ、これは……?」

「……?何、お父さん、これ、知らないの?最近『めざましTV』でやってて、すごく流行(はや)ってるのよ。」

「ははあ、流行りか。流行りならしょうがない。どれ……」

 てっきり、これはこういうお菓子風に作るための専用の肉饅で、中身は悪くしてもせいぜい餡饅(あんまん)だろう、と思ってかぶりついてみたのだが、

「ぐはっ!……かーちゃん、コレは、肉饅ではないか」

「……??肉饅ではないか、って、当たり前じゃない。そうよ。おかしい?」

「い、いや、……。おかしい、っていうか、うーん」

「お醤油つけるのよ、ほら。あと、練り辛子」

「ぬぅ」

 生クリームと醤油と中華オイスターソースの風味がよく利いたひき肉や(タケノコ)の具と練り辛子とチョコレートの珍奇きわまる味のハーモニーである。受け入れがたい。

 だがしかし、「これは流行っているんだ、人々が皆いいと言っているんだ、新聞だってテレビだって、有名な芸能人や評論家がこれはイイと言っているんだ、朝日の社説だって天声人語だってこれをきっと評価するのは間違いない、間違っていないんだ!!だから旨いものなのだ!飲み込め!受け入れろ!」と、無理やり賞味しているところで目が覚めた。

 ああ、中途半端に面白くもない夢だったなあ。

 平成二十七年大晦日、最後の夢が、デコレーション肉饅だったのは、なんの祟りであろうか。業の浅いこっちゃ(笑)。

 せめて明後日、初夢にはもう少し何か、富士とか鷹とか茄子とか、そういう夢を見たいものである。

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