頬杖

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 子供のころから頬杖をつく癖が抜けない。机と椅子があると、机に肘を置いて頬を支えないとどうも落ち着かない。今でもだ。自分の頬がこけているのは、ひょっとして頬杖でへこんだせいかも、などと思う。

 長じて、外見を相当に整えなければならない仕事をするようになり、ずいぶん鍛えられた。おかげで並んでいるときなどにグニャグニャするようなことはなくなった。しかし頬杖をつく癖はついに治らずじまいで今に至る。

 いつだったか、「アスペルガー症候群の人は、姿勢がよくない傾向にある」ということを何かで読んで、ギクリとしたことがある。私はアスペルガー症候群ではないが、どうもそういう傾きがあるような気がしたことが一再ならずあるからだ。

 心配になって、ネットで見つかるいろいろな問診などをしてみたことがある。その結果、特にアスペルガー症候群決定というようなことはないようだ。私については、「傾き、傾向」という表現が最も適している。10個の設問で二つか三つは当てはまるが、残りの設問は当てはまらないばかりか、真逆でもある。

 つまり、風邪で例えると、「なんとなく風邪気味なような気がするが、別に熱はないし、咳やくしゃみもない」というような、特に病的とは言えない人、ということだ。周囲の人から見れば、ずいぶん扱いにくい迷惑なオッサン、というところだろう。

 ただ、私が精神質な家系に生まれた精神質な人物であることは、どうも否めないようだ。母方の祖母は自殺しているし、私は子供のころチック症がひどく、今も多少その傾向が残る。二十歳前に事故で死んだ兄は中学生の頃一度自殺を図ったことがあり、これはシャレで済むような話ではなかった。姉は高校生の頃抜毛症に悩まされた。この抜毛症は今でこそれっきとしたメンタル症状の一種として知られているが、当時はそんな認識はなく、姉もかなり悩んだことと思う。

 しかし、私のような人物が働いて口を糊し、家族をもうけて暮らしていくことができるのだから、社会と言うのはまったくありがたいものだ。

 こんなことを、今も椅子にグニャグニャと歪んで腰掛け、頬杖をつきながら書いている。

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