立秋

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 毎日身に応える暑さである。

 だが、昨日の朝、出勤時には羊雲を空高くに見た。蒼空が日に日に高くなる実感がある。そして、日が短くなっていく実感もまた、ある。

 昨日の夕刻、帰宅する頃、風にはどことなく秋隣が感じられた。無論、依然熱帯夜続きではあるのだが。

 さもあろう、今日は既に「立秋」だ。月はちょうど上弦の半月。

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 空の雲がモラモラモラッと縞模様に高い。これは秋の雲だ。

 蝉の声も日暮れになると死生観など浮かべ、寂寥をはらむ。

 このクソ暑いのに秋などとは、……そんな言葉を浮かべて冷笑するのは、無粋というものだ。

暑くても秋

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 暑い。

 玄関先に半野良の老猫・ハートが寝そべっていて、出入りの邪魔だが、畜生をむげに扱うとバチがあたると思ってそのままにしている。

 長女が何か辛い料理を拵えている。夏だからという。出かけていた家内が疲れて帰ってくる。

 冷蔵庫から氷を取り出し、いつものとおりアイスピックを突き立てる。手許(てもと)が狂って、左の薬指をかすめ、少々血など出てしまう。それを舐めながらウィスキーを一杯。

 「秋隣(あきどなり)」はゆかしい季語だが、あんまりにも暑いものだから、とてものことに()めなかった。

 夏既に去る、一昨日立秋。だからこそ「残暑」とも言う。

 子供の頃は大人が交わす見舞状に「残暑御見舞」などという文字を見出しては、「夏真っ盛りなのに、なんで『残暑』??」などとも思ったものだ。

 これからどんどん暮れやすくなる。この(ゆうべ)も、窓の外にはなかなかになまめかしい色合いの空が拡がる。

 台風はゆきすぎて雨もなし。好日。