進化と秘書

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 人類は毛むくじゃらの猿人から次第次第に進化した。全身を覆っていた濃密な毛髪は、知能や生活様式の変化とともにだんだんと少なくなっていき、ついには最も濃い頭部の他、眉、(ひげ)(わき)、陰部、(すね)、人によっては胸や背等のみとなった。

 つまり、毛髪の退行は進化の証である。

 そう考えて来てみると、にわかにハゲの意義がクローズアップされてくるではないか。

 ハゲこそ、人類進化の先行形であると言えるのではないか。ハゲは人類の目指すべき将来を表す羅針盤であるとしても言い過ぎではあるまい。これまでの毛髪退行の歴史から言って、ハゲは人類進化の証である。

 だとすれば、「この、ハゲ~ッ!」「違うだろーッ!」の豊田真由子氏は、これは人類の進歩に対する凄絶な抵抗を試みたものと言えなくもない。ネアンデルタール人とクロマニヨン人の、世代交代の戦いのようなものだろう。ネアンデルタール人は滅びる前、きっと力の限りクロマニヨン人に抵抗したに相違なく、その抵抗は蝋燭(ろうそく)の燃え尽きる前の一瞬の輝きのように、全力全霊の叫びとなったはずである。無論、より猿人に近いネアンデルタール人は豊田真由子氏であり、より進化したクロマニヨン人はハゲの秘書氏に決まっている。あの「この、ハゲ~ッ!!」の叫びは、滅びゆく直前の、追い詰められた、劣った者、弱い者による鳴き声、悲鳴、絶叫であったと言えよう。

 この際、知能の程度は関係がない。進化しているか否かである。実際のところ、ネアンデルタール人はクロマニヨン人よりも巨大な脳を持っていた。

 あの一件の仄聞は、進化した人類が旧人に打ち勝った、人類歴史の飛躍的一瞬に、私たちが立ち会ったということなのかも知れぬ。

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