「寿司を食べ、酒を飲んでいるうちに・・・」

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 二代目廣澤虎造の浪曲、また、古くは講談のネタでも有名な「石松三十石船道中」というのがある。 「食いねェ食いねェ、寿司を食いねェ、酒を飲みねェ、もっとコッチい寄んねェ」というアレだ。
 この語り出しに、「親分には内証だが途中で買ってきた小さな酒樽 縁の欠けた湯呑へ注いで飲む 大阪本町橋の名物『押し寿司』を脇へ置いて 寿司を食べ 酒を飲んでいるうちに 船が水に流されて河のなかばへ出る・・・」というくだりがある。
 唐突だが、この「寿司を食べ、酒を飲む」という行為が、どういう感覚のものなのかを想像してみた。
 当時のこと、刺激のある飲料なんてものは、ない。現代なら、ビールだのジュースだのソーダだのコーヒーだの、なんでもある。しかし、当時、飲み物と言えば水、湯、茶、酒であったろう。つまり、酒がもっとも刺激的な飲み物であったはずである。
 一方、食べ物の寿司。これは、当時のファーストフードの最先端であり、今で言えばハンバーガーぐらいにもあたろうか。
 そして、物語の主人公のやくざ、石松。これは、「イキな小粋な、そして愛すべき馬鹿の石松」であって、マンガ雑誌「ヤングマガジン」に出てくるような、一部の人にはかっこ良いとしてあがめられる如き、先端ヤンキーであったかも知れぬ。
 つまり、こうである。
 「カッコイイ先端ヤンキーが、バドワイザーかマックシェイクを持って船に乗り、ハンバーガーをパクついている光景」
 ・・・コレが、石松三十石船道中の理解の仕方なのではアルマイカ、と。

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