トルコ行進曲(連弾用 田中雅明編曲) その0.1~PTA会長の言のことなど

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 次女と連弾する予定のトルコ行進曲、少しづつ練習を進めつつある。かれこれひと月練習している計算になるが、そう簡単には進まない。とはいうものの、つっかえつっかえながら楽譜の最後まで通して弾けるようになった。こうなればあとは反復練習あるのみで、先は見えたも同然だ。弾ける、という確信を得た。

 いつもなら自分の励みになることも考えのうちに入れて、midiのひとつもとってブログに載せておくのだが、今度の「トルコ行進曲」は新しい編曲で、権利関係、就中著作権方面の問題があるから、そうもいかないのは残念だ。

 ちなんで記せば、今まで録りためたバイエルとなると話は別である。フェルディナント・バイエル氏は幕末の頃には亡くなっている。亡くなってからとうに100年以上は経過しているから、日本の著作権法でも諸外国の著作権法でも、midiに録ってブログに載せることにはまったく問題がない。

 さておき、次女との連弾のための練習なのであるから、私だけが必死になっても駄目である。主役は次女なのだ。ところが、この次女がまた、練習不熱心なのだ。家内が「ちいちゃん(次女)、ピアノ練習しようよ」とたびたび促すものの、つまらなそうにそっぽを向いてしまう。どうしたものか、よいアイデアも思いつかない。

 次女は去年までは近所のヤマハの教室に通っていた。それほど期待はしていなかったのだが、思いのほか、次女が鍵盤の演奏を非常に楽しそうに上手にやることがわかり、キーボードなどを買い与えたのである。(そのキーボードが私のピアノ練習の発端になったことはこのブログに度々記すところである。)

 これは、と思ったので、さらに次女の幅を広げてやってみようとピアノ専門の先生の門を叩いた。さすがは専門の先生だ。私が次女を連れて行く時にはそばでレッスンの様子を拝見するが、先生の指導は的確かつ高度であり、傍目で見ている私までが「なるほどっ!!」と膝を打つことも度々である。専門の先生に替わってよかったと思う。

 だが、次女はどうも、つまらなくなってしまったようだ。ヤマハは友達とのグループレッスンで、みんなで合奏したり歌ったりというのが多かったのだが、次女はそういう友達との「盛り上がり感」を楽しんでいたようで、ヤマハの友達と会えなくなってしまったのも、ピアノがつまらなくなってしまった要因らしい。

 先生もそこいらあたりは十分ご承知で、「つまらなくても続けていると、ふとしたきっかけでうんとはかどることがあります」と言ってくださっている。たしかにそう思う。

 思い起こすことがある。

 私の子供たちが通っている小学校のPTA会長は石川雄規さんという方で、プロレスラーだ。有名人である。一見、茶髪の巨体、強面だが、実際の人柄は礼儀正しく、温和にこやかで、ましてや愚物であるはずはなく、話すことも理路ただしい。聞けば大学できちんと教育学を修めた学士先生である。

 次女の入学式の折りであったか、PTA会長は次のようなことを言われた。

「子供というのは気まぐれなものだ。子供と私たち親とのやりとりをキャッチボールにたとえると、こちらからボールを投げても、投げたボールが返ってくるなんていうことはほとんど期待できない。いや、『ほとんど期待できない』どころか、1球も返ってこない、ゼロというのが実際のところだろう。それくらい子供は気まぐれだ。だから、子供の反応がないからと言って、それでいちいち怒ったり悔やんだりするのは考えものだ。

 だがしかし、そんな一方通行とすら思えるキャッチボールのなかで、ぽつん、と、1球だけ、突然ボールが返ってくることがあるのだ。その1球は重要な1球だ。この、ぽつんと返ってきた1球を取り逃してはならない。100球、1,000球、いや1万球の中のこの1球を取り逃さないためには、漫然と球は投げられない。1球1球に集中と努力がいる。一生懸命に球を投げないと、その『重要な1球』を捕り逃してしまうだろう。次は返ってくるかもしれない、そう期待しては、だが裏切られることの繰り返しに耐えなければならない。

 私たち親の任務は多様であり、ひとつではくくれないが、この『重要な1球』を受け止めるための集中と努力も、きわめて大切な子供への接し方のひとつと言えようか」

 私にはとても印象に残る話で、至言だと思う。会長は子供への接し方としてこれを話されたが、組織で仕事をしている者には、たとえば部下への接し方として読み替えても、実に含蓄に富む。

 次女は、ピアノの「重要な1球」を返してくるだろうか。この例えなら、半年やそこらではまだ、私から5~6球も投げたとは言えまい。次女からの重要な1球を逃さないよう、更に1,000球を送らねばならぬ。

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