読書

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 引き続き「平凡社 世界教養全集第2 随想録/箴言と省察/パンセ/覚書と随想」から、ラ・ロシュフコーの「箴言と省察」を読んでいる。

 解説(平岡昇(明治37年(1904)~昭和60年(1985)、仏文学者)によると、モンテーニュの随想録や、パスカルのパンセなどに比べると、「内容の深さにおいて劣ることは否めない」(同)と評されるものだそうである。

 しかし、箴言の一つ一つは短くわかりやすい。

気になった言葉――箴言集より――
箴言
【22】 哲学は過ぎ去つた不幸と来るべき不幸には容易に打ち勝つ、しかし現在の不幸は哲学に勝つ。

【23】 死を知つてゐる者は少い。人は普通の場合決意にによつて死を堪へ忍ぶのではなく、愚昧と習慣による、そして大部分の人間は、死なざるを得ないから死ぬのである。

【26】 太陽も死も凝視することはできない。

【38】 我々は期待によつて約束をし、恐怖によつてそれを守る。

【73】 色恋沙汰を一度も経験したことのない女はいくらもゐるが、たつた一度しか色恋したことのないといふ女は、めつたに見つからない。

【79】 沈黙は、自信のない人間の最も確実な方策だ。

【90】 我々が生活上の交際で人の気に入るのは、我々の長所よりも欠点による方が多い。

【251】 欠点が似つかわしい人もあれば、長所と凡そ不釣合な人もある。

【264】 憐れみの情とは、他人の不幸を介して自分自身の不幸を顧る気持ちであることが多い。我々が将来陥るかも知れない不幸に対する巧妙な先見の明なのだ。我々が他人に救ひの手をさしのべるのは、我々が同じやうな不幸にあつた場合に、我々にもさうしてくれることを彼らに覚悟させておくためである。だから、我々が彼らに捧げるこのやうな奉仕は、本来から言へば、我々があらかじめ自身のために利益を図つたことになる。

【266】 野心や恋愛のやうな激しい情念でなければ、他の情念に打ち勝てるものではないと思ひこむのは、考へ違ひである。怠惰は、どんなにだらしがなくても、しばしば情念を制御せずにはおかない。即ち、怠惰は人生のあらゆる計画とあらゆる行為を(むしば)み、知らず知らずのうちに情念と美徳を破壊し、根絶やししてしまふ。

【270】 既得の名誉は、これから獲得すべき名誉の保証である。

【276】 相手がゐなくなれば、月並みな情熱は()め、大きな情熱はつのる、風が吹けば蝋燭が消え、焚火が燃えるやうに。

【277】 女は、愛してゐないのに愛してゐると思つてゐることがよくある。つまり、或る恋のたくらみにいつぱいな胸、言ひ寄られて起きた気の高ぶり、愛される楽しさに自づと引きこまれる心、それに、愛を退ける心苦しさ、かうしたことから、彼女らは唯媚態を演じてゐるにすぎないのに、恋情に燃えてゐると思ひこんでしまふ。

【282】 あまり巧妙に真理を仮装してゐるので、それに騙されなければ却つて判断を誤つたことにされさうな仮面をつけた虚偽がある。

【287】 同一の事柄について方策を幾つも思ひつかせるのは、精神の豊かさよりもむしろ明智の欠如である。この欠如のために我々は想像に浮ぶものすべてに気を取られ、まづ、何が最もよいのかの見分けがつかなくなるのだ。

【301】 財宝を軽蔑する人は相当に多い。しかし、それを与へ方を知つてゐる人は殆どゐない。

【308】 人は節制を一つの美徳としたが、それは偉人の野心を制限するためであり、又、凡庸な人々が幸運や才能に恵まれないのを慰めるためであつた。

【342】 人が生れた国の訛りは、言葉ばかりでなく、精神や心情の中にも残つてゐる。

【354】 欠点によつては、巧みに用ひれば美徳そのものよりも光り輝くものがある。

【372】 大多数の青年は、洗練されもせず、粗野であるにすぎないのに、気取らない人間だと思ひこんでゐる。

【414】 馬鹿と気違ひは、自分の気紛れを通してしかものを見ない。

【427】 大部分の友人は人を友愛嫌ひにさせ、大部分の信心家は人を信心嫌ひにさせる。

【436】 人間一般を知ることは、個々の人間を知ることよりも容易である。

【458】 我々の敵は、我々に対する評価においては、我々自身よりもずつと真実に近づくものだ。

【571】 自分自身の中に安心が見出せない場合は、他にそれを探しても無駄である。

【610】 人間のすることでは、極端になれば善も悪もない。

【611】 大きな罪を犯す能力のない人々は、他人がそれを犯しても容易には感づかない。

【612】 葬式の華やかさは、死者の名誉よりも生者の虚栄にかかはる方が多い。

【618】 人真似は常にうまくゆかないものだ。すべてまがひものは、実物の時は人を魅惑するものでも、人を不快にする。

【622】 自分は人に好かれてゐるといふ自信は、しばしば、間違ひなく人に嫌はれる道である。

様々な省察
〇 大抵の子供が人に好かれるのは、彼らが持つて生れた様子や態度からまだぬけ出さないためであり、それ以外の様子や態度を知らないためである。

〇 つまるところ、人が生れつきどんな長所なり欠点なりを授かつてゐようとも、自分の身分と容貌にふさはしい様子や口調や態度や感情を持ち続けてゐる程度に応じて、他人に好かれるものであり、それらから人が遠ざかつてゐる程度に応じて他人に嫌はれるものである。

〇 雄弁な沈黙といふものがある。それは時として是認することにも、非難することにも役立つ。人をあざ笑ふ沈黙もある。(うやうや)しい沈黙もある。 

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 先日手に入った50年前の古書、平凡社の「世界教養全集」。先々月、1巻の哲学物語から読みはじめた。

 ちょうど先ほど、読み終わった。

 この本は戦前にアメリカで出版され、空前のベストセラーとなったものだ。哲学を一般の人にわかりやすく、しかも的確に紹介した名著である。

 原題は「The story of philosophy, The lives and opinions of the greatest philosophers 哲学物語 ~偉大な哲学者たちの人生と示唆~」という。文字通り、哲学のみならず、哲学者の人生について触れ、その人間的魅力を味わうことができるように書かれており、それが面白さを際立たせる。

 ソクラテスから語り始められ、プラトン、アリストテレスが語られる。時代は飛び、フランシス・ベイコン、スピノーザ、ヴォルテール、カント、ヘーゲルが語られ、ショーペンハウエル、スペンサー、ニーチェが語られる。最後に近代ヨーロッパの哲学者、ベルクソン、クローチェ、ラッセルの3人と、近代アメリカの哲学者、サンタヤーナ、ジェイムズ、デューイの3人が語られる。

 浩瀚(こうかん)で、読むのになかなか歯応えがあった。去る3月16日から読んでいるので、読むのに2カ月弱ほどかかった計算になる。

 引き続き第2巻、「随想録/箴言と省察/パンセ/覚書と随想」を読み始める。それぞれモンテーニュ、ロシュフコー、パスカル、ブーヴの著作である。

Today’s drinking and snacks 今日の酒肴・煮付豆腐

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 豆腐の少し古くなったのがあったので、よく火を通して食ってしまえと思い、煮付豆腐にしてそれで一杯飲んだ。実に旨かった。

 例によって動画に撮り、YouTubeに上げた。

 動画の中で読んでいる本は、「平凡社 世界教養全集 第1巻 哲学物語」である。

 動画の中で呑んでいる酒は、「会津ほまれ からくち 米だけの酒 純米酒」である。