前倒し靖国参拝~楠公(なんこう)

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 例年なら終戦日の8月15日に靖国神社に参拝するのだが、今年はどうも行けそうにない。そこで、終戦日間近の今日、参拝してきた。

IMG_4092 終戦記念日は、大鳥居から拝殿まで軽く2時間は並ぶが、さすがに今日来てるのは物好きな外国人くらいなもので、まことに神域にふさわしい静謐さだった。今年の終戦記念日は多分、閣僚の参拝がどうのこうので、いつもにもまして混雑するに決まっている。今日はそれを避けることができた。英霊やすらかにあれ、と、それのみを念じて参拝した。

IMG_4093 遊就館を拝観することにし、入ってみると、いつもは満席ばかりの茶寮「結」がすいている。カツカレーを注文すると「ルーは横濱カレーと海軍カレーどちらかからお選びいただけます」と言う。海軍カレーを選んだところ、「このカレーは明治時代軍発行の公式レシピに従って忠実に再現したものです」みたいな栞が一緒についてきた。なかなかうまかった。IMG_4094

 遊就館の特別展示は「軍人とともに歩みし軍属たち」というテーマだった。軍属とはいうまでもなく、事務官・文官・技官・従軍看護婦と言った、軍に奉職しているが軍人ではない人たちのことだ。先の大戦中、この軍属たちも多くが亡くなった。靖国神社には、特に看護婦の御祭神が多い。また、船員などの軍属であった御祭神が多く祀られている。

 遊就館はこれまでにも何度も拝観しているのだが、何度見ても涙を抑えるのに苦労する。今日も、涙を(こら)えて上辺(うわべ)は平静、しかし胸の底は慟哭である。これまでに何度も見た常設展も隅から隅まで、たっぷり3時間ぐらいかけて拝観した。

 今日はよく晴れていたが涼しい日だった。靖国神社を出て、皇居の北の丸公園、武道館のほうへ回ってみた。何か、学生弓道大会をやっており、袴・道着の楚々とした女の子たちが長い弓を持って大勢歩いている。科学技術館を回り、近代美術館のほうへ行って、そうだ、そういや近代美術館見たことないなあ、と思い、寄ってみたが、今日は別館の工芸館だけが開いているようだ。

IMG_4108 国立近代美術館・工芸館は、旧近衛師団司令部庁舎の煉瓦造りを使用している。今日は特別展「ナニデデキテルノ」というのをやっていたが、タイトルはさておき、館所蔵の選り抜きの工芸品を展示していて、こじんまりとした展示の割には大変見ごたえがあり、よい拾いものをした。これで210円は安い。

 美術館を出て、皇居周りを時計回りにだらだら歩いていく。いつもなら東御苑なども拝観できるところだが、今日は時間も遅く、閉まっている。

IMG_4124 そうだ、二重橋まで行って、大楠公(だいなんこう)像の記念写真でも撮ろうか、と思い、だらだら歩いた。この像を見に来るのなんて、それこそ35年ぶりというところで、10代の頃見たっきりだ。

 楠公(なんこう)の精神力にあやかりたいものだ。この私も、ひょっとすると定年前に「湊川(みなとがわ)」めいた無理なことを命じられるかもしれないし。その時、バカな要求にも楠公のように承詔必謹(しょうしょうひっきん)、粛々と突進できるかどうか、だな。IMG_4131

 東京駅ナカでなにか酒でも、とも思わなくもなかったが、今日はさっさと帰ることにする。新越谷駅のカルディ・コーヒーファームでフラスカーティ1本買って、家で一杯。IMG_4143

投稿者: 佐藤俊夫

 50代後半の爺。技術者。元陸上自衛官。2等陸佐で定年退官。ITストラテジストテクニカルエンジニア(システム管理)基本情報技術者

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