背広やクリーニングや
会社員になったので、毎日背広を着るようになった。
会社員になる直前は、「背広を毎週クリーニングしてたらお金がかかってしょうがなくなるのではないか」などと要らぬ心配をしていたのだが、入社する前、イオンの背広売り場へ勤め用の背広を買いにいくと、「ウォッシャブル」の背広がたくさん売られており、それを買ったので、自宅で洗濯ネットに入れて洗えばよく、心配するほどのことはないことがわかった。
これまでいた自衛隊では、制服は支給ではなく貸与で、国の財産であるからむやみに
さておき、実のところ、今の職場は非常識な服装でさえなければ、別にカジュアルな服装でもよく ―― さすがに、寝間着とかジャージの人は見当たらないが ―― 若い方なんかは結構シャレた服装で仕事をしている。
でも、私は熟年だ。なにより長年自衛隊にいて、世の中のことがよくわかっていないので、世の中に慣れるため、しばらくの間は背広で仕事をしようと思っている。
鼻ちんちん ~ 鼻に鋏 を突っ込んだ話 ~
子供の頃のことだ。
子供というのは、自分の体に興味を持ち、手なら手、足なら足などを飽かず
そうするうち、私は自分の鼻に興味を持った。
さておき、3歳か4歳くらいのことだったか。ある日、工作用の鋏を弄っていて、鋏を開くと先端が二つに分かれるのを見ていた。そのうち、「あっ、この二つに分かれた先は、丁度鼻の穴の離れ具合だ」と思ってしまった。
そのすばらしい一致度を、実際に、ちょっとばかり確かめてみたくなった。いや、いくら幼少の頃とは言え、鋏は刃物であってそれを鼻の穴に入れてはいけないことぐらいはわかる。
だが、しかし、私はそれをどうしても確かめたくなってしまったのだ。意を決すると、思い切って鼻の穴に鋏を入れてみた。無論、突き入れたわけではない。そっと、である。
しかし、如何にそっと入れたとしても、子供の柔らかい鼻孔に鋏を差し入れたわけだから、鼻血が出た。鼻血がボタボタ出て困っていると、台所にでもいたらしかった母が来て、
「ちょっとアンタ!何してんの。……鼻血が出たんかいな!?」
と、手当を始めた。
「あんたなんで鼻血なんか出たのん?」
と母が問うから、問われるまま、鋏を鼻の穴に入れたら鼻血が出た、と答えると、
「……はア~っ??」
母は信じられんというふうな素振りで、まるで異物でも見る目つきである。
その後、私は鼻血が出やすくなり、ちょっと
振り返って思うに、自分の体に興味を持った幼児が自慰を覚えてしまうことがままあると見聞するが、そんなようなものではなかったか。
子育てに関する新聞や雑誌の記事などによると、性器を弄る癖がついてしまった幼児の扱いに困る親御さんも多いそうな。つまり、私にあっては、鼻がちんちんみたいなものだったわけだ。
私が弄っていたのは鼻で、性器を弄る方向にはいかなかったが、―― いや、後年、盛んに弄るようになっただろうが、とか言う若い男特有の恥ずかしい話は置いといて ―― 幼児のそういう癖は、あまり叱ったり無理に