ピアノを物色する

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 去年から始めたバイエルの練習である。練習には下の娘(5歳)のために買ったキーボード、YAMAHA PSR-E303を使用している。

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価格:(税込)
発売日:

 娘のためにある程度のグレードのピアノを買おうという妻を制し、

 「贅沢に大きなピアノを買ったところで、モノにならぬ場合もあるだろうし、安物でも一生懸命練習すれば身につくかも知れぬ。こっちを買おう」

 と、実売19800円のコレを購入した私である。

 ところが、なんとしたこと、この安物で一生懸命練習して、すこしばかり身に付きかけてきたのはほかならぬ私のほうで、肝心の娘のほうの練習はそうはかどっているとは言えぬ。

 我ながら現金なもので、練習が進歩してくるとちゃんとしたピアノがほしくなってくるのである。たまさか、買い物に出かけてピアノ売り場を通りかかることがあるといそいそと弾いてみたりするのだが、鍵の重さや深さなど、やはりキーボードとはまったく違う。ものほしそうに売り物のピアノをいじったり眺めたりしている私を見て、妻のほうはというと、

 「んもう、結局キーボード買ったの、無駄になっちゃったじゃない」

 それみたことかと、こう言っている。

 「なぁに、このキーボードも、安物とはいえ、いろんな音が出るし、音楽導入体験をするには、無駄にはなってないさ、いい買い物したと思ってるよ俺は」

 などと返す私である。

 キーボードを買ってまもなくの去年10月、バイエルの20番台を弾いている頃に、心中期するところあって、貯金箱を買い込み、平日一日500円の貯金を開始した。

Img_1082_1 私の小遣いは、月々普通の人のように何万円かいっぺんに渡すととすぐに遣ってしまうから、という妻の心配のため、出勤時に毎日1500円づつ貰うシステムである。毎日1500円の小遣いを500円づつ貯金するのであるから、これはこれでなかなか苦しい。

 心中期するところとは、バイエルの練習が飽かず続けられ、全音の「最新バイエル」、一冊すべて弾けたなら、その貯金でデジタルピアノを買おう、おそらく一冊全て弾くには早くて1年、あるいは1年半を要するかも知れぬ、そうすれば10万円以上は貯金できる。ヤマハあたりの最ベーシックなモデルの、ひとランク高いほうが買えるだろう。 

 この貯金箱、おそらくはかれこれ、5~6万は蔵しているはずである。

 金額がこれくらいになってくると、いよいよ実際に、どのピアノを買おうかと考えるのが楽しみになってくる。

 近所のファッションビル「南越谷OPA」の5階に「島村楽器(SHIMAMURA MUSIC)」という大きな楽器屋さんがタワーレコードなどと並んであって、私の住む町ではこの楽器屋さんが最もピアノの品揃えが豊富である。普通にラファエルのアップライトなどが並べられているし、店員さんもよく研究しておられ、好感の持てる楽器屋さんである。このところ、そこへ行き、時々ピアノを物色する。

 今日もそこへ行ったのだが、得るところ非常に大であった。

 はじめ私は、YAMAHAのP-70がほしいと思っていた。これは実売6万円ほどで、手ごろである。

ヤマハ ヤマハ デンシピアノ P-70 P70 ヤマハ ヤマハ デンシピアノ P-70 P70
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 しかし、メトロノームがないのがちょっとなあ、などと思っていた。

 前回、「島村楽器」へ行ったとき、店員さんがすばらしい説明で、一つ上位機種のP-140をすすめてくれた。

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 強く弾いたときと弱く弾いた時の音がまったく違うのである。P-70はまったく同じ音を大きくしたり小さくしたりしてあるだけだったが、P-140は生ピアノの大きな音と小さな音を別々にサンプルして内蔵してあり、強く弾いた時のなんとはない音の震え加減などが、雲泥の差なのである。

 もちろん、メトロノームなどもついている。

 前回はそれで、頑張って貯金に励み、やはりP-140を買おう、さあ貯金だ、でもしんどいなァ、などと悩ましく思いながら帰宅したことであった。

 今日も休日の暇潰しに同じピアノ売り場へ行った。ちょっと弾いてみたいなぁと思っている曲の一つ、ショパンの「プレリュード Op.28-No.7」(太田胃散のアレ)のピアノピースが欲しくなり、それを買いがてらである。

 買った楽譜を片手に売り場をうろついていると、今度は、ローランドの「MP-101」というモデルをすすめられた。これは実売99800円で、安い。が、機能の豊富さは他に引けをとらず、なかなかあなどれぬ。親子で弾けるように、鍵盤を左右に2分割し、同じ音域で演奏できる機能など、なるほどと思わせる。

 店員のキレイなお姉さんは、デジタルピアノの音のサンプリングにもいろいろあるということを教えてくれた。例えばYAMAHAのP-140だと、ある音域の代表的な音をいくつかサンプルして、そのサンプル音の周波数を上下いくつかにバリエーションさせて全部の音をカバーさせてあるのだが、ローランドのステージピアノなどは、全ての音を一つ一つサンプリングしてある、だから生ピアノのような音が出る、しかもサンプル元はスタインウェイである、ということであった。ヤマハのデジタルピアノの音は同じヤマハの高級品から録ってあり、これは「世界のヤマハ」の音がする、ヤマハの音は幾分やさしい音で、このヤマハのやさしい音が好きとおっしゃる向きも世の中には大勢いらっしゃるのですが・・・と、なかなか濃い話である。

 他にも、

 「はじめはカシオの安いやつも考えたんですがねー」

 などと言う私に、

 「お話によりますと、小さいお子さんにも習わせていらっしゃるとのこと、それでしたらカシオのはあまりおすすめしません。なぜかというとほら・・・」

 ローランドとヤマハとカシオを順番に弾かせてくれ、

 「このとおり、カシオのは鍵盤がものすごく重いんです。これだと、小さいお子さんにはどうしても変わった弾き癖がついてしまうんです。こう・・・」

 ・・・と、ホロヴィッツまがいの指の伸びた弾き方でジャラランと音を出し、こんな手の格好になってしまいますよ、というのである。試してみると、たしかにカシオのは気になるほど鍵が重い。

 それと、YAMAHAのP-140だと、スタンドなどが別売りなので、結局11万円ほどになります、というところなども教えてくれた。

 また、YAMAHA P-140とローランド MP-101は、鍵盤の重さを調節できる機能があるのを実機体験させてくれた。最初人差し指で弾いてみていたのだが、それでははっきりと感じ取ることができなかった。私が試してはアタマのてっぺんから仮想ハテナマークを出しているのを見て、おねえさんは「曲をお弾きになればわかりますよ」という。それで私は期せず図らず、弾き覚えのバイエル73番の前奏などを恥ずかしくつたなく人前で披露するハメになった。が、おねえさんの言うとおり、曲を弾くと鍵盤の重さの違いがものすごくはっきりよくわかった。

 そんな午後を過ごしたが、はてさて・・・ローランド買おうか、ヤマハ買おうか・・・。ショパンのプレリュードの楽譜を睨みながら考えている。

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