嫌な野郎と(ほが)らかな娘

投稿日:

 平日、仕事している日の昼食には、会社の近所に多くある飲食店のうち、何軒かを順繰りに使っている。

 最近の私は、袖()り合うも他生(たじょう)(えにし)人世(ひとよ)にこそ(なさけ)あれかし、とばかり、入ったお店ではつとめておとなしく迷惑をかけないようにし、店員さんがいらっしゃいませと言えばこちらもこんにちはこんばんは、ごちそうさまにありがとう、なぞとできるだけ言うようにしている。そうしていると店員さんにも人情というものがあり、丁寧にサービ “嫌な野郎と(ほが)らかな娘” の続きを読む

ユーザ、ユーザー、ドライバ、ドライバー、レーダ、レーダー……伸ばさない・伸ばす

投稿日:

 標記のことについて少し、経験したことや知っていることをメモしておきたい。

 実は私は、このことについての結論めいたことを知ってはいるのだが、その結論というのが「どっちでもない」という、結論とは言えないものであることをあらかじめお断りしておく。それには、経緯(いきさつ)というものがあるのだ。

実は自衛隊でも論争になったことがあった

 私は自衛隊で40年間働き、一昨年、定年で()めた。

 今の私はIT技術者として口を(のり)しているが、もともとは特殊無線技士で、幹部自衛官になる前の陸曹時代は “ユーザ、ユーザー、ドライバ、ドライバー、レーダ、レーダー……伸ばさない・伸ばす” の続きを読む

射撃に関する落想

投稿日:

 定年で自衛隊をやめてしばらく経つ。

 体力練成なんか今更真っ平やりたくないし、野球もサッカーもバレーも、スポーツなんか全部嫌いだから、そういうものから解放されて毎日実に快適でラクチンだ。

 だが、時々、射撃がしたいな、とボンヤ “射撃に関する落想” の続きを読む

スウェーデン

投稿日:
スウェーデン、NATO加盟

 ついにあの、中立の王国スウェーデンが、「もう中立やめますッ!」と、ブチギレてしまった。

 無論、ウクライナ紛争の影響によるものだ。

 勿体(もったい)ない。スウェーデンは、実は戦闘機を含 “スウェーデン” の続きを読む

デケェ(ささや)き声

投稿日:

 あれはたしか、定年で自衛隊を()める1年くらい前、最終ポストの、情報セキュリティや守秘の責任室長(情報保証・保全室長)をしていた頃のことだったか。新コロの猖獗(しょうけつ)っぷりたるや、もはや最大火力と言ってよいほどの猛威を極めていたが、紙の秘密文書を(つかさど)らなければならない仕事の特性上、テレワークへのシフトが難しく、私はガラ空きになってしまった通勤電車で毎朝毎晩、自宅から市ヶ谷まで通勤していた。

 その日、私は早めに仕事を切り上げ帰りの電車の中の人となった。都心から北千住に向かう日比谷線は三ノ輪と南千住の間で地上に出る。次第次第に陽永(ひなが)となる心地よさ、暮れ(なず)んでいる黄色い光の中を電車はのんびりと走っ “デケェ(ささや)き声” の続きを読む

ほんのわずかの時間くらい

投稿日:

 東京勤めが長い。埼玉の住居(すまい)から都心まで満員電車で通勤するようになってから、はや20年以上が過ぎた。

 ここ数年感じることだが、満員電車に乗り降りする時や、混雑した駅のホームを歩くときに、ずっとスマホを操作している男が多く、これが前にいると実に迷惑極まる。スマホの操作に夢中になっているため、降車する客の邪魔になる場所に立ってしまっていたり、2秒3秒、歩き出しが遅れて、後ろの人の邪魔になっている。ホームを歩きながらスマホを操作している男も、どうしても歩度が遅くなり、混雑時など後に続いている人の迷惑になっている。

 他人のスマホの画面をのぞき込む趣味は私にはないが、し “ほんのわずかの時間くらい” の続きを読む

ジェーン年鑑の思い出

投稿日:

 新聞の軍事に関する記事などで、データの出典元として、かつてはよく「シプリ年鑑」などとともに「ジェーン海軍年鑑」という書名が記載されていたのをご記憶の方も多いと思う。

 実は、「ジェーン海軍年鑑」という書名の本は、ない。図書館へ行ってこの書名のとおりで探しても、出てはこない。そもそも、この本は図書館にはない。


 英国ジェーンズ社の浩瀚(こうかん)にして膨大な年鑑群「ジェー “ジェーン年鑑の思い出” の続きを読む

変人落想

投稿日:

 このところ、よくアニメや漫画を見たり読んだりするようになった。若い頃は活字だけでなく漫画もよく読んでいたが、ここ数十年は活字にばかり親しんでいたので、60歳を前にしてまたずいぶん変わったものだと我ながら思う。

 アニメや漫画は楽しい。

 このところ楽しんでいるのは、「異世界おじさん」「葬送のフリーレン」「薬屋のひとりごと」だ。「薬屋のひとりごと」は単行本は買っていないが、「異世界おじさん」と「葬送のフリーレン」は単行本も全部買って読んだ。

 これら3作品のうち、「異世界おじさん」と「葬送のフリーレン」には、「旅」が共通項としてあるが、「薬屋のひとりごと」に旅の要素はない。他方、これら3作品に共通しているのは、いずれも「主人公が相当な変人 “変人落想” の続きを読む