(のぼ)(づき)」補足

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 (ついたち)から望までの間の満ちてゆく月を「(のぼ)(づき)」という。「月」一般が秋の季語なので、もちろんこの「上り月」も三秋の季語だ。

 念のため言い添えれば、今日は旧六月廿八日で、もうすぐ朔の「下り」なので、今夜は上り月ではない。上り月は来週、8月22日(火)(旧七月(ついたち))から9月6日(水)(旧七月十六日)までである。
 
 上り月は()()りも早く、一日の仕事を終えて帰宅する頃にはもう中天にある。上弦の月は西空の残照がまだある頃に高く上っているのだ。

 月のよい頃の秋はまだまだ残暑が厳しい。そのためか、住宅密集地の家々の窓は開け放たれていることも多い。仕事帰り、夕暮れのベッドタウンの只中を通りぬけていくと、夕餉らしいさまざまな匂いが家々から流れ出てくる。主婦が子供を呼んでいるらしい声や、テレビのバラエティ番組の音などが低く静かに聞こえる。

 黄色く明りの灯った小さい窓は風呂場らしい。親子の声や、ザァ、と湯の音が聞こえてくることもある。
 
 「ただいま」と自宅の玄関を入ると、我が家も似たり寄ったりで、子供がテレビを見て笑っていたり、汁やお菜(おかず)の匂いが漂ってくる。

 上り月の宵は、まだ人々は眠りには遠く、仕事にせよ生活にせよ、活き活きとしていると思う。

上り月

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盂蘭盆会(うらぼんえ)

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果物(あかもの)も恥も持ち寄り盂蘭盆会(うらぼんえ)   佐藤俊夫

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盂蘭盆会

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 今日の暦は旧暦六月十五日、もはや明日は立秋だ。蛇足ながら、今夜は十五夜ではあるが望月は明後日である。

 今日などは俳句の季語で言えば、夏の(はて)・夏()つ・夏(おわ)る・夏行く・夏()く・夏惜しむ・秋近し・秋待つ・秋隣(あきどなり)・夜の秋、と言ったところである。

 実際のところ、先週初め頃など急に朝晩の気温が下がり、私の周囲でも風邪ひき患者が出た。昨日は暑さがぶり返したが、今日はまた少し涼しい。こうして秋へ秋へと傾斜する。

柚子

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柚子(ほう)り上ぐれば()かし我が五十路(いそぢ)   佐藤俊夫

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※ 昨日が立冬ですので、当季ではありません。 

柚子

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さえずり季題【309】は「柚子」を詠んでみましょう。もう冬も近くなりましたが、柚子は秋央(しゅうおう)よりも冬隣(ふゆどなり)のほうが色づき柚子らしくなります。

鈴のごと星鳴る買物籠に柚子 岡本眸
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