プロ野球の視聴率が落ちているという。
私はもともと野球が大嫌いで、見ていない。
プロ野球中継の視聴率が下がるのは、野球離れがおこっているからだという評論を見かける。
いや、そうじゃない。
日本人は、もともと野球なんか大嫌いなのではないか。
私が野球を嫌いなのは、野球が「野球は好きにならなければいけないものなのですよ」という相貌で私に近づいてきたからである。私はその押し付けがましい、人の好悪の感情をも統制しようということそのものに反抗し、セットで野球が嫌いになった。
子供会や学校の野球で、別に野球なんか好きでもなんでもないのに、義務的に「好きです」と言わなければならないようなふうに追い込まれ、そう言わされたなんて奴は、おそらく沢山いるにちがいない。
今、「これこれのことは、好きでなくちゃ(OR嫌いでなくちゃ)いけないのですよ」というような、どこかねじくれ曲がった感情の統制のようなことを感じるとき、そのほとんどに、外国の影を見ることが出来る。野球もそうだ。旧軍隊は悪者だ、というようなのもそうだ。