鎮魂の祈りを北辺へ

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 終戦日にちなむ4日間の放送の3日目だ。昨日、一昨日は翌日録画で見たが、今日はほぼ放映と同時に見た。

 今日の放映はどうもいただけなかった。国家体制の愚劣、現地軍の無能が全ての元凶だとでも言いたげな番組編集には不快感を覚える。

 また、樺太が、日露戦争終結間際、明治38年(1905)7月7日から始まる樺太侵攻作戦によってロシアから奪取した領土であったということや、この昭和20年の樺太戦当時、早期停戦のために日本から差し向けた軍使がソ連側に射殺されたことなど、触れなければならない重要な事項が番組内で触れられず、抜け落ちてしまっている。

 どうも、前二日の番組と、制作骨子が異なるようだ。

 日本の指導層と軍部がどれだけ腐っていたかと言う糾弾のみに終始し、ソ連の卑劣に言及することが一切ない番組の編集方針は、残念ながら不可と言わざるを得ない。

 したがって私はここから、番組の制作陣が期待するような反戦や文学的悲嘆などは学ばない。私が改めて確信することは、

「断固としてソ連(ゆる)すべからず」

……すなわちこの一点あるのみ、である。

 ただ、それと現地住民の痛み苦しみは別である。今となっては亡くなった数多のひとびとの鎮魂を祈るよりほかはない。

庭は

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 庭は後回し、などと言いながら、し残した仕事があるとどうも気分が悪く、漫画なんか読み終わってから結局また外へ出、庭の草取りをやっつけてしまう。

 今度はあらかじめ風呂を沸かし、マスクをかけ、虫よけスプレーをたっぷりと振りかけ、完全防備だ。

 (まなじり)を決してバリバリ草を抜いていると、妻も出てきて一緒に頑張り始める。……お、おう、妻、来たか(笑)。

 天気が小雨模様だものだから、草が湿って抜きやすく、(はかど)ること捗ること。勢いに任せてぶちぶち引き抜いていくと、まるでプラスチックの作り物のように美しい色をした精霊飛蝗(しょうりょうばった)の子が、びっくりしたようにピョンピョンと逃げていく。

 そんなわけで、ジャングルと化していた飛蝗(バッタ)の楽園も、すっかりきれいになった。

 虫よけスプレーをかけていたとは言え、まったく虫刺されなしというわけにもいかず、痒いところが何か所か。……沸かしておいた風呂に飛び込み、体を洗って湯につかると、刺されたところがじんわりとしみて、痒みが消えていく。むしろ逆に、夏の快であるような気すらしてしまう。

サトコとナダ

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 この漫画、すごく面白い。

 紙媒体でも売られているが、冒頭のURLで、本編だけなら無料で全部読むこともできる。

 イスラム教徒と理解し合うため、こういう漫画がもっと増えるといい。

 無料の方で、101話、全部一気読みしてしまった。

学や知や罪や

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 昨日放映のNHKスペシャル「731部隊の真実」の録画を見る。

 ハバロフスク裁判の録音テープの証言は、少し変だ。登場する衛生兵の古都なる人物の証言は、昔の人であるにかかわらず、妙に棒読みっぽく理路整然としており、言い間違いや「あ~、え~……」と言った間つなぎ声も入らず、あまりに淀みがなさすぎる。変だな、と思わせるに十分だ。ただ、当時の記録として一級品の資料であることには変わりはなく、価値は不自然さなど補って余りある。

 今は軍事研究と言うと「忌まわしいもの」「ゾッとするもの」という感じを多くの人が持つのだろうが、昔の日本や、今でも諸外国では、博士や教授が「私の研究室では軍関係のものも扱っておりまして」などというと、立派なこと、かっこいいこと、誇り高いこと、ちょっぴり秘密めいた鼻の高いこと、そういうものであったことも押さえておかなければならない。

 それは米国における科学技術が未だに造兵や軍事から脱却できていないことにも関連する。軍事研究の集合という意味からは、米国の大学など、人殺し研究の巣窟と言ってよかろう。

 この番組はむしろ、制作陣がそう意図したかどうかはわからないが、戦争がどうとか日本軍が残虐だとか言うことではなしに、「学問・学術や知性の罪深さ」を抉り出してしまっているように思える。