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一杯
一杯
平成28年の仕事納め後
虎ノ門・大坂屋砂場
今年の仕事納めは今日だったが、昨夜は徹夜だった。
朝には引けたが、疲れたので贅沢してやろうと思い、虎ノ門・大坂屋砂場で天婦羅蕎麦を手繰っていくことにした。
JRで新橋まで行けば虎ノ門まではすぐだ。ものの数分も歩けば着く。
注文に迷うが、お安いところで澤乃井のぬる燗、牛蒡の天せいろにする。
通しものの佃煮昆布と、しばらくして出てきた天婦羅を肴にゆっくり一本飲んで、蕎麦を手繰る。
実に旨かった。
混んでいて、出る時には店の外に沢山の人が並んでいた。
私が出ようとした時、出入り口の引き戸のすぐ前に初老の男が並んでいた。頭と同じように顔まで胡麻塩が汚いその男は、私と入れ違いに店に入るような感じで半身を入れてきたから、戸を閉めずに開けておいてやった。ところがそいつは店に入らず、やおら不機嫌そうに私が開けておいてやった引き戸をパチンと音を立てて閉め、低い声で「自分で閉めろよ」と吐き捨てた。
男が私に向かってそう言ったのは明らかだったので、腹が立った。
ナニヲ、お前が入ろうとしたから開けておいてやったんじゃないか、閉めるのが嫌ならそのまま開けときゃいいだろ白髪野郎、そうすりゃコッチだって気付いて戸ぐらい閉めてやったんだ、この
だが、もしつかみ合いにでもなったら、私とこんな
こういう所で、結果として、逆にトラブルを避けることができるというのも、体を鍛え、格闘の一つも学んでおくことの利益ではあるかもしれない。
そんな嫌なことがあったので、折角の旨い蕎麦の後味が幾分
自作「東京蕎麦名店マップ」に写真を足しておく。
皇居の外苑をうろつく
午後は唐突に暇だったので、虎ノ門から日比谷公園の方へ歩いて行ってみた。
冬
意外にカメラマニアが沢山いて、バズーカ砲のような大きな望遠レンズで池や濠の鳥などを熱心に撮っている。
季節らしく、雪国ではないけれども、松には
東京駅まで歩いて、それからどうしようか、秋葉原に寄って帰ろうか、と思いつく。
カメラ買ったこと
秋葉原ヨドバシへ行った。
カメラ売り場へ行ってみたら、前々から欲しいと思い、買おうとしてはいたものの、その
買い。
ヨドバシポイントが1867ポイントあったから、それを使って13,033円で済んだ。今日Amazonプライムの方の値段を見てみたら15,717円で、数百円とは言え安かったので、得をした気分である。
ところで、買った時のこと。
IXY 190の注文カードを持って嬉々としてレジに行ったところ、店員さんから馴れた発音で「ヘロゥ」と言われた。店員さんがついこういう挨拶をしてしまうということは、よほど外国人の買い物客が多いものと見える。
……しかしそれにしても、そんなにワシは英語喋る人に見えたかっちゅーねん。ワシはどう見ても日本人やぞ。いや、ある意味、人民解放軍上尉・
徘徊
徘徊する。
と言って、今日は徘徊するつもりでもなかった。子母澤寛の「ふところ手帖」を読みたかったから、図書館に行って、いつものように赤坂の砂場で蕎麦でも、と思っていた。
その前に、床屋に寄る。正月用に調髪するにはまだ早いが、
行きつけの床屋さん「ファミリーカットサロンE.T 南越谷店」の、顔見知りの理容師の女性は私よりうんと若い人だ。明るい美女で、よく話しかけてくれる。今日はひとつ話題でも、と思い、自分の薄くなってきた頭髪をネタに、
「抜け毛、ハゲというものは、これは俳句の季語になってましてね、『
……などと、無駄な知識を押し付けて差し上げる。……理容師さんには意味が解らなかったかも知れないが、まあ、理容師さんという職業上、髪の毛ネタというのは多い方がよかろうと思ったようなわけである。
新越谷の自宅からは、半蔵門線に乗っていけば国会図書館のある永田町まで直通一本なのだが、通勤定期で市ヶ谷まで行けばそこから永田町まではふた駅で、この方が安くつく。それで、平日の通勤と同じように日比谷線経由で遠回りしていく。
日比谷線の上野まで来てふと、床屋に行って頭もスースーするし、そうだ、この前愛用のカスケット無くしたんだった、同じようなやつをアメ横の同じ店で買おう、と思った。
アメ横と言う所は、意外に店の入れ替わりが激しい。無くしたカスケットを買った店に行ってみたら、とうに別の、何か中華料理屋みたいな店に代わってしまっていた。
おっさん向けの帽子を置いているところというのは少ない。しかたなしに他の帽子店を探して入ってみたのだが、どうも、1万円とかいう値札が付いていて手が出ない。贅沢をして1万円の帽子なんかかぶったら、もったいなさのために頭皮がかぶれ、ツルッパゲになる恐れがある。
帽子を買うのをあきらめて、さてどうしようか、と思う。時間も中途半端である。昼近くなってしまったので、今から図書館へ行っても、文庫本1冊全部は読めないし……。
神田へ行って「やぶ」か「まつや」に行こう、と思い立った。上野から神田はすぐである。秋葉原で降りれば
ところが、いざ「やぶ」の前へ行くと、いつも以上の長蛇の列だ。辟易して、並ぶのをあきらめる。それでは、というので「まつや」に行って見たが、「やぶ」以上の行列で、更に気持ちが萎えてしまう。
うーん、どうしよう。目先を変えて、日本橋のあたりまで出て、虎ノ門・大坂屋砂場へ行って見ようか、と考えを変える。
新橋の駅で降りて、通りを歩いていく。
覗いてみると、「烏森神社」とある。幟には「心願色みくじ」と書いてあって、なんなんだろう、と惹かれた。
さほどゆかしいところでもないように見えたが、その実、創建縁起を
沢山の人が参拝していたので、寄ってみた。
さっそく名物らしい「心願色みくじ」というのへ初穂料を納める。神職さんの説明によると、祈願したいジャンルごとに色分けされた
「中吉」をひきあてた。頂いた
さて、そんなことなどありつつ。
そのまま通りをまっすぐ西へ行けば、数分で東京屈指の蕎麦
一度蕎麦に決まった口腹の欲求はなかなかひっこめられない。ではというので、スマートフォンでGoogle Mapsにアクセスして、すぐ近所の「巴町・砂場」を検索したら、これがまた、Google Mapsの優秀さ、「今から行っても閉まっています」と即座に警告してくれる。
うーん。
そうだ、浅草に行くと、仲見世に帽子専門店が何軒かあったなあ、と思い出す。それなら帽子を買って、それから浅草の並木で蕎麦を
着いてみると浅草は相変わらずの混雑っぷりだ。外国人の多いこと多いこと。紺碧の空にスカイツリーの屹立、そりゃあ観光にもってこいだ。
人をかき分けて新仲見世通りを歩いていくと、「銀座トラヤ帽子店」の浅草店があった。
こういう帽子専門店は値段が高い。だから立ち寄ってもダメかな、うーん、どうかな、と思ったのだが、年末らしく表に「2千円から」の札の出たワゴンがあって、形の古いものなどがたくさんある。二~三ひっくり返してみると、下のほうから軽くて黒いカスケットが出てきた。思いがけずなかなかいい品物で、縫製も布もしっかりしている。
カスケット(キャスケットとも)というのは、ハンチングの一種だ。普通のハンチングは前後にまっすぐ縫い目が通り、「3枚はぎ合わせ」が普通だ。ところが、この「カスケット」と呼ばれる帽子は、中心から放射状に6枚はぎ合わせになっているのが特徴だ。戦前の公務員などがよくかぶっていたこと、また、有名なところでは「レーニン」がカスケット好きで、これをかぶった写真が多く残っている。
乃木将軍と東郷提督が二人でカスケットをかぶった写真も有名だ。
で、おお、これこれ、こういうのが欲しいんだよな、と手に取っていたら、店員さんが出てきて、「お客さん、掘り出しましたねえ。これ、処分品なんですけど、カシミヤで、なかなか出てない帽子なんですよ。お安くなってますから、いかがでしょう?」と薦めてくる。もとより、これは大変気に入ったので、即決、3千円で買う。かぶって帰る旨伝えると、きちんと値札を切り取り、袋をつけずに手渡してくれる。
この帽子の型番は「BS249」というのだが、後でネットで検索したら、なんと1万6千円である。これはまったく、掘り出したものだ。
ボルサリーノのカシミヤのカスケットが3千円というのは安かった。
それから、並木通りの方へ出て、「並木藪蕎麦」へ行ったのだが、もう14時過ぎにもなろうというのに、
それでも、15分ほど並んでいたら入ることができた。
ぬる燗で酒を一本。ここの通しものは固く練った蕎麦味噌で、辛口の菊正宗によく合って、うまい。
いつもなら蕎麦屋の酒は一合くらいにしておくのだが、なんだか
一杯ほど酒の残っている頃おいに、「ざる」を一枚。並木藪蕎麦独特の塩辛い蕎麦
蕎麦湯をたくさん飲んで、ホカホカに温まって舗を出る。今日は
自作「東京蕎麦名店マップ」に写真を足す。
せっかく浅草にきたのだから、と神谷バーに寄る。
電気ブランを一杯。肴に枝豆を頼んだら、店員さんが「すみません、今日枝豆ないんです」と珍しいことを言う。仕方なしに、たまたま目についた「
酔っ払って帰宅。
昆布 とろ
「
「昆布とろ」の作り方は簡単だ。
これを肴に飲むのだが、日本酒によいし、塩分は強いがカロリーが低いのと昆布の繊維やミネラルが健康に良いことで、なかなか悪くない肴である。
日本酒に合う肴は、飯につけても旨い。昆布とろの残りで熱い飯を掻き込むのはやめられない旨さだし、茶漬けにしてもよい。
蕎麦屋でダラダラ
北海道で飲み食いしたもの
はじめに
急に、北海道で飲み食いしたいろいろなものを思い出した。
私は昭和60年(1985)から平成5年(1993)まで、北海道の旭川で暮らした。
旭川の立地と気候
旭川というところは北海道第二の都市である。札幌に次ぐ規模の街だ。ところが、このことは意外に知られておらず、帯広が北海道で二番目の都市だと思っている人も多い。
旭川は多くの人が “北海道で飲み食いしたもの” の続きを読む