その大空も人のごと 非力のままにめぐれるを

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 「ルバイヤート」というアラビアの詩集を愛している。オマル・ハイヤームという四行詩の極北が詠んだものだ。岩波から文庫で出ているほか、著作権切れのため青空文庫でも読める。

 岩波のものは口語訳だが、矢野峰人という文学者によって格調高い文語訳が出ている。その一節に……

人のはらばひ生き死ぬる
上なる空は伏せし碗、
その大空も人のごと
非力のままにめぐれるを。

 あの強力な律動の大空だって、自分が巡りたいから巡っているわけではない、というのだ。

 自分の今の境遇を顧みて、よくよく諦めなければならないと思う。多くの日本人と同じく私も宗教観は薄いが、宗教観が薄いがために諦念というものが弱い。鍛えなければならないのは諦念であろう。悲しみを受け入れる、苦しみを受け入れる、病気を受け入れる、死を受け入れる。その諦観あってこそ、また、喜びは己が手の間にきたるもの。


河内家菊水丸の「真説・河内十人斬り」

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 河内家菊水丸の「真説・河内十人斬り」。

 20年~15、6年前からこのCDを探している。前・中・後編の3枚組のCDだ。なかなか安くでは手に入らない。このアポロンというレーベルは合併などでなくなってしまい、そのせいでこのCDは再発の噂もないと聞いている。

 Amazonでひょっとして手に入らないかな、と思って今検索してみたら、一応中古の出品はある。あるにはあるが、前編4000円は高い。遊びでヒョイと買うには躊躇する。中編は1500円で、買ってみようかな、と思わなくもない。だが、後編は市場にないようだ。Amazonになけりゃ、市中にもあるまい。まだAmazonが出来る前、秋葉原のたしか石丸電気のCD売り場は非常に大きく、そこで探したりもしたものだったが、当時既になかった。

  

 河内十人斬り自体は、初代京山幸枝若の企画もののオムニバスにたまたま入っていたのを持っている。「再発見・ニッポンの音/芸(4)アウトロー伝説」というやつだ。これは最後までの語りで、なかなか完成度の高いものだ。

 また、当代幸枝若がまだ先代幸枝若の息子と判明する前の音源の河内十人斬りも持っており、これも渋い声だが、寄席向きに切れ場のある語りで、事件の終わりまで語られていないのが惜しい。多分、次のリンクと同じ音源だと思う。


 なぜか鉄砲光三郎のを1枚も持っていない。ほしいなあ。

春分の日

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建国記念の日天皇陛下万歳。

 春分の日である。軒先に国旗を揚げて拝礼する。

 もともと春彼岸の今日である。このため、皇室でも春分と秋分は皇霊祭を行っていた。