晩飯に湯豆腐を食べた。好物なのである。鍋物で最も旨いものは湯豆腐と決まったものだ。
土曜日なので、妻は下戸にもかかわらず缶ビールの封を切り、浮かれている。ほどなく赤い顔になって、上機嫌の妻である。
「おぅ、かぁちゃん、えっらいマッカイケーの顔しとるやんけ(笑)」
とからかってみると、「えっ、『まっかいけ』て、何??」と期せざる疑問符が跳ね返ってきた。
「へっ?お前、子供
妻は播州姫路の産なのだ。姫路は、中国地方と近畿との俗が入り混じる、味わい深い地だ。
「ええっ、そんなん、聞いたことないわー、それ、大阪でも言わへんのとちゃうん?」
……と妻。
それを聞くともなしに聞いていた次女が声を上げる。
「アッ、ホントだ、お父さんの『まっかいけ』、ネットで出てくるよ!」
夫婦の掛け合いを横耳で聞くなり、Googleに「まっかいけ」と入力してみる次女なのであった。
次女に言われて、自分でも「まっかいけ」とGoogleに入れてみると、確かに、「まっかいけというのは、大阪弁である」みたいなリターンがくる。