東京の砂場と新島繁

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img_4565 昨日、たまたま成り行きでだが、東京・三ノ輪にある蕎麦店「砂場総本家」へ行った。

 街の蕎麦屋さんの雰囲気で、静かに蕎麦を楽しむことができ、満足した。

 店内は面白おかしく雑然としていた。私は入って右奥の椅子卓席に座を占め、蕎麦味噌で剣菱を飲み、「もり」を一枚手繰(たぐ)った。

 席の表通り側の窓下にはガラスケースがあり、その中に古物が並べられ、上は本棚になっていた。蕎麦屋らしく、蕎麦に関する本が多く並んでいる。

img_4571 その中に、カバーがセロテープで修繕され、背綴じがバラバラに外れかかった新書版の本が一冊あった。題に「新撰 蕎麦事典 新島繁 編」とある。付箋が打たれて、書き込みや傍線が引いてあった。

 手に取って付箋のあるページをめくってみると、それは「さ」行の「す」項、「砂場蕎麦」の項目であった。大坂屋砂場の来歴由来が記されており、「糀町七丁目砂場藤吉」の記述のところに傍線が引いてあって、「当店です」と鉛筆の書き込みがある。

 こういう本は一度見失うと再び出会えないので、ISBNを控えた。「4879931011」である。

 ところが、帰宅してAmazonあたりにこのISBNを入力しても出てこない。昭和40年代頃の、ISBN普及期の本の中にはこういうことがよくある。

 著者の新島繁と言う人は、ふた昔ほど前の蕎麦マニア筆頭の人であるらしい。往時は非常に読まれたようで、「蕎麦Web」というサイトに、著書やその業績が紹介されている。平成13年に逝去されたそうである。蕎麦の知見に関する集成・整理は、この人なくしては語れないものであるようだ。

 上記サイトの情報から推測するに、どうやら、この本の新装改訂は左掲の本であるらしい。

 この本、ちょっと入手したい感じだが、うーん、どうしようかねえ……。

出掛ける

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 金~土にかけてまた忙しかった。だが土曜には引けた。秋らしいよい天気で、空の青さが美しい。

 今日はじっとしていなくても良い日だったので、最近の(なら)いで出掛ける。

 だが、特に大切な用があるわけでもなし、何をしようと言う目的もなく家から出てしまった。妻子もそれぞれに用事があるので、自分一人である。

 駅のスターバックスで10時ごろまでコーヒー飲んで読書。本はヒョイと持って出てきた、田形竹尾の「空戦 飛燕対グラマン 戦闘機操縦十年の記録」というもので、題名から見てわかる通り、言わずと知れた光人社文庫である。

 著者の田形竹尾氏は、私がこの本を買った時にはたしかまだ存命だったが、7年前の平成19年に81歳で亡くなった。この人は存命の間はむしろ右翼活動や「チャンネル桜」の設立で有名だったが、実は先の大戦中は知る人ぞ知る神技パイロットだった。活躍時の階級は准尉だったが、陸軍の保有するほとんどすべての機種の操縦資格を持っていたと言う信じがたい一事をもってしてもその熟練の程がしのばれる。この本の中にも、連絡機や、重爆などの専門外の機種まで実際に乗りこなし、単に経験するのみならずそれで任務を遂行しているところが出てくる。そのせいもあってか、「陸軍の至宝」の別格扱いで、何かと大事にされ、結果として死なずに済んでいるが、逆にそのせいで多くの特攻隊員を教育して送り出す羽目ともなり、その苦悩がこの本には色濃く(にじ)み出ている。

 専門は三式戦「飛燕」で、この本の最も手に汗握るところは、部下の軍曹とたった2機で36機のグラマンF6F「ヘルキャット」と互角に渡り合った記録である。

 そこのシーンを懐かしく拾い読みするうち、丁度ドリップのグランデ・アイスが空になる。

 スターバックスを出て、思い出して圧着クリンパーを買いに秋葉原へ行く。実はこの前、圧着クリンパーを使うことがあり、その時に少し困ったのだ。

 圧着クリンパーには「オープンバレル用(電装用)」「絶縁被覆用(電気器具用)」「裸端子用」と3種類がある。「電装用」というのは自動車の内装用のもののことだ。

 全部同じようなモンだと思うかもしれないが、実は圧着する刃口、「ダイス」と呼ばれる部分が大きく異なる。オープンバレル用というのは「ふた瘤らくだ」の背のような形で、両側から金属のハネを巻き締めるようなカシメになるし、絶縁被覆用は「目」のような刃口で、絶縁のための樹脂を傷めずに上下にカシメる格好になる。裸端子用は端子の部分を強くへこませてカシメるようにできている。

 先日ちょっとした修理で、絶縁被覆の圧着スリーブを使ったのだが、裸端子用のクリンパーしか持っておらず、電圧が弱いところだったので、「まあいいか」で、絶縁被覆を破らないよう、裸端子用のダイスを注意深く使って修理した。

 それはそれで済んだが、「適正工具を使わない」というのは、実は技術者としては落第である。よく見られることだが、ペンチの柄やレンチの頭を金槌がわりに使って釘を打ったり、ドライバーで缶のふたをこじ開けたり、ということをすると、若い頃は職場の先輩からビンタを喰らったものだ。私は若い頃、バイオレンスでガテンな職場のフィールド・エンジニアだったのだ。

 釘を打つときには金槌や玄翁(げんのう)を、ふたをこじ開けるのには「割柄(わりえ)」やバールを用いるのが適正である。そうしないと工具も材料も傷めてしまい、場合によっては怪我をしたり、人の命にかかわる場合すらある。

 千石電商で絶縁被覆用と裸端子用のダイスが両方ついたのを買う。マーヴェル製で、1800円。

 最近千石電商は店の品物配置が相当変わったので、目当てのものに行きつくのに少し迷う。

img_4619 店を出ると、前から気になっていた「スキットル」が今日も店先に置いてある。千石電商は時々こういう「なんで?」というようなものを置くことがあるから好きだ。このスキットルも、電子部品関係者の間では以前から「なんで千石電商がスキットル?」と話題になっていた。

 そんなに高くないので、どれ、ひとつ、と買ってみた。600円ほど。他に、専用漏斗と薄手のステンレスのショットカップがそれぞれ100円とか60円で置かれているので、それも買う。

 何か面白いものでもないかな、とウロつくうち、はや昼時となる。神田~秋葉原の辺りに来ると、このところ毎週のような気もするが、口舌が「まつや」か「籔」の蕎麦と酒を求めるのである。

 神田川を昌平橋のほうから渡って「籔」に行って見るのだが、開店10分前から行列だ。ウンザリして、たしかもう開いている「まつや」を覗くと、これがまた一杯である。

 なにか、変わったところへでも行くか、と思いつき、たしか、「大坂・砂場」の総本家みたいなのが、三ノ輪のあたりにあったんじゃなかったっけ、とググると、たしかに、出てくる。日比谷線で三ノ輪まで引き返して行ってみた。

三ノ輪・砂場総本家
三ノ輪・砂場総本家
 砂場の総本家というのは三ノ輪のアーケード商店街「ジョイフル三ノ輪」の中にある。店構えは古く、戦後すぐの築だそうである。

img_4568 神田・籔やまつやのような店ではなく、実に静かな、「街の蕎麦屋」の風情の店である。

 黒松剣菱を一合、蕎麦味噌で飲んで、「もり」を一枚手繰る。蕎麦湯は蕎麦粉を濃厚に溶かし込んであって、濃い。

img_4569 店を出て、少し歩いてみるものの、三ノ輪、入谷という辺りは旧吉原の界隈で、ここらへんをうろついたからと言って、今の私にはそう楽しいこともない。

 そういえば七味を切らしていたな、と、電車で浅草へ行く。「やげん堀」で山椒多い目の大辛と、陳皮多い目の大辛を調合してもらう。

img_4573 ふらふらしていると神谷バーが目についたので、入って枝豆なんか摘みながらよく冷えた「電気ブラン」を一杯。

うんこ
うんこ
 国際通りの交差点に立ち、隅田川の向うに堂々と鎮座する「うんこ」の様子を眺めていたら、先々週乗ったばっかりなのに、また船に乗りたくなった。観光船の乗り場は「うんこ」の手前、吾妻橋のたもとの北側にビルがあり、そこから乗れる。

img_4579 今日は「ホタルナ」という最新型のクルーズ船に乗った。バーボンのポケット瓶を一本買い、用もないのに飲みながらお台場まで行く。

img_4590_trim まことによく晴れた秋空の下を、船は揺れもせず淡々と水を切ってゆく。いつもと同じで、外国人観光客が多いようだが、今日は特に中国・朝鮮の人が多かった。先日と違って今日は白人があまりいなかった。米国やヨーロッパでは、もう夏休みも終わりなのだろう。

 お台場海浜公園で船を降りる。酒ばかり飲んでいたので腹が減り、「よってこや」というところで煮卵入りのラーメンを食う。

 用もなく船に乗っただけだから、別にすることもなく、お台場からゆりかもめに乗り、新橋から京成に乗った。押上で降りてスカイツリーラインに乗り換えて帰ろうと思ったら、酔っ払っていたので寝てしまい、「高砂」とかいう知らん駅まで乗ってしまった。どこだココ。

 北千住へ引き返し、普通に帰宅。

今日の成り行き

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 今日は休みであった。

 先日、職場で廃棄ハードディスクドライブが2台ほど出てしまった。

 もともと壊れてしまったのはRAID5の中の1ドライブだ。わざわざRAID5にしているのはここで、これならデータの損失はないし、これまでの使用時間から言ってもやむを得ない。処置して事なきを得るかに思われた。サポートを頼み、ドライブを交換してもらった。

 ところが、である。最近の工業製品の余命というものは、複雑緻密きわまりない設計と驚くほど精密な製作によって、計算通りにピタリと尽きる。まるでタイマーでも仕込んであるようで、逆に感嘆せざるを得ない。つまり、同じ製品は同じ時期に壊れる。所謂(いわゆる)、「MTBF」(Mean Time Between Failure、平均故障間隔)が同じだからだ。

 そういうワケで、私の職場のRAID5も、ドライブ1本を差し替えた途端、冗長ディスクのもう1本が時をほぼ同じうしてイッてしまった。そりゃ、そうだろ、同じ時期に製造された品物を同じ時期に購入して、まったく同じ時間運転してきた同じMTBFの機材なんだから、似たような時期に壊れるのは道理というものだ。

 これは「よくある」けれども「最悪」である。リビルドする前にドライブ2台がイッちまったんだから。RAID5のドライブ2台が同時にイッちまうのは泣くに泣けぬ。「よくある」ってのは、基本的にRAIDは同じ銘柄、同じ種類のハードウェアで構成しなければならないが、先に述べた如く、同じ時期に調達したドライブは当然同じMTBFである。しかも、これは新規調達時期でないと手に入らない。というのも、最近のIT業界の経営スピードたるや、ほんの10年前の10倍には達しており、去年発売のドライブなど、市場で調達しうるかどうかも心もとない、という状況にあるからだ。

 幸い、運用の裁量の範疇で、テープにバックアップを取ってあったから、すぐに両ドライブとも交換を命ずることができた。

 ゴロン、と、ハードディスクの廃品が二つ出た。

 私の勤め先は大組織だが、私の一次所属先はまことに小さなところで、こうしたことは自分たちで始末しなければならない。

 製品の利用条件通り、製造元に持って帰ってもらうとマズい。故障品とはいえ、いろいろとデータが入っていたドライブだ。仮にイッちまったのが電子回路のみだったとしたら、引き渡したドライブのプラッターを取り出せば、いろいろと読み取られてしまう。そういうことが起こって責任問題となり馘首(クビ)になるというのなら潔く馘首にもなってやるが、賤職ごとき、免職になったからと言ってそれで済むのは私だけで、たくさんの人たちが(こうむ)る迷惑は(あがな)えない。責任の取りようがない。

 しかたがない。製造元と調整して、こちらで廃品ドライブを破壊して返却することを了承してもらった。

 最近はこういう調整もなかなか簡単ではない。昔なら、業者さんも「ああ、いいですよ、ドライブの二つや三つ」と鷹揚だったが、故障を偽って正常なドライブを交換し、横流しして懐に入れるというようなことがままあったものだから、交換した古品は持って帰って調べを受けなければならず、それが故意に壊されていたとあっては、フィールドエンジニアさんも独断では説明することが難しい。しかし、そこはよく頼んで調整してもらい、了承を得た。

 さて、そうなったらそうなったで、破壊、ったって、私の職場は工場ではないので、工具なんかない。下部には大工場もあるが、なにぶん大組織で、しかも腐っているので、私の立場から系統を通じてハードディスクドライブの破壊処理を命じたら、書類の始末だけで2年くらいはかかってしまう。そんなばかばかしい調整など、ハナからする気にもなれない。Fuck’in(笑)。

 それで、私物の電動ドリルと鉄工用のドリルビットを職場に持ち込んで、破壊処理をすることにした。普段、家の修繕などに使っているドイツ・ボッシュのインパクト機能付きのやつと、適当に選んだ5ミリほどの鉄工用ビットを職場に持って行ったのである。プラッターのところや緊要なコントローラのところを狙って、10か所も穿孔すれば、たとえ分解して磁気顕微鏡で解読したところで、ろくな情報は読み取れない。

 職場に私物工具一式を持ち込み、もくろみ通りダークな情報を飲み込んだドライブはズタズタに破壊できた。

 だが、私物ビットもズタズタになってしまった。そりゃそうだ、如何に長年愛用の鉄工用ドリルビットと言えど、完璧を期して、プラッターだけではなく、中心部の回転軸までバスバス穿孔したのだ。現代の超高速高密度のハードディスクドライブの命脈である回転部には超硬度のベアリングが仕込まれており、私ごときが私物で持っている程度のドリルビットでは歯が立たないのである。それを無理やり力任せに穿孔破壊したのだ。破壊中には火花が散り、刃先が赤熱して下に敷いていたダンボールに引火したほどであった。結果、十分に塗油していたにもかかわらず、刃先はナマクラ、加えてビットの根方が折損してしまった。ぬぅ、結構高かったんだがコレ。しかし、古いものだからあきらめるよりほかにない。

 ドリルビットは家で修繕や工作をするのによく使うから、ないと困る。

 前置きが長いが、今日秋葉原に来たのは、これを買いなおすためだ。

 千石電商に行くと、目当てのスチール用のフルセット、21本組が2千円くらいである。これと、ドリルビット用の研ぎ工具も買った。他に、自転車用のLEDランプなんかが300円とかで売っているからこれも買った。こういうものがいくらでも売っているから秋葉原は好きだ。

 さて、秋葉原と神田は隣街とは言うも愚か、ほとんど完全一体不離の街と言ってよい。そりゃあ、せっかく来たのだから、昼めしは蕎麦に決まっとる。

IMG_3994 「神田・やぶ」も、もちろん見捨てるわけにはいかないが、ついこの前も行ったばかりだから、今日は御無沙汰している「まつや」だろう。

 まつやで焼き海苔を肴にとって、蕎麦味噌と一緒に一合、それから「もり」を一枚。かー、やめられまへんて。IMG_3995

 蕎麦を手繰ったらさっさと帰ろうと思っていた。万世橋の方向へだらだら歩き、神田川のきらめきを見ていると、ああ、そう言えば(つば)広の中折れ帽を長女に取られたんだったと思い出した。コッチはだんだんハゲてきてるっていうのに、長女のヤツぁ、親父の帽子を無心するとは。今日はだから、素頭(スアタマ)で出てきたのだ。愛用のカスケットは夏には暑いし。

 暑いし、ハゲに悪いし、思わず旧万世橋駅の煉瓦ガード、「mAAch エキュート」へ逃げ込む私であった。ここはひんやりと涼しいし、静かで、飲み物も食い物も、商品も洒落ている。IMG_3996

 上野へ行って帽子を買おうかと思ったのだが、面白そうだから浅草へ行ってやれ、と思った。

 押上の駅で降りて、ダラダラ歩いていく。吾妻橋の向うに名物「浅草ウンコ」が見えるから、橋のたもとで自撮りしたら、頭にウンコがくっついたヒドい写真になってしまった。IMG_4004_arrow

 ここまで来たのだから、「業平橋(なりひらばし)」を見てみようと思った。東武スカイツリーライン・東京スカイツリー駅というのは、これができる前は在原業平(ありわらのなりひら)ゆかりの地で、「業平橋駅」という小さな駅だったのだ。だが、この業平橋そのものの実物はついぞ拝まずに過ごしてきてしまった。いい機会だ。

 業平橋は本当に小さな橋だ。橋のたもとは、子供たちが遊べる親水公園になっている。IMG_4008

 小倉百人一首に

 ちはやぶる神代もきかず竜田川からくれなゐに水くゝるとは

 また古今集に

 名にし負はばいざこと問はむ都鳥わが思ふ人はありやなしやと

 いずれも業平これを(つく)るとされる。

 業平橋を渡って隅田川の向うに下ったら、やっぱり威容を誇るスカイツリーの野太さが私を呼ぶ。実は愚娘(ぐじょう)どもが小さい頃から、何度も東京スカイツリーには来ているのだが、やっぱり「アホと煙は高いところが好き」なのである。そして私は、アホだ。

 たまたま小遣いを持っていたものだから、つい数千円払って、てっぺんまで上った。

 かねてから、今日は玉音放送があることを思い出していた。ぬぅ。

 スカイツリーのてっぺんに上ったのが14時30分頃。玉音放送は15時ちょうどから予定されていた。

 まず皇居の見えるスポットを探し、そこに位置を占め、宮城遥拝を実行する。IMG_4018周囲の観光客(鮮支英欧米ほか各人種多し)には、あらぬ方(皇居方向)に向かって深々と頭を下げている私がよっぽど変な人に見えたに違いないが、そんなもん知るかボケ。人が何しようがほっとけやアホンダラ。

 スカイツリーから遥拝する宮城は今日も緑の中におさまり、右に屹立する防衛省の電波塔、左に繁栄を謳歌する都心のビル群に囲まれ、今日も静謐に鎮座まします。

IMG_4021 愛用のスマートフォンのワンセグは、さすがに電波発信源の直下で受信しているわけであるから、もう、溢れんばかりのビンビン感度である。

 で、遥かに皇居を眺めながら、玉音放送をすべて見たのであった。

 畏し。謹んで大御心(おおみこころ)を承り、なんとしても国民一丸、挙げてこの問題に取り組むことこそ、御言葉に沿い、かつ国民にとっては「老齢化」ということへの対策となることでもあろう。

IMG_4034 御言葉に打たれたようになって粛々とスカイツリーを下り、押上駅から帰ろうと思ってフラフラ川沿いに出たら、橋のたもとで若いお兄さんが「十間(じっけん)川を船でご案内しますよ~、50分のクルージング~」と売り込んでいる。「川にスカイツリーが逆さに映るから、面白いですよォ~」という文句につられた。船着き場の近くにセブンイレブンがあり、そこでI.W.ハーパーのポケット瓶を買って乗ってみた。

IMG_4046 無邪気で気楽な昼の川見物で、鬼平犯科帳に出てくるような十間川を旧中川まで、ゆっくりと下るのだ。

 おお、確かに、これはスカイツリーが晩夏の暮れ加減の逆光の中、逆さに水面(みなも)に写って、まことに面白い。川風を胸元に入れながら、ハーパーのポケット瓶は瞬く間にカラになった。IMG_4038

 船着き場に帰り付いて、スターバックスでドリップのトール、冷たいハウスブレンドを一杯。

 今日はそんなことをして、なんだかダラダラと無計画に日を送った。

こんな感じで。

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 誰も彼もラーメンラーメン言ってて鬱陶しいので。

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駅電光のやぶそば
会津若松駅池之端籔蕎麦
大阪けつねうろん
きしめん名古屋
僕イケメン狩野英孝
さぬきうどん香川

平日フラフラ

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 今日もほっつき歩く。

長女のMacBookのケース

 昨日、レイクタウンのK’sデンキかノジマあたりで長女のMacBookのスポンジカバーを(もと)めようとしたのだが、うっかり寸法を控えておくのを忘れていたので買わなかった。

 商品の説明に「この商品はAppleのMacBook Pro 15インチ、xxx社のxxx、……に適合します」などと表示されていそうなものだが、存外、表示されていないのである。

 まあ、買い物は遅ければ遅いほど良いというのは、政策が変わったとはいえデフレ世相の常識ではある。待てば待つほど同じものが安くなるのだ。だからフラフラヘロヘロと迷っていてよいが、とはいうものの、使う時節を逃しては意味がない。

 秋葉原は定期で行けるので、ふらりと出かける。

 ヨドバシでエレコムのスポンジカバーを選ぶ。1000円ちょい。


 鞄みたいになったやつも良いが、鞄は好きなものを選び、保護のためにインナーだけ買っておく方が好きなようにできてよい。

籔蕎麦

 せっかく来たのだから神田・連雀町へは寄りますよ、勿論。籔蕎麦。

DSC_0190蕎麦味噌で一杯

DSC_0191焼き海苔で一杯

電気スタンドなどのタイマー

 北へ引き返して、だらだら歩く。秋葉原もこのあたりまで歩くとかなりそれらしく濃度が高くなって来る。

 「あきばお~」あたりを覗いて回る。電気製品のオン・オフをするタイマー、デジタル式のやつで、1週間プログラムできるものが1400円ほど。


 Amazonで同じものを探すと、安いものでも1800円ほどはする。しかも、いろんなところへ同じものをOEMしているらしく、キングジムなどでも同じものを扱っているようだ。

 夜は本を読んで寝るのが習慣なのだが、電気スタンドが自然に消えるよう、1時間タイマーをかけている。今使っているのは機械式のやつなのだが、どうも調子が悪くなってきて、消えなかったり音ばかりジリジリと大きかったりするようになった。いっそのことRaspberry PiとSSRを組み合わせて、ウェブタイマーを作り、スマホで制御してやろうかい、などと思っていたのだが、そんな簡単なことに使うとラズパイがちょっと勿体ない。そこへこの値段なら、これは買いでしょう。

ノギスとバーニヤ

 あと、千石電商を覗く。今日はパーツではなく、表のコンテナに雑然と投げ込まれている1000円のノギスを買う。前に持っていたノギスが壊れてしまい、長いこと定規でものの寸法を測っていたのである。

 ノギスなど買うたび、この「副尺」、いわゆる「バーニヤ」というのを考えた人は偉いなあ、どうやって考えたんだろう、と思っていたのだが、検索してみると、フランス人数学者、ピエール・バーニヤ氏(フランス流の読みで『ヴァルニエ』氏)が考案したからバーニヤと呼ばれているのだそうな。微調整を精密に行う意味でロケットの精密スラスタ・コントローラなどのことも「バーニヤ」と言うらしい。

 こういうアナログのものは最近廃れつつあり、ノギスもデジタルメータの付いたものが主流になってきつつある。

 私は若い頃、仕事で特殊な分度器や計算尺をよく使ったのだが、今はこうしたことは廃れた。その廃れたテクニックの中に、「一定の幅の目盛りを、例えば9等分、あるいは11等分などに『n等分』する」というのがある。

 このこと、エントリを改めて書き留めておきたい。このテクニックが消えてしまう前に、後世に残したいのである。

平日フラフラ

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マイナンバーカード

 朦朧(もうろう)と日々の義務に追われているうち、迂闊、つい桜も終わり、躑躅(つつじ)の見頃も終わってしまった。花鳥を追うゆとりもないうち、梅雨には早いが、そろそろと五月雨気味の頃おい、今日は俄雨(にわかあめ)が日差しの合間合間に挟まっている。ゴールデンウィークが終わったので、人々は忙しく働き始めた。

 案内状にいろいろとヤヤコシイ事が書いてあるのでなかなか取りに行く気になれなかった「マイナンバーカード」。私は今日、偶々(たまたま)平日休なので、意を決して取りに行くことにした。

 市役所から届いた案内には「取りに来るときは予約を」と書いてあったのだが、予約をした妻によると、1か月先の日を指定されたという。私は1か月先の平日の私的予定が自由に調整できる身分ではない。

 一方、私の通知はがきには5月12日までに取りに来い、と明記してある。行くのは偶々(たまたま)休みの今日くらいしかないと思い、ダメでもいいや、と思い役所に電話してみた。

 そうすると係の人は、当日お越しいただくこともダメではないが、2~3時間は窓口でお待ちいただくことになってしまいますよ、と言う。

 どうせ休みなんだし、2~3時間くらい待ちますよ、役所の窓口で待つのなんか当たり前じゃないですか、あっはっは、と答えたら、それならばどうぞお越しくださいと言う。

 読みかけの「千一夜物語」の9巻を鞄に放り込んで役所へ行き、マイナンバーカードの受け取り申し込みをする。窓口前の椅子にゆったり腰掛け、持参の千一夜物語をのんびり読む。


 2、3時間はお待ちいただきますよと係の人が言ったのはちと大袈裟で、実際には9時に出かけて、10時半にはカードの交付が終わった。

 カードには、今までの住基カードと同じ機能と、汎用の機能、本人の証明機能、電子申請などの署名用証明の4種類の機能が相乗りしている。それぞれの機能の有効期間が10年であったり5年であったりするので、注意する必要がある。

ベトナム料理

 用事がさっさと終わったので、外で昼飯にする。平日でガラ空きのレイクタウンへ行って、さて何を食べようかなとうろついているうち、先日から食べてみたいなと思っていた、新規出店のベトナム料理店の前に行き当たる。

 ランチのセットを頼んでみた。激安と言うほど安くはなかったが、大きな麺鉢に牛肉の越南(ベトナム)蕎麦(フォー)、生春巻き、揚げ物の小皿、サラダ、餡入りココナツミルクのタピオカなど、申し分なくたっぷり出てくる。

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 薬味に青レモンと唐辛子、それから名物の「香菜(パクチー(コリアンダー))」が小皿についてくる。ただし、パクチーはほんのお印程度にちょっぴりついているだけだから、マニアには物足りないかもしれない。しかし、パクチーの香りを受け付けないという人もいるから、普通の人にはちょうどいいくらいだろう。また、本場の「匂い米」の麺や生春巻きではないので、誰にでも食べやすい。

 もちろん、レモンと唐辛子をきかせて啜るそば(フォー)出汁(だし)は、牛肉の油が溶けてまことにうまかった。

 越谷レイクタウンのはずれ、武蔵野線の南越谷駅寄りのほうに、新しい「K’sデンキ」の大型店舗が出来ている。ちょっと覗いて、デジタル温度計を一つ買った。しかし、郊外型大型店舗、今は世の中がオムニチャネルとかO2Oとか言い出しているんで、なかなか勝ち残るのは難しいだろうなあ。

一杯

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 今日も引き続き、肴は蕎麦掻(そばがき)、浅草・薬研堀「陳皮多いめ」特別調合の七味唐辛子をピリリときかせ、酒は愛用の美濃風の片口になみなみと()や、安物備前風の猪口で。

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珍しく蕎麦掻(そばがき)でウィスキー

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 昨日の帰り、近所のスーパーで蕎麦粉を買った。ぼちぼち蕎麦掻(そばがき)で飲むと旨いと思ったからだ。300グラムほどで300円か400円、これで幸福が(あがな)えるとすれば安いものだ。

 蕎麦掻は日本酒のほうが合うとは思う。いつもは飲みなれた紙パックの日本酒で飲みかつ食うのである。だが、今日は成り行きで、ウィスキーで蕎麦掻を食ってみた。そうしたらこれが存外に旨い。

ウィスキーで蕎麦掻
ウィスキーで蕎麦掻

 蕎麦掻にはいろいろな作り方があるが、私のように不精な向きは、蕎麦粉を鉢にひと山とり、それに熱湯を適当にかけ、箸で捏ね回せばそれでよい。蕎麦掻如き、蕎麦粉100グラムかそこらで一宵(いっしょう)酒肴(しゅこう)には十分すぎるほどである。

 好みで辛子、海苔、葱などの薬味をあしらい、醤油をつけて食えばいいのだ。私はもっぱら、写真のように柚子皮を刻み入れて生醤油(きじょうゆ)をつけて食う。酒がなくては話にならぬ。

 こうやって、100円ほどの支払いで幸福になるのだ。