こんな製品があるんだなあ。
ラズパイからの量産移行を助ける産業用ボード Digi (EETimes Japan 平成29年(2017)05月25日 09時30分)
オッサンは生きている。
平成28年2月
JISTA ML リレーコラム 第1回
会員 関東支部 jista1197 佐藤俊夫
このところ、若い方やDIYなどを楽しむ一般の方向けに、ワンボード・コンピュータが売られています。しかも、相当な売れ行きであると
「Arduino」や「Raspberry Pi」、「IchigoJam」「Intel Edison」「mbed」と言った製品名を聞いたことがある方も多いでしょう。秋葉原を歩くと、店の表にこれらのカラフルな箱が山積みになっています。また、イタリア人マッシモ・バンジ氏の「TED」スピーチを見たことがある方もたくさんおられると思います。
数年前から、普及価格帯の3Dプリンタが出現してきたことにより、一般人でも小規模の製品を作り、それを世に問うようなことが可能になってきました。そこから、「Makers Movement」と言われる流行が盛り上がりはじめました。これはオープンソース・イノベーションの自然な興隆ということに加えて、出版と連携した一種のマーケティングの成功であるとも言われているようです。ちなみに、この「Makers Movement」について著書を出し、流行に火をつけたのはクリス・アンダーソンと言う人ですが、この人の名を覚えている方もJISTA会員の皆さんには多いことでしょう。そう、かの「ロング・テール」の著者その人です。
古くから言われる「DIY」と、最新流行の「Makers Movement」との違いは、そこに「ネット」が介在するか否かだ、と言ってもよいと思います。物を作る上での発想やハウ・トゥ、設計図、使用感などは、インターネットを通じて迅速に共有され、改良が加えられ、更に共有されます。
こうしたことを背景に、3Dプリンタを使用してものを作り、作ったものへデジタルやITのパワーを盛り込むことが広く行われるようになりました。ものへデジタルやITのパワーを盛り込むのには、廉価なワンボード・コンピュータがうってつけだというわけです。
実際、巷間ではArduinoがこれまでに100万台、Raspberry Piが700万台売れたと言われていますから、これらのワンボード・コンピュータは、ITのプラットフォームとして無視できない勢力になっていると言えます。また、これらは安価に数を得られることから、「IoT」流行の趨勢とも関連する雰囲気が濃厚に感じられます。
私は仕事の上ではこれらと関わっておりません。しかし、その一方で、ITストラテジの道というものは、ITワールドを形作るもののうちの何が将来の影響要素としてつながってくるかわかりません。そうしたことから、これらワンボード・コンピュータを体験しておくことが何かの足しになることもあろうと思い、ArduinoとRaspberry Piを少しばかりいじってみておりましたところ、ちょうど今般リレーコラム執筆の機会を頂きました。
そこで、この機会をお借りして、ArduinoとRaspberry Piについて、その状況などを簡単に紹介させていただきたいと思います。
「Arduino」はイタリア人のマッシモ・バンジ氏を中心に、平成17年(2005)から開発が始められたワンボード・コンピュータです。バージョンアップや派生を含め、既に数十種類の製品があります。現在店頭で入手可能な製品には、代表的な「Arduino UNO」があり、これは本日(平成28年2月7日)現在、税込み2,940円で手に入ります。
その特徴に、次のようなことを挙げることができます。
○ ハードウェアが「オープンソース」であること。
仕様も設計もオープンで、一般人がネットから基盤のパターンなどをダウンロードしてそっくり同じものを製作することも可能です。また、そのため、世界中にArduinoのクローンを作っている企業やグループがあり、それら自由なクローンの種類を数え上げることはもはや不可能と言う状況にあります。
○ 開発環境が無料で配布されていること。
開発環境は統合環境(IDE)になっており、これも無料です。様々なライブラリが日々提供され続けており、一般に入手可能なほとんどのハードウェアやIC、電子素子などを扱うためのライブラリがGitHubなどですぐに手に入ります。
○ アナログ入出力、デジタル入出力が簡単に可能であること。
「Arduino UNO」の場合、基板上にはデジタルI/Oが14本、アナログINが6本、アナログOUTが6本あります。これにさまざまな電子部品をつないで制御することができます。
○ C++で簡単にプログラミングできること。
従来の「マイコン」はアセンブラ一辺倒でしたが、ArduinoはC++でプログラミングでき、しかも、ややこしいハードウェア・アクセスはC++のクラスの中にすべてカプセル化され、手軽に扱うことが可能になっています。ユーザはオブジェクトを生成し、入出力ピンを開いて読み、書くだけでさまざまなことができます。
こうした特徴があるため、Arduinoを使用すると、一般人がデジタル・プロダクトを簡単に製作することができます。
かく言う私も次のようなことを試しました。
「スマート・ファン」
安物の扇風機にArduinoとEtehrnetインターフェース、温度センサをとりつけ、Webサーバをこの扇風機に実装してブラウザから制御できるようにし、温度によって風量を変え、1/fゆらぎ送風ができるなど、ものすごく無駄にリッチ化した扇風機です。
1980円の安物扇風機をめっちゃ高機能化(笑)して、結構遊べました。
「メールサーバ監視ランプ」
メール来着状況を監視し、ランプの色で教えてくれるもの。昔はISDN用のルータにこうした機能があり、パソコンのスイッチを入れていなくてもメールチェックのタイミングを教えてくれて便利だったのですが、今はこういうものがなくなってしまったので、意を決して自作したわけです。実は、今はスマホでこれは出来てしまうのですが、LEDの輝度のパルス幅変調などを試して遊ぶのに格好の題材でしたので、あえて試してみました。
「多機能リモコン」
赤外線リモコンのある電化製品を、Webで制御するようにしたものです。パソコンからでも、スマホからでも操作できます。赤外線LEDは秋葉原などで100円ほどで手に入りますので、これを試す人は非常に多いようです。
「モーターで動くおもちゃの類をデジタル・パワードにする」
おもちゃにArduinoを積み込むと、男の子などは大変喜びます。ここでは、モーターで動く自動車に超音波センサをとりつけ、自律制御させるとともに、その自動車にデジカメを乗せて動画を撮影しています。
私には男の子供はありませんが、私自身が男の子じみた中年(笑)ですので、みずからこういうことを試して遊びました。
このように、Arduinoを使うと、手軽にさまざまな機器を制御したり、デジタルパワーを盛り込んだものを作ることが可能です。
伝統的にArduinoにはAtmel社のマイコン「AVR」シリーズが使われていましたが、最新の製品「Arduino 101」にはIntelのCurieが採用され、Bluetoothや6軸の加速度ジャイロセンサーが搭載されるなど、大変高機能化しています。
さて、目が離せないArduinoですが、昨年ごろから、長年Arduinoを牽引してきた5人の人たちが仲違いし、分裂騒動を起こしてまだ決着がつかず、もめているようです。Arduinoコミュニティは既に大きなものになっているので、この騒動は残念なことであり、かつ、目が離せないところです。
「Raspberry Pi」はイギリス人のイブン・アプトン氏を中心に、Raspberry Pi財団というところが開発しているワンボード・コンピュータです。SONYなども深くかかわっていると聞き及びます。
平成24年(2012)に最初のモデルが発売され、バージョンアップ等で数種類の製品があります。現在店頭で入手可能な製品の代表的なものに「Raspberry Pi 2 Model B+」があり、これは本日(平成28年2月7日)現在で税込み5,000円です。
次のような特徴があります。
○ れっきとした「PC」であること。
前述のArduinoは「マイコンボード」であり、OS等は載っておりません。しかし、Raspberry PiはSoCを利用するれっきとした「パソコン」で、OSを載せて作動します。主としてRaspberry Pi用に最適化されたLinux(「Raspbian」というディストリビューション)が作動するほか、マイクロソフトからは「Windows 10 IoT core」というWindows製品が、なんと無料でコントリビュートされています。余談、最近のマイクロソフト社の変革ぶり、オープンソースやフリーへのコミットぶりには驚くばかりです。それだけ、IoTにからむ製品に注目しているということでしょう。
また、HDMI端子やUSB、Ethernetの端子を基板上に標準で備えているので、キーボードやマウス、ディスプレイをつないでPCとして利用することができます。
○ あらゆる開発環境が利用可能なこと。
「Linuxマシン」なので、Linuxで利用できる開発ツール類は全て利用できると言って過言ではありません。Raspberry Piになじみの良いのはPythonで、入門本などにはPythonの作例が多く載っております。他にRaspberry Pi向けに最適化されたビジュアル言語の「Scratch」などもあります。しかし、別にこれらにこだわる必要はなく、GCCが走りますから、C/C++も使えますし、他にシェル、PerlやPHP、Ruby、Javaも扱えます。極端な話、g77をインストールして「FORTRAN」でハードウェア制御を行うことも可能でしょう(聞いたことはありませんが……)。私などは、RubyやPythonに暗いので、CやPHPでRaspberry Piのプログラムを書きました。
エディタやIDEも、自分が使い慣れた好きなものが使えます。私はviが好きなので、Raspberry Pi上でももっぱらviを使っています。
○ 簡単にデジタル入出力が可能なこと。
「GPIO」と呼ばれるデジタル入出力端子を豊富に備えていますが、これらは、ユーザからはUNIXで言う所の「ファイルシステム上にあるスペシャル・ファイル」に見えます。ですので、このファイルをオープンし、読み、あるいは書くだけで外部に入出力ができ、ハードウェアの制御が可能です。
○ あらゆるミドルウェア等が利用可能なこと。
Linuxであるがゆえ、Linuxで使えるミドルウェアなどはほとんどのものが利用可能です。例えば、MySQLやPostgreSQLなどのRDBも扱えます。また、ApacheなどのWebサーバ、sendmail、DovecotなどのPOP/IMAPサーバなども走ります。
こうした特徴があるため、既存のオープンソース・ソフトウェアを用いて、相当複雑なことも可能です。
Arduinoと違って、Raspberry Piは単体ではアナログ入力ができません。そこで、私はRaspberry PiにADC(アナログ・デジタル変換)のICを接続し、これにサーミスタを取り付け、Apache+PHP+C言語を使用して「ウェブ温度計の製作」などを試してみました。
また、PHPでハードウェア制御もできます。私はこんなふうに、PHPを使用して、Webインターフェイスにより家電製品のスイッチをオン・オフすることなどを試しました。
Arduinoに比べてRaspberry Piの歴史は浅いのですが、その出荷台数などから見ても新進気鋭の勢いを持っており、躍進中であると言えます。
もともと5,000円ほどの値段で、高価ではないRaspberry Piですが、昨年(平成27年(2015))11月に流れたニュースでは、なんと650円(5ドル)という驚くべき価格の製品「Raspberry Pi Zero」もラインナップに投入されました。
この値段と大きさでLinuxが走るのですから、驚きです。さすがにEthernetはついていませんが、USBの無線LANドングルを接続すればネットにつながります。
「Raspberry Pi Zero」は、この値段と大きさのゆえに数量を稼ぐことができますから、IoTにからむ何らかのブレイク・スルーをもたらす可能性も相当にあると言えるでしょう。
私などが若い頃には、ワンボード・コンピュータというとNECのTK-80にとどめを打ったものです。一定の年齢層の人には大変懐かしいものの一つです。
他方、ここまで触れましたように、現在のワンボード・コンピュータは長足の進歩を遂げており、ますます興味の尽きないものに変貌しております。
今回紹介したものは一般向けのものなので、エンタープライズでの応用については、別途考察と検討、研究が必要であると思われますが、既に一般向けには広く普及していることから、早晩業務用途にも応用が広がることが想像されます。
Raspberry Pi Zeroの続報がないなあ、などと思いついて、Amazonで検索したら、ビックリ……。
いっやー、
千円、ってならまだしも、1万円は、ないわ~。5ドルだろ、元の値段。今の円安でだってせいぜい650円だろー。
いくらなんでも、ナイわぁ~。ビックリして思わずレビューで星一つ付けてコキ下ろしてやった。
これ、一頃結構問題になった「Amazon詐欺」の
1000人に1人くらいいるアホを対象にしているということで、こういうのを「アホのロングテール」(下図)というわけですよ。
1000人に1人ぐらいしか引っ掛からなくても、このアホな人たちは結構多い。「ロングテール」の
くどく書くことではないが、ちょっと計算してみよう。仮に、Amazonで買い物をする人が単位時日に1000万人、そのうち1000分の1、1000人に1人の人がRaspberry Pi Zeroを買いたく思い、これらの人の中に一定の率でアホな人がおり、更にそのアホな人たちの中の20人に1人がコレに引っ掛かるとする。
「一定の率」と書いたが、上に掲げた「アホのロングテール」の図の、「結構多くいるアホな人ゾーン」というのを、「正規分布の2
片側2σよりアッチ、ということは、両側で4σということで、この両側4σの間には、圧倒的大多数、正規分布の場合は95.44%の人が含まれる。まあ、普通の常識人ですな。この95.44%に入らない人の中には、「突拍子もなく賢い人たち」と「信じられないくらいアホな人たち」が両方入っているので、それらを2で割ると、アホな人たちの率が出る。つまり、
となって、1000人につき23人はアホな人たち、つまり「騙され予備軍」である。このアホな人たちは割合に騙されやすいから、20人に1人くらいは引っ掛かるだろう、と仮定すれば、
11.4人。商材が1万円なら、これで11万円の売り上げだ。こんなアホな商材を10個も並べておけば、それで100万円だ。魚釣りみたいなもんで、アホの
数字は全部仮置き、つまり全部「仮に……」の話ではあるが、なんとなくそうだろうなあ、という気はするでしょ?
昔は、詐欺
こういうわけで、AmazonがEコマースのプラットフォームとしての地位を確立して以来、アホな人はロングテールでやって来るようになり、昔と違ってアホな人相手の商売ってのはそこそこ儲かるものに生まれ変わったのである。
そんなあれこれを見越してるわけだから、まあ、この会社ってのは、
Raspberry Pi Zero。どこで扱い始めたとかいつから買えそうとか、そういう続報がなかなか出てこない。
先週はいらないモノがいろいろと入ったセットがAmazonでも売られていたが、あっという間に売り切れたようで、今週はリストにも出てこない。
世界的に品薄で、売り切れているようだ。
キてるねえ、ニュースニュース。
● 日経
● エンガジェット
● TechCrunch
● fabcross
● GIGAZINE
● ITPro
● マイナビ
● インターネット・ウォッチ
● その他
なにしろ、5ドル!だもんなあ。
お気に入りの古いアナログスピーカーに組み込み、ネットワーク再生機能付きスピーカーに仕立てる、とか、この方考案の「スターバックスコーヒー紙コップスピーカー」内にこれをホットグルーか何かで取り付け、ネットワークプレイヤーにするとかも面白そう。
クリスマス・ツリーの電飾の高度制御とか、ものすごく高機能の時計を作ってしまう、とかもオッケー。短冊に貼り付けて風鈴に吊るし、揺れなど検知記録して遊ぶ、とか、体重計をハックして組み込み、ログる、とか。
ひょっとしてもしかして、「Windows 10 IoT Core」は、Raspberry Pi Zeroで動くのか?ぬぅ。無理なのかな?どうなんだろ。
今は「定年」と書くのが正しいわけだが、かつては標記のように「停年」と書いたもので、いつ頃からだったか、この字面ではあんまりにも寂寥感が漂っていていけない、というような批判があって、「停年」から「定年」に書き換わったのである。「子供」が「子ども」になったようなものか。
なんにせよ、悠々自適と言うわけにはいかないので、働き口を探さねばならぬ。
私はいくつかIT系の資格を持っているが、それはもともと、なんとか就職に有利になればという考えもあって取ったものだ。日本ITストラテジスト協会というところに加入しているのも、無論、自学研鑽、IT業界の人たちから刺激を得て自分の仕事の質を向上させたい、という純然たる動機が主ではあるが、それにあわせて、就職情報でも得られれば、という考えが少しあった。モロに誰かに雇ってもらうとか、そこまでは考えないにしても、なにか働き口を探すきっかけやヒントでも人々の話から得られれば、という気持ちである。
ところが、なんだか最近、迷いが出てきたのだ。IT業界の人々と付き合いを深め、話を聞いたりしているうち、「俺、ホントにITやりたかったのかしらん」と、自問するようになってしまったのである。
このところ、ArduinoやRaspberry Piをいじっているのも、「一つ、迷いを見極めるために原点に戻ってみよう」と思ったからである。私のコンピュータの原点はNECのTK-80など、ワンボード・マイコンにある。ワンボード・マイコンやハードウェアに回帰すれば、なにかつかめるかも知れないと思ったのである。
やってみると、やはり、ワンボードは面白い。
こうやって子供の遊びみたいなことをしながら、よくよく考えてみると、ITと言うより、なにか、「工場で働きたい」ような気がしてきた。
それで、妻に「なあ、おい、俺、定年になったら工場で働きたいんだが」と言ったら、妻は「ええーっ、ダメだわよ工場なんて」という。
「なんでだ?」
「だって、気の荒い、変な人がいて、イジメられちゃうわよ、『コラ爺ぃ』とか言って」
「……。ぬぅ、それもそうだのう」
「お父さん、銀行のフロア係とかやりなよ、いいよ、アレ」
妻は昔、銀行員だったので、フロア係はいい仕事だ、よく知っている、というのである。
「けどお前、銀行にだって、変な客がいて、エラそうに文句言われたりするのと違うか?」
「そりゃ、たまには来るけど、そんなには来ないのよ。適当に右から左へ案内しとけばいいんだから」
「ははあ、しかし、ワシには向かんなあ。フロア係って、人相手なんだもの。ワシは本来は
「人は見かけによらないって言うけど、それもそうねえ。社交的によく喋るように見えて、実はお父さん、社会不適合の変なオッサンだもんねえ」
「……自覚していても、あえてそう言われると、なんかムッと来るな……。工場は工場でも、食品工場なら、変な
「あー、ダメね、お父さん、鼻が悪くってくしゃみばっかりしてるから、食品に唾や痰が入って、クビになるわよ。どうすんのよ、娘ふたり、学校に行かせなくっちゃいけないし」
「うーむ。ワシ自身が中卒のオッサンだっちゅうのに、自分の子は大学出さにゃならんってのも、世の中不公平じゃのう」
「中卒中卒て、お父さん夜間大学行ってたんでしょ。ホンモノの純粋の中卒の人に失礼だわよ」
「……そ、それもそうだのう。とはいえ、夜間大学ってったって、4年通って中退しちまったがな」
あの頃は忙しかった。自分の成人式の日だって、仕事してたんだもんなあ、俺。(遠い目)
しかし、考えなければならないのはここだ。今の仕事だって、本当に腹の底から芯からやりたいと思って選んだのかと言うと、必ずしもそうではない。いや、やってみたい仕事ではあったが、それにも増して、当時家庭が裕福でなかったから選んだ、という理由も大きかった。
だが、これからは違うぞ。これからの俺には選ぶ自由がある。人に左右されず、やりたい仕事を自由に選んで働いてよいのだ。やったー!そう考えると嬉しいぞ。自由だー!フリーダム!
いずれにしても、言えることは、こーんな、休日に鼻栓つっこんでフザけているようでは、雇ってくれるところも雇うのをやめてしまうであろうということである。
魅力的だが、実売価格が3万5千円くらい、と聞くと、うーん、個人でいろいろ遊ぶんならRaspberry Piかなあ、と思うのだった。5千円くらいだもんな、ラズパイは。
OpenBlocks、という製品名を聞くと思い出が少し甦る。
15年くらい前にいた職場でのことだ。その職場には、某社の商用UNIX(SVR4.2)のサーバが1台、Linuxサーバが4台、同じく某社のSVR4.2エンジニアリングワークステーションが30台、PCが400台あり、これらが9個のセグメントに分けられたネットワークで接続されていた。今から20年以上前の構築当時、L3スイッチがまだなかったことから、9個のセグメントは9台のローカルルータで切られていた。そのローカルルータも同じく某社の製品で、実際にはCiscoのOEM品であった。1台ウン百万するというしろものだ。幹線は10BASE-5のイエローケーブルで張られていた。
私は主として商用UNIXのrootを担当していた。当時は、商用UNIXはまだそういう属人的な技能での管理がされていたのである。
運用をはじめて15年ほど経ったあたりで、これらのルータが一斉に壊れ始めた。修理予算はまったくない。上司はウロウロするばかりでまったくアテにならなかった。当時まだ同等の製品が存在したのだが、何しろ1台ウン百万のものが9台だ。上司は同等のものの調達にこだわり、交換にウン千万かかるので、「今から予算要求をして、予算が付くのが再来年なので、修理は再来年だな」とか、キチガイみたいな発言をしていた。再来年まで仕事ができんやないかい(笑)。
業者に見積もりさせると、これがまた、同等品でのリプレースしか提案してこず、バカ上司と同じことしか言わない。
そうしている間にも時間が過ぎ、しかも仕事はしなくちゃいけない。そこで、アホは放っておいてさっさと直してしまうことにした。
ネットワークの構成全部を変えるわけにはいかない。使えるのは消耗品購入用のわずかな経費だけだ。L3スイッチはまだ少し高価で、経費が足りなかった。で、当時既にあったこの「OpenBlocks」製品を9台購入し、iptablesを使ってローカルルータに仕立て、Ciscoを全部リプレースした。イーサが2個付いたマルチホームなので、激安ローカルルータを作ることができたのだ。ただ、スループットは40Mbpsくらいしか出なかったように記憶する。しかし、当時はそれで十分だった。15年前の10MbpsのCiscoに比べればそれでもおつりが来るくらい速かったのだから。しかも、なにしろ、10BASE-5だった幹線が100BASE-TXになり、トランシーバだのバンパイヤ・タップだのと言った修理コストの高いものからもおさらばすることができ、20万もする10BASEのダムハブが追放でき、9千円の100BASEのスイッチで置き換えることができたのである。
ネットワークは復旧し、事なきを得、性能向上も果たしたのだが、バカ上司は100分の1の値段で性能が4倍、部分によっては10倍以上に向上した、というのがどうしても理解できず、「佐藤がいらんことをして職場のネットワークを陳腐化させた」みたいなことを言って怒っていた。バカなので放置しておいた。
まあ、「OpenBlocks」というのは、私にとってそういう懐かしい製品である。
昨日試した「
……しんどいからやらないけど。……けど、やりたいなあ。……「Media Tomb」とかRaspberry Piに入れとけば、自宅のテレビでDLNA経由で見る、とかも一気に可能だわ。
問題は、3.3Vロジックだったりするのが扱いづらいんだよなー……。もし、昨日みたいに超音波センサなんか付けようとすると、途端にひと苦労するもんな。5Vの3端子レギュレータを別建て、センサの入力も結構一苦労して読まなくちゃならん。あと、アナログ入れるのが難しい。金をかければ、プラグインみたいなものはいくらでもあるだろうとは思うんだけど……。