自衛隊の戦い

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 私は自衛隊にいた40年もの間、()(フタ)もない端的な言い方をすれば、人殺しの仕方を一貫して鍛え続けていたわけであるが、どの自衛官もそうであるように、それによって人を殺したことはない。

 だがしかし、そうやって対人戦を鍛え続ける一方で、自衛隊は常に人ではない他の何かと戦っていて、今もそれは続いている。

 思いつくまま挙げれば「ウイルスとの戦い」「牛との戦い」「鶏との戦い」「トドとの戦い」「鹿との戦い」 “自衛隊の戦い” の続きを読む

苦役

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 10年前はこんなことをシレッと書いていた。当時47歳だったが、毎日毎日この調子だった。去年自衛隊を定年退官したので、もうこんなことをする義務はない。苦役から解放され、実に晴れ晴れとした気持ちだ。

 苦役。そう、苦役である。

 往時内閣法制局長は “苦役” の続きを読む

漫画及びアニメ「異世界おじさん」と私

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 標記「異世界おじさん」。面白くて、何度も読み返し、アニメも全部見た。

 連載開始は5年前の6月から、単行本の1巻は同じく11月、アニメの放映は今年の春までだったから、流行からは少し遅れて楽しんでいることになる。

 とはいうものの、私がこの漫画を知ったのは令和元年(2019)頃のことで、割と早くから注目してはいた。最寄の旭屋書店にフラッと立ち寄った際、「立ち読みお試し」で第1巻の半分くらいに減らしたものが書棚に吊るされていた。それを読んでとても面白かったので、以来ずっと全部読みたいものだと思っていたのだ。

 その後、この漫画を読みたい読みたいと思いながら読まずにうち過ぎてしまった。これほどの大ヒットになったり、アニメ化されたりしていたことは全然知らなかった。単純に忙しかったからだ。

 私は令和4年(2022)に40年間勤めた自衛隊を定年退官して会社員に “漫画及びアニメ「異世界おじさん」と私” の続きを読む

妄想・老人自衛官

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 防衛力の増強を打ち出した政権は人材確保のため自衛官の採用可能年齢の上限を撤廃する法律改正を行った。これで、法理上は90歳でも100歳でも自衛官として採用できるようになった。

 意外にも、将来に希望の持てぬ老人達が志願に殺到してきた。防衛省としては定年で退職した元自衛官の志願を内心目論(もくろ)んでいたのだが、思いのほか一般の定年退職老人たちまでもが群れをなして志願票を投函してきた。

 老人たちの心中はといえば、これは単純な愛国心や義勇ではなかった。5倍に増えた防衛費を背景とする1千万円の年俸と死亡時の償恤(しょうじゅつ)金1億円は、老い先短い者にとって死亡保険金代わり、家族への遺産と見れば魅力という他なかったのである。しかも、用無し老人として家族から嫌われながら余生を送るより、いっそ戦争に行って射殺でもされたなら「じぃじはあなたたちのために命をかけて戦って死んでくれたのよ(泣)」などと、日頃冷たい息子の嫁が涙ながらに孫に語るかもしれないではないか。とどのつまり、言うならば、「(うと)んじられて百歳の天寿を全うするよりもいっそのこと戦死した方がマシ」という身も蓋もない自暴自棄である。

 そんな折も折、遂に発動されたのが樺太(からふと)(サハリン) “妄想・老人自衛官” の続きを読む

自衛隊の思い出の一つ「(まく)()り」

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膜張り 「(まく)()り」というのは「靴の鏡面磨き」のことだ。残念ながら千葉の「幕張(まくはり)」のことではない。

 雑貨や身の回りの手入れに(こだわ)りのある方なら、この「鏡面磨き」という一言でどういうことかわかると思う。

 御存じない方に説明すると “自衛隊の思い出の一つ「(まく)()り」” の続きを読む

私FAQ

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 自衛隊を定年退官するよりもかなり前、日本ITストラテジスト協会に入ったところ、一般の会社の方々にかなり知り合いが増えた。今は日本ITストラテジスト協会も辞めてしまっているが、入会した当時、私にとっては刺激が多く、とても勉強になった。

 反面、自衛隊のことで質問攻めにあうようにもなった。自衛隊は不思議な組織で、一般の人にはなんだかよくわからず、しかも “私FAQ” の続きを読む

雑感日常

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背広やクリーニングや

 会社員になったので、毎日背広を着るようになった。

 会社員になる直前は、「背広を毎週クリーニングしてたらお金がかかってしょうがなくなるのではないか」などと要らぬ心配をしていたのだが、入社する前、イオンの背広売り場へ勤め用の背広を買いにいくと、「ウォッシャブル」の背広がたくさん売られており、それを買ったので、自宅で洗濯ネットに入れて洗えばよく、心配するほどのことはないことがわかった。

 これまでいた自衛隊では “雑感日常” の続きを読む

幸せ男

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幸せな男

 私は、自分が幸せな男なのではないかと思う。否、正確な表現ではない。自分が幸せだと思いやすい傾向をもった男なのではなかろうか、……こう表現すると正確かもしれない。

 と、言うのも……。

自衛隊の就職援護

 私は先月、9月30日の金曜日に、陸上自衛隊を定年で辞めた。ちょうど “幸せ男” の続きを読む

自衛隊を定年で辞めた

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真の敵

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 前にこんなことを書いたことがある。

 その後、中央調査社は再び同じ調査をしており、それは次のような結果であった。今年の春の日付になっている。

 今回も前回と変わらず、この冷静な調査の結果と、大組織に関して新聞・テレビその他のマスコミや報道から受ける印象とが大きく異なるように感じるのは、私だけではないと思う。

 私は前掲の2年前の記事でこう書いた。

(前掲当ブログの記事から一部引用)

 そういえば、と思い出すことがある。

 以前、あんまりにも「自衛隊は不祥事ばかり起こす最悪の組織だ」的な報道ばかりなので辟易し、ほんとうにそうかしらん、と調べてみたことがあるのだ。

 犯罪に関する資料は、警察庁のホームページでいつでも公開されていて、誰でも見られる。たとえば、これは「平成26年の犯罪」という総まとめ資料だ。

 この中には当然、職業別の犯罪発生率なども詳細にまとめられている。こういうものと、最近の公開主義にのっとって公開されている防衛省発表の自衛隊の犯罪発生率などをググッて使えば、すぐにまとめられる。

 そのようにしてこの場でまとめてもよいのだが、既にまとめておられる方が他にいる。それを参考にさせていただこう。

 この方のまとめによれば、自衛官の犯罪発生率は一般の人の\cfrac{1}{23}にしかならない。

(たしか、以前私が警察庁の資料などから直接計算してみた時は、\cfrac{1}{4}ほどだったように記憶する。就労人口や年齢の層別、交通事犯を入れる・入れないなどの違いが出たものと思われる)

 自衛官の綱紀粛正のため、一般の人の\cfrac{1}{23}にしかならない犯罪等を更に減らせとなれば、もはや尋常な手段では減らせないだろう。圧制、拘禁・監禁、脅迫等の非常の手段を用いないと、どうやったってこれ以下にはなるまい。それこそ、「パワハラ」になってしまう。つまり、防衛省に言わせれば、「正直、もう逆さにしても鼻血も出ない」というところであろう。

 さて、このような状況を、なんと見るか。

 もともと非常に少ない率であるものを、さも大無法地帯ででもあるかのように宣伝している何らかの意思を持った存在がある。その存在は、自衛隊が信頼を得て、国民とともに歩むようになると困る存在だ、ということなのだ。そして、新聞やテレビこそが正しく信頼のおける存在である、ということを言い立てると自分の有利になる、そんな存在であり、意志である、ということだ。

 これを突き詰めて考えていけば、物言わぬ善良な人々、サイレント・マジョリティの、本当の敵が誰か、よくわかると思う。

 こういう大多数の善人を操ろうとする、見えない敵こそ、真の日本の敵だ。これを間接侵略と言う。自分が自分の主人であり、自由な市民であるということの唯一の証明は、真の敵を見出して打ち勝ち、その敵を(たお)して自由を得るということである。

 新聞やマスコミそのものは敵ではない。その中に、ひっそりと、かつ公然に敵が溶け込んでいる。この敵を剔除(てきじょ)すべし。灼熱した鉄鏝で焼き切り、病根を断つべきである。病人の全身に悪(えき)瀰漫(びまん)し、一点の病根を剔抉(てっけつ)し得ざるときは、(けだ)し、彼の死を待ってその(むくろ)を焼却するに()かず、である。

 この時こう書いた気持ちと所見乃至(ないし)見解は、今も全く変わらない。