ひどい雨であった。
次女のピアノの先生であるI先生に、2回目の「単発レッスン」をしていただいた。
先生に習うと、本当に刺激が沢山得られる。次のように、もう、山盛り、盛りだくさんのご指導を下さった。
- 最初の主題部(11小節目まで)、左手の3拍子の弾き方は「中・弱・最弱」である。3拍子の曲は、ほかの曲を弾くときも、だいたい同じで、「強・中・弱」のように、後のほうを軽く弾く事がほとんどであるから、覚えておくとよい。
- 「呼吸」をする。たとえば、5小節目の四分休符(最初の主題の終わり、♭シ↑レ~ドー♭シ♭ラソ♭ラドレ♭ミ~、休符←ココ)のところでは、息を吸う。小節の切れ目ではなく、ショパンはフレーズの切れ目、その呼吸により次の新しい「♭シ~↑ソ~」を美しく弾き始めること。
- 9小節目の終わり、レ♭ミ~…、と新しいフレーズに入るところも、息を吸う。
- 息を吸うのは、「スラー」のあるものは、みな、呼吸をちゃんとやって、鍵盤で「歌う」。
- 13小節目の7拍目め以降(右手主音♭シ♮シシ~…)のところは「ピアノ」くらいに弾き、「ラレンタンド」で、もう少し遅くしたほうがよい。
- 14小節目のフォルツァンド。フォルツァンドとはいうものの、右手の小指は、小指の重さでそのまま弾く、というぐらいの感じで強くする程度でいい。
- 8小節目、16小節目、24小節目のトリル。(私所有の)全音のピースでは、「1・3」指との指示があるが、(先生所有の)ウィーン原典版の、いわばショパンの指示は「1・3・2・3・2・3・2・3…」である。そのほうが「粒」が揃っていいだろう。
ただし、弾きやすさのためにかるがるしくふざけたトリルになってしまいがちであるから、あくまで丁寧にトリルすること。 - 17小節目、ゆっくりでいいから、もっと「歌う」こと。
- 22小節目のフォルツァンドのところ。これも、左から右へゆく自然な速度で「ソ♭シ♭ミ↑ソ~」と、弾いてしまってよろしい。
- 24小節目のトリルのあとの前打音(ミファ)、これはもっと、キレイに弾きなさい。
- 25小節目の5連符の「頭」と、左手の3拍子の「頭」を揃えること。
- 28小節目の左手。ここでは「一拍め」があまり強くなくなる。それを意識して、「繊細」に弾いていくこと。
- 31小節目からのオクターブ。「佐藤さん、ちょっと急ぎすぎになりました」。急ぎすぎないこと。
- 32小節目の一番上の「♭ミ」のオクターブから「ファ」のオクターブに下がるところ。「♭ミ」から早く手を離しすぎ。もうちょっと「♭ミ」でガマン。私「そんなぁ~…」先生「大丈夫です。落ち着いて弾けば弾けます」
- 33小節目「シ♭シドラ、シ♭シドラ、シ♭シドラ…」の連打。「これは上手になりました。最後の抜けるところも上手ですから、その調子で」…おお、やっとホメられた。嬉しい。「ただし、ラレンタンドでゆっくりになるのが早すぎます。もうすこし後ろのほうまで頑張って。」私「ハイ。」
- 34小節目の右手の1音め(♭ミ~♭シ~ソ~♭ミ~♭シ~ソ~、の『ミ』)。「1音目だけ、もっと『キメて』いいです。なぜかというと、ここでペダルが入りますから、1音目の余韻の中ですぅーっと、ピアニシモが続いていきますから。」
- 35小節目の一番最後の音。「もっと弱く。弱すぎてもダメだけれど、仮にここで強さがうまくいかず、音が出ていなくても、聞いている人はその音を『聴いてくれます』。」私「え、えええっ?いいんですかそれで」先生「これもひとつの精神といいますか、弾き方のひとつです」。
…チナミに、この35小節目の最終音、これ1音だけで、15分ほどは特訓された(笑)。いやあ、おかげで「ppp」(ピアニッシッシモ)について、一見識が啓かれた気がする。
はてさて、これだけのご指導、また反映するのにどれくらいかかるものか。
さておき、今年はソロで弾くから、次女との連弾はやめておこうかな、と思っていたのだが、先生がぜひとおすすめ下さったので、前回、大震災の影響で発表できなかった「パッヘルベルのカノン」を、もう一度やってみることにした。
家へ帰って楽譜を引っ張り出し、試して見たら、見事に弾けなくなっている(笑)。3月までに復活させなければならない。大丈夫かなあ(笑)。