タグ: 佐藤俊夫俳句

写真詠「ホテルのエレベータホール」

投稿日:
きつぱりと引戸も閉(とじ)て寒の入(かんのいり)
大寒(だいかん)やゲームすら早(はや)過去のこと
エレベータ口(くち)がばと開(あ)け布団まで
外套(がいとう)の男宿さへがらんだう(がらんどう)
はや〴〵と寝るこそよけれ隙間風(すきまかぜ)

佐藤俊夫

#kigo #jhaiku #haiku #jtbt

　「夏雲システム」で関谷氏が運営しておられる「じたばた句会」に投句したものです。

テーマ詠「小さくて丸いもの」

投稿日:
チョコ粒を貰ふ手袋脱ぎて夕(ゆう)
母死にて捨つる粒肥(りゅうひ)や寒椿(かんつばき)
摩天楼毛糸帽子と一セント
隙間風細胞膜の謎はまだ

佐藤俊夫

#kigo #jhaiku #haiku #jtbt

　「夏雲システム」で関谷氏が運営しておられる「じたばた句会」に投句したものです。

当季席題詠「去年今年(こぞことし)」

投稿日:
あと引きてチョコをさながら去年今年(こぞことし)
去年今年歯で糸切りて納めけり
レンズには去年今年てふ虹の紋
去年今年一盞(いっさん)惜(おし)みつゝ寝(いね)る
汝(いまし)にも梵字梵鐘去年今年

佐藤俊夫

#kigo #jhaiku #haiku #jtbt

　「夏雲システム」で関谷氏が運営しておられる「じたばた句会」に投句したものです。

令和四年末

投稿日:
唵嚩曰囉(おんばぞろ)寒(かん)の真言(しんごん)二七日忌(になぬかき)
ボーナスや傷抉(えぐ)る他(ほか)用もなし
人殴る夜の誇大(こだい)や年忘(としわすれ)
墨染の息(いき)髪(かみ)白し寒施行(かんせぎょう)
生白(なましろ)き面(つら)気味悪し年忘(としわすれ)

佐藤俊夫

#kigo #jhaiku #haiku #saezuriha

年越(としこし)

投稿日:
年越(としこし)や現れもせぬ母の霊
精進(しょうじん)も年越ならば形(かたち)のみ
軒(のき)暮れて風雲(ふううん)なき夜(よ)年を越す

佐藤俊夫

#kigo #jhaiku #haiku #saezuriha

当季テーマ詠「着物」など

投稿日:
襟巻(えりまき)も墨染(すみぞめ)めくや勤(つと)めある
マスクにも洒落(しゃれ)と気遣(きづか)ひ女(おみな)行(ゆ)く
角巻(かくまき)とトレンチのペア老いながら
ケッと低声(ひくごえ)ブルゾンとウイスキー
穴開(あなあき)の手套(しゅとう)引鉄(ひきてつ)引絞(ひきしぼ)る

佐藤俊夫

#kigo #jhaiku #haiku #saezuriha #jtbt

　「夏雲システム」で関谷氏が運営しておられる「じたばた句会」に投句したものです。

時雨(しぐれ)

投稿日:
仕事なむありて自転車ゆく時雨(しぐれ)
しぐるゝや中折帽(なかおれぼう)の濡(ぬれ)るまゝ
弁当と鞄(かばん)時雨(しぐれ)を過(すご)す午後

佐藤俊夫

#kigo #jhaiku #haiku #saezuriha