長年行きつけてきた新越谷の床屋さん、「ファミリーカットサロンE・T」へ先月行った時のことだ。顔なじみの美男理容師が「お客様、ポイントカードお持ちですか?」と聞く。
「ええ、持っていますよ」
「あ、そうですか。実はですね、来月9月、このお店、会社は同じ会社のままなんですが、大改装をしまして、店のコンセプトも変わることになりまして」
「へえ、それはおめでとうございます」
「で、申し上げにくいんですが、お値段のほうも倍くらいの設定に変わっちゃうんです」
「えっ」
これは参った。1940円の格安で一通りの理容メニュー(顔剃り、洗髪等)がちゃんとあり、理容師さんはみな若い美男美女で、接客も丁寧でやわらかく、明るい店である上、子供を連れてくると子供席でちゃんと親のオーダーを聞いて刈ってくれるなど、他店をもって代えがたい魅力があるので、この十数年以上通ってきたようなわけである。
結婚以来、床屋に2千円以上かける習慣は、私にはない。
「で、お客様、ポイントカードをお持ちの方には、新店舗の最初の1回は旧価格でご提供することになっておりまして、それでお知らせいたしました」
「ああ、そうなんですか。……しかし、E・Tさんと言えばなんといってもこの値段が魅力でしたから、私としてはちと残念ですね」
「申し訳ありません。……同じコンセプトで同じ会社のお店が越谷駅のほうにもありまして、そちらはそのままですので、どうかご贔屓頂ければ」
ああ、そうですか、それではそうしましょうかね、……と返事はしたものの、越谷駅(新越谷駅の隣駅)まで床屋に行こうとはちょっと思わない。多分行かないだろう。
それが先月のこと。
最近ハゲても来たので、床屋でシャレっ気でもない。そこで、昔10代後半から20代頃までしばらくやっていたように、自分で刈ってしまうことにした。
近所のヤマダデンキで税込2678円の電気バリカンを買う。TESCOM社製ヘアーカッター「TC450」。
家へ帰ってビニールの大きいごみ袋を鋏で切ってケープにして首に巻き付け、買ってきたバリカンの刃を「1ミリ」に調整し、とっとといつもの刈り上げスタイルにしてしまう。
最近
ま、多分これから、床屋代使わなくなっちゃうんだろうなあ。