私のそばに、
その人を見ていて、自分を振り返ると感懐去来する。私はもともと、正直な人物ではなかった。それが芯から底から嫌になったことがあった。そのため、私も表裏のない人になろうとしたのである。人の悪口を陰で言ったりするのをやめよう、その人の前で言えないことは、陰で決して言うまい、陰で言うのなら、その人に直接言おう、極端な話、その人をバカだと思うのなら直接バカと言って怒られよう、というわけだ。
決意は立派だったが、元来が正直に育った
そんなふうに、中途半端に裏表のない性格の人になろうとしたものだから、変にこじれて、人に対して皮肉を言うようになってしまった。
つまり、正直さ、表裏のなさから来る人間対人間の摩擦がしんどく、省力化をしようとする。
人に対して表裏なくふるまうことは結構大変なことで、力が
今度はそれをも反省してその性格を直そうとしたのだが、これがまたなかなか直らない。最近になってだいぶ直ったが、まだ他人に皮肉を言う悪い癖が残っている。
何にしたって、人を傷つけるようなことを言うのは、やめようと思う。よく考えても言い方がわからないときは、黙っていようとも思う。