競歩の世界的第一人者、鈴木雄介氏は世界陸上競技会において堂々金メダルを獲得したそうである。
- 鈴木雄介が金メダル!50キロ競歩、東京五輪内定(日刊スポーツ、令和元年(2019)09月29日(日)11時38分)
それにしても、競歩選手の凄さと言ったら。
この鈴木氏は、50km種目で3時間39分7秒の日本記録を持っている。
他方、どこの馬の骨とも知れぬこの私、佐藤俊夫は、3000メートルを13分30秒ぐらいで走る。これは、もう、ヒイヒイゼイゼイ、全力を尽くしてこの程度である。本当に体力が低下した。
さておき、もし私が、3000メートル走るのと同じスピードで50キロ走ったとして――否、そんなことはどだい無理なのだが――、
というような計算で、3時間45分かかるわけである。「全力で走って」ですよ。それを、競歩の世界的第一人者は、「歩いて」3時間39分なんである。
競歩の世界的第一人者にかかれば、素人が全力で走るより、「歩いた方が速い」んである。
何か、この、ブラックホールとか、中性子星の近接とか、そういうような宇宙的何かにより時空間に歪みが生じているとしか思えない。
それくらい凄い。
ちなみに、素人マラソンランナーが42.195kmを走り、3時間を切ると「サブスリー」と言われ、「なかなか走る人」、という部類に入ってすごいねと褒められる。だが、これを50km競歩と比べると……
……50キロ走って3時間33分18秒を切れば、マラソンのサブスリーと同等である。この「サブスリーのなかなか走る人」を鈴木氏の50km競歩日本記録の3時間39分7秒と比べると、鈴木氏の方がせいぜい6分ほど遅い程度である。逆に、鈴木氏の世界記録を42.195kmのマラソンに換算すると、
……というわけで、「ギリギリサブスリーに届かない程度」に過ぎない。
競歩と言うのは、だから、実に過酷な競技だ。ただただ鈴木氏を尊敬する。凄い。