次女の「悲しい」

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 ショパンの「別れの曲」をイ短調に移調したやつが次女(小1)のキーボード付属の楽譜集の中にあり、それを拾い読みしつつド~ファーミファソ~♪と爪弾いて遊んでいた。

 そばに次女がいたので、「オイ智香、この曲、どんな風な感じがする?面白い?暗い?悲しい?気持ちじゃなかったら、色とか味とかでもいいぞ?」と聞いてみた。それは先日、ピアノの先生がショスタコービッチのワルツの稽古を次女につけつつ聞いていたことだ。芸術の才能の優れた者には、「共感覚」とて、色彩や音階から味を感じたり、音階から色が見えたりするそうで、そういう者は知能が高いということをどこかで読んだことがあるのを思い出した。

 さておき、私のこのブログには今まで書かなかったが、次女はわが子ながらたいへん面白い子である。時折その突拍子もない感性に爆笑してしまうことがある。私の質問に少し思案してから出した答えが、

「転校生だと思う」

 というのである。

「・・・?転校生?この曲が?・・・転校生がどんなふうなんだ?」

「転校生が悲しいの。その転校生はブスだから。ブスで友達がいなくて、悲しい。」

 次女がわりと真剣な顔でそう言っているのにもかかわらず、思わず吹き出しそうになった。

 が、改めてそういう気持ちで「別れの曲」を聴くと、沈鬱に悲しんでいるブスの転校生の心みたいな感じもしなくもない。だが、悲しむブスの映像を思い描きながら、そのビジュアルのBGMに「別れの曲」を脳内で流してみると、なんだかメッチャ笑えるのであった。

トルコ行進曲(連弾用 田中雅明編曲) その0.81

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 今日は次女のピアノのレッスンである。そして、私は仕事が休みである。土・日、飛んで天皇誕生日の飛び石連休である。そのなか日、月曜に休みを取ったのだ。だから4連休だ。

 当然私がレッスンに連れて行く。そばで待っているのだが、先生が次女につける稽古に耳をそばだたせ、私の肥やしにする。

 連弾用のトルコ行進曲、先生は稽古をつけながら、次女の様子を見い見い、「ここんところは5432、でいこっか!?」などと、次女が弾きやすいように随時指づかいを変えていく。・・・ふうむ。

 レッスンが終わってから、少し先生に尋ねてみる。

「あのう、先ほどのお話ですが、指づかいっていうのは、変えていっていいものなんですか?」

 先生のお話によると、変えていい場合といけない場合があるそうである。

 基本的にハノンなどの練習曲は、その指で弾くことを練習させていたりするので、変えてはいけない。楽譜の指示のとおりに弾くことが練習曲の目的にかなう。反面、今回の連弾の曲のように、演奏を楽しむような場合には、楽しめるように変えていってかまわない。ただし、楽譜の指示の指づかいが、もっとも弾きやすいやりかたの提案であったり、一見難しい指づかいが、実はその次の音符を弾きやすくするためだったりするから、その目的を失わないようにすることが大事である。

 しかし、演奏を堪能する曲だからといって、どの曲も変えていいわけではない。作曲家によっては、例えばショパンなどは、指の一つ一つに個性を見出していた。ショパンは、薬指にはえもいわれぬ嫋嫋たる響きを、小指には繊細でしかも強固な意志を期待したのである。3度4度と飛んでいくようなメロディに、「これらの音は全部薬指で弾くように」というような指示がショパンの楽譜にはあるそうだ。こうした場合は、ショパンの心を弾くためにも、指づかいを変えるべきではないそうだ。

 私はトルコ行進曲の一箇所にどうしてもなじめない指づかいがあり、どうしたものかと思っていたのだが、先生によると、この場合は変えていいそうだ

 ほかにも面白い話を伺うことができた。次女と連弾の練習をすると、どうにも手がぶつかりそうになるので、「ぶつからないように練習しような」と次女に向かってつぶやいてみたところ、先生が「ああ、ぶつかってみたりするところが連弾の楽しいところなんですよ」とおっしゃるではないか。

 先生によると、その昔、ヨーロッパの紳士淑女のお付き合いがまだまだ奥ゆかしかった頃、男女がともに連弾曲を練習して、少しばかり手や体が触れ合ったりすることは実にうれし恥ずかしいものであって、作曲家もそうした作用を期待して、ことさらに手が触れ合ったり交差したりする曲を書いたものだそうである。時にはそれがお見合いであったり、隠微な求愛であったりしたかも知れぬ。モーツァルトなど、いかにもそんな作曲や、弟子へのレッスンをしていそうだ。

「ですので、ちかちゃん(次女)と、ぜひ触れ合って、楽しく工夫して練習してみてください」とは先生のいわれたことである。実に肯うところ大である。

応用曲「ロマンス」 その2

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 朝からピアノの稽古、おさらいに励んでいたところ、春に弾いた応用曲の「ロマンス」がうまく弾けたので、もう一度録音してみた。