読書

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 引き続き世界教養全集を読む。

 第27巻にとりかかった。まずは一つ目、リットン・ストレチー Lytton Strachey 「エリザベスとエセックス Elizabeth and Essex」を、近所のパスタチェーン店「ジョリーパスタ」でビアンコのスプマンテを一杯やりつつ読み終わった。

 どんな内容かも知らないまま読み進んだのだが、これがけっこう面白かった。

 実在の人物、英国女王エリザベス1世と当時の大貴族エセックス伯爵の伝記だ。エセックス伯爵は平たく言えばまあ、処女王と(うた)われたエリザベス1世の彼氏である。だが、この物語の主要部分の頃、既にエリザベス1世は老婆といってよく、二人が知り合った頃でさえエリザベス一世は既に “読書” の続きを読む

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 引き続き世界教養全集を読む。第25巻の最後、三つ目のアルバート・シュヴァイツァー Ludwig Philipp Albert Schweitzer「水と原生林のあいだで 赤道アフリカの原生林における一医師の体験と観察の記録 Zwischen Wasser und Urwald: Erlebnisse und Beobachtungen eines Arztes im Urwalde – Äquatorialafrikas」(和村光訳)を、近所の寿司チェーン店「銚子丸」で一杯やりつつ読み終わった。

 シュヴァイツァー博士という人物については、名前は知っていたが、何をした人かなど全く知らず、白紙状態でこの本を読んだ。

 読むと、著者シュヴァイツァー博士の博識多芸、多才ぶりに驚く。医師になる前に既に著名な “読書” の続きを読む

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 引き続き世界教養全集を読む。第25巻の二つ目、アンドレ・ジイド André Gide「一粒の麦もし死なずば Si le grain ne meurt」(堀口大學訳)を休日のファミレスで寿司なぞ(つま)みながら読み終わった。

 子供の頃、一昨年亡くなった母に(すす)められて(めく)ってみたことがある。母は「これはエエ本よ」と言ったのだが、小学生の私にはつまらなく、何ページかで放り出してしまった。ジイドが幼い頃の遊び友達で、ムートンと呼ばれていた少年の目が見えなくなった、というあたりで読むのをやめたのだったか。

 本書はジイドの自慰(オナニー)三昧(ざんまい) “読書” の続きを読む

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 引き続き世界教養全集を読む。第25巻に入った。一つ目はジャン・ジャック・ルソー Jean Jacques Rousseau「孤独な散歩者の夢想 Les Rêveries du promeneur solitaire」(太田不二訳)である。

 誹謗中傷と失意の底にあって記された本書は、現代のネットでの誹 “読書” の続きを読む

ユーザ、ユーザー、ドライバ、ドライバー、レーダ、レーダー……伸ばさない・伸ばす

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 標記のことについて少し、経験したことや知っていることをメモしておきたい。

 実は私は、このことについての結論めいたことを知ってはいるのだが、その結論というのが「どっちでもない」という、結論とは言えないものであることをあらかじめお断りしておく。それには、経緯(いきさつ)というものがあるのだ。

実は自衛隊でも論争になったことがあった

 私は自衛隊で40年間働き、一昨年、定年で()めた。

 今の私はIT技術者として口を(のり)しているが、もともとは特殊無線技士で、幹部自衛官になる前の陸曹時代は “ユーザ、ユーザー、ドライバ、ドライバー、レーダ、レーダー……伸ばさない・伸ばす” の続きを読む

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 引き続き世界教養全集を読む。第24巻の最後「たった一人の海 Seul à travers l’Atlantique, A la poursuite du soleil, Sur la route du retour」(アラン・ジェルボー Alain Gerbault 著・近藤等訳)を帰宅後の自宅で読み終わった。

 一書にまとめられているが、これは「たった一人の大西洋 Seul à travers l’Atlantique」「太陽を求めて A la poursuite du soleil」「故国への道 Sur la route du retour」という3書の合本(がっぽん)だ。この巻の半分ほどを占める大著である。

 子供の頃からこの巻は私の愛読書だったのだが、読んでいたのは「アムンゼン探険誌」 “読書” の続きを読む

動詞の連用形の名詞化

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 前から「気づき」「学び」「気づきがあった」「学びがあった」などとする書き方や言い方の流行に馴染(なじ)めずにいた。所謂(いわゆる)「動詞の連用形の名詞化」ということだ。文法的なことはググれば高名な先生方の解説が沢山出てくる。興味のある向きは一読なさればよろしかろう。

口語動詞「学ぶ」の活用

学ぶ
語幹 (まな)
活用形 活用 下接語
未然形 学ば
学ぼ
ない
連用形 学び
学ん
ます
た(だ)
終止形 学ぶ (言い切り)
連体形 学ぶ とき
こと
仮定形 学べ
命令形 学べ (命令言い切り)

 一言でいえば、口語文法の場合、活用語尾が「ます」「た(だ)」につながる活用形が連用形である。この「気づきます」「学びます」の語部分「気づき」「学び」を名詞として使うものが「連用形の名詞化」だ。

 理屈はともかく、日本語として違和感があることは否めない。文法的な違和感に加えて「気づき」だの「学び」だのと言いたがる人が苦手だということが私にはある。こういう言い方書き方をしたがる人というのは、大概(たいがい)変に押し付けがましい、いわば「そこそこ中ぐらいに出世した経営者とその取り巻き」みたいな “動詞の連用形の名詞化” の続きを読む

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 引き続き60年前の古書、平凡社の世界教養全集を読んでいる。

 最近、漫画を読んだりもしていて、こちらの方は休み休みなのだが、しかし、少しずつ読み進めている。

 第24巻の第2作目、「人間の土地 Terre des hommes(サン・テクジュペリ Antoine de Saint-Exupéry 著・堀口大學訳)」を読み終わった。読み終わったのは東京駅八重洲北口にあるバー「The Old Station」内で一杯やりながらのことである。この全集では割合に中著の部類に入り、135ページからなる書である 

 サン・テクジュペリの本は、「星の王子様」「夜間飛行」を若い頃から読み()っている。本書「人間の土地」は、中学生の頃、属していた部活動(水泳部)の顧問の先生だった上野先生という方 “読書” の続きを読む

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 引き続き60年前の古書、世界教養全集を読んでいる。第21巻の最後、5書めの「猪・鹿・狸」(早川孝太郎著)を読み終わった。珍しく「THライナー」という日比谷線の座席指定券を買い、のんびりと座って帰宅する間に本文を読み終わり、帰宅してから解説を読み終わった。

 この書は猪・鹿・狸それぞれを狩猟する話や、これら三つの獣に関する逸話を集めたものである。実に多くの話が集められているが、ところが、その話の収集元は著者が生まれ育った愛知県長篠の「横山」というところの周囲数kmの中に限られる。狭い村落にこれほどの分量の獣にまつわる逸話があるというのは驚くべきことである。

 物理的な狩猟譚の他に、特に “読書” の続きを読む

読書

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 引き続き60年前の古書、世界教養全集を読んでいる。第21巻のうち3書め、「北の人」(金田一京助著)、早朝の通勤往路の、秋葉原の駅構内で、歩きながら読み終わる。

 金田一京助と言うと、私などが子供の時分、国語辞典の編者に必ず名前が載っていたものだが、実は私は、この人がどんな業績を残した人かはよく知らなかった。

 本書は金田一京助が若い頃から没頭した「アイヌの研究」に関する思い出などを記した随筆である。

 この書のテーマなど知らないままに読みはじめたのだが、この書によって金田一京助の業績の大きなもののうちの “読書” の続きを読む