読書

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 引き続き世界教養全集を読む。第24巻の最後「たった一人の海 Seul à travers l’Atlantique, A la poursuite du soleil, Sur la route du retour」(アラン・ジェルボー Alain Gerbault 著・近藤等訳)を帰宅後の自宅で読み終わった。

 一書にまとめられているが、これは「たった一人の大西洋 Seul à travers l’Atlantique」「太陽を求めて A la poursuite du soleil」「故国への道 Sur la route du retour」という3書の合本(がっぽん)だ。この巻の半分ほどを占める大著である。

 子供の頃からこの巻は私の愛読書だったのだが、読んでいたのは「アムンゼン探険誌」ばかりで、この「たった一人の海」には全然興味が湧かず、内容も知らなかった。

 だが、読んでみて、この巻の中ではアムンゼン探険誌に次いで、これが一番面白いと思った。著者は戦前、小さなヨットに乗り、ほぼ独力で世界一周を成し遂げている。通信も航法も今とは違う時代のことだ。

 単純な航海日誌ではなく、船上での生活、食事や寝起きのこと、(たま)さかに寄港地で上陸しての様々な出来事などが活き活きと綴られており、読んで楽しい。

気になった箇所
平凡社世界教養全集第25巻「たった一人の海」の近藤等による解説p.507から引用。

 文明世界には、再び戦雲が湧き起こった。そして、故国フランスがついに不幸な第二次大戦に巻きこまれると、ジェルボーは一兵卒としてその大戦に参加するため一路故国に向かう途中、愛する南十字星に見とられながら、1941年12月、南太平洋のチモール島で孤独のうちに客死した。

 さて、次は第25巻に進む。第25巻は「孤独な散歩者の夢想 Les Rêveries du promeneur solitaire」(J・J・ルソー Jean Jacques rousseau 著・太田不二訳)「一粒の麦もし死なずば Si le grain ne meurt」(アンドレ・ジイド André Gide 著・堀口大學訳)「水と原生林のあいだで―赤道アフリカの原生林における一医師の体験と観察の記録 Zwischen Wasser und Urwald: Erlebnisse und Beobachtungen eines Arztes im Urwalde – Äquatorialafrikas」(A・シュヴァイツァー Albert Schweitzer 著・和村光訳)の3書からなる。

 このうち、ジイドの「一粒の麦もし死なずば」は、子供の頃、去年亡くなった母に(すす)められて(めく)ってみたことがある。母は「これはエエ本よ」と言ったのだが、小学生の私にはつまらなく、何ページかで放り出してしまった。今読んでみたらどう感じるだろうか。

投稿者: 佐藤俊夫

 50代後半の爺。技術者。元陸上自衛官。2等陸佐で定年退官。ITストラテジストテクニカルエンジニア(システム管理)基本情報技術者

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