引き続き世界教養全集を読む。第24巻の最後「たった一人の海 Seul à travers l’Atlantique, A la poursuite du soleil, Sur la route du retour」(アラン・ジェルボー Alain Gerbault 著・近藤等訳)を帰宅後の自宅で読み終わった。
一書にまとめられているが、これは「たった一人の大西洋 Seul à travers l’Atlantique」「太陽を求めて A la poursuite du soleil」「故国への道 Sur la route du retour」という3書の
子供の頃からこの巻は私の愛読書だったのだが、読んでいたのは「アムンゼン探険誌」ばかりで、この「たった一人の海」には全然興味が湧かず、内容も知らなかった。
だが、読んでみて、この巻の中ではアムンゼン探険誌に次いで、これが一番面白いと思った。著者は戦前、小さなヨットに乗り、ほぼ独力で世界一周を成し遂げている。通信も航法も今とは違う時代のことだ。
単純な航海日誌ではなく、船上での生活、食事や寝起きのこと、
気になった箇所
文明世界には、再び戦雲が湧き起こった。そして、故国フランスがついに不幸な第二次大戦に巻きこまれると、ジェルボーは一兵卒としてその大戦に参加するため一路故国に向かう途中、愛する南十字星に見とられながら、1941年12月、南太平洋のチモール島で孤独のうちに客死した。
次
さて、次は第25巻に進む。第25巻は「孤独な散歩者の夢想 Les Rêveries du promeneur solitaire」(J・J・ルソー Jean Jacques rousseau 著・太田不二訳)「一粒の麦もし死なずば Si le grain ne meurt」(アンドレ・ジイド André Gide 著・堀口大學訳)「水と原生林のあいだで―赤道アフリカの原生林における一医師の体験と観察の記録 Zwischen Wasser und Urwald: Erlebnisse und Beobachtungen eines Arztes im Urwalde – Äquatorialafrikas」(A・シュヴァイツァー Albert Schweitzer 著・和村光訳)の3書からなる。
このうち、ジイドの「一粒の麦もし死なずば」は、子供の頃、去年亡くなった母に