オタ

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 私的に造兵や軍事を研究し、これに没頭している者は「ミリオタ」などと言われて蔑まれているが、では、私的に経済や証券、通貨について研究している者が「エコノミック・オタク」、つまり「エコオタ」なんぞと言われて(あざけ)られているかというと、そんな言葉は聞いたことがない。

 確かに、自ら厳しい軍事訓練を受けることもなく軍用品の雰囲気や武器の造形のみに惚れ抜いているような者には多少の蔑感もなくはないが、それは自分の金銭を使うこともなくビジネスのまとう「意識の高い感じ」にのみ執着している「商人(もど)き」についても同じである。

 ただ、いわゆる「ミリオタ」と言われる人々が、ミリオタと呼ばれて怒っているかというとこれは必ずしもさにあらずで、彼らが自らを称して「ミリオタ」と言うときには、(むし)ろ自嘲とプライドと「お前らとは違うんだ」というようなスノビズムとが入り混じった、複雑な感情とそうせずにはいられない感傷とを()い交ぜにしているようである。

正月飲酒天国

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 正月もはや三日、古い言い方で「猪日(ちょじつ)」と言う。元旦は「鶏日(けいじつ)」、二日は「狗日(くじつ)」とそれぞれ言うが、これは中国の古い呼び方である。

 さておき、私は酒呑みなので、正月の間中、ずぅ~っと重箱の中のものを食べているが、お節料理はどれもすべて大好物なので、まったく食べ飽きないのだ。

 御重の中のものたるや、全部、酒に合う物ばっかりでできていないだろうか。ごまめ(田作り)や煮〆(にしめ)、数の子なんて、酒のためにあるようなものではなかろうか。……金団(きんとん)や黒豆は甘いが、甘いなりにこれがまた酒に合うのである。

 煮物は日が経てば経つほど、なにやら味わいが増して旨くなり、こたえられない。

 最近は呑まない若い人も増えた。呑む人でも「まずはビール」だと思うが、御重にはやっぱり日本酒が合う。

姪孫(てっそん)あれこれ

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 年始で、妻方の(めい)と久しぶりに会った。彼女の結婚式以来である。美しい姪は「おめでた」で、8ヶ月の大きなお腹を抱え、優しい旦那さんと一緒に幸せそうに年始の挨拶を言ってくれた。

 ところで、姪の子のことを姪孫(てっそん)と言うそうな。面白いのは、字面は「(めい)の孫」でも、(おい)の子、姪の子にかかわらず、どちらも「姪孫」と言うそうである。

 しかし、姪孫はやや難しい言い方で、又甥(またおい)又姪(まためい)という呼び方もまた別にあって、このほうが親しみやすいと思う。

 このあたりのことは、行政書士の勉強をすると、「民法基本」あたりで出てくる。

 法律上の「親族」を一口で言うと「血族6親等、姻族3親等」である。妻方の血族は私にとっての姻族で、妻方の姪は3親等だから私の親族である。妻方の姪孫は、私と妻の両方からみて4親等であるが、同じ4親等でも、妻にとっては親族だが、私にとっては親族ではない。つまり、私にとっては「姻族ではあるが血族でなく」、妻にとっては「親族かつ血族である」からである。

 面白いことに、私と妻方の姪孫は親族関係にないが、私の娘は姪と「従兄弟姉妹(いとこ)」であるから血族であって、そのため、続柄は5親等離れるにもかかわらず、「親族」となるのである。

 細かな話だが、「妻方の姪の旦那さん」は、親等で言えば私から見て3親等に入るが、私にとっての姻族ではなく、従って親族ではない。しかし、妻にとっては3親等内の姻族なので、すなわち親族である。

 ただ、これらのことは「法律はそうなっている」ということであって、どれもみな「大事な『親戚』」であることに違いはない。親族と違って、「親戚」というのは広く認められた一般用語で、法律の用語ではない。

阿呆臭い

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 イスラム過激派がテロを繰り返す政情不安の国、プライベート・セキュリティを自称し銭金次第で密出国を手助けするような正体不明の組織が放置されているような国、(いやしく)も大統領ともあろう者が逃走した犯罪容疑者を引見するような国、つまりレバノン如き国の司法の方が日本より優れている、というわけだ。

 笑止千万なり。