一字詠「寝」

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一盞(いっさん)()(しゅ)まだ誰も(いね)ざりき
()ながらに記紀(きき)()(まど)()(ひと)()()
寝台車伏待(ふせまち)今や()くばかり
百敷(ももしき)寝殿(しんでん)跡の(うす)紅葉(もみじ)
とろゝ汁(いね)るが如き粘りかな

佐藤俊夫

#kigo #jhaiku #haiku #jtbt

 「夏雲システム」で関谷氏が運営しておられる「じたばた句会」に投句したものです。

宵闇(よいやみ)

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宵闇の葉に隠るゝやひと(しずく)
呼ばぬ客来て宵闇に黙りけり
寝返りを(こら)ふましてや宵闇は

佐藤俊夫

#kigo #jhaiku #haiku #saezuriha

今週のさえずり季題

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便々(もやもや)もあらず

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 自分が詠んだ俳句のことをくどくどと解説するのは、誰が言ったのだったか、「女形が楽屋で()(ズネ)をあらわすようなもの、()めるに不如(しかず)」という感じもしてどうかと思いはするのですが、それでも少し解説しておかなければ、と思うことがあります。

 8年前に書いた「月は忌むべきものではない」という記事の中で、

便々(もやもや)もあらざる()(すぎ)小望月

佐藤俊夫

と一句詠んであります。8年前に 便々(もやもや)もあらず” の続きを読む

秋分の日

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天皇陛下万歳

秋分の日 祝日「秋分の日」である。自宅の軒先に国旗を掲げ拝礼する。

 (かしこ)し、皇室におかれては「秋季皇霊祭」、また我々庶民にとっては秋彼岸の(ちゅう)(にち)で、いずれも先祖の霊を敬う日である。

 考えてみれば、あらゆる人には何万年前、何十万年も前の、文字もない時代の先祖がいる。欧州、アジア、アメリカ、アフリカ、その他あらゆる地方の人に親があり、先祖がある。

 まことにもったいなく、ありがたいことだ。自分が今いることが、どれほどの天文学的確率をかいくぐった偶然であるか、思い見ると茫然となってしまう。

 それを、先祖への感謝としたい。

敬老の日

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天皇陛下万歳

敬老の日 祝日「敬老の日」である。自宅の軒先に国旗を掲げ拝礼する。

 日本の祝日は、元日・春分・秋分や勤労感謝の日など、その縁起を遠く日本書紀の記述にまで遡るものが多いが、意外にこの「敬老の日」の由来は新しく、戦後のことであるという。

 いずれにせよ、日本は高齢化し、皮肉なことに敬老と言うとこれ敬われるべき者のみ四周を()(にょう)する状況ではある。私自身も50代後半の初老の域に差し掛かってきた。恥ずかしいことをしないよう、わが身を律して老いていきたいと思う。

料理

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トマト煮て五輪をは()るゝ秋の水
カレーパン喰らふ夜更けの獺祭忌
柚味噌焼く心に穴も開くぞかし
名盤に針置くしゞま(きぬ)(かつぎ)
走り蕎麦庭と隣るゝ(みどり)かな

佐藤俊夫

#kigo #jhaiku #haiku #jtbt

 「夏雲システム」で関谷氏が運営しておられる「じたばた句会」に投句したものです。

今週のさえずり季題

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読書

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 引き続き60年前の古書、平凡社の世界教養全集を読んでいる。

 第17巻を読みはじめ、最初の「日本文化史研究」(内藤虎次郎著)を往きの通勤電車の中で読み終わった。秋葉原での乗り換え前、仲御徒町の駅辺りであったか。

 著者の内藤虎次郎は戦前に活躍した中国学者である。本文中で何か所も「日本史については私は専門外である」という意味のことを言っているが、その実、東洋文化に関する幅広い視点から日本史を俯瞰し、しかもその通低ぶりたるや、日本史専門の学識をはるかに凌駕するものがある。

 本書は “読書” の続きを読む