読書

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 昨年急死した西村賢太の「蝙蝠か燕か」を読んだ。このところずっと読んでいる平凡社の世界教養全集を取り敢えず置いておいて、これを読んだ。日曜日の夜から読みはじめ、明け方にはほとんど読み終わった。残りを行き帰りの通勤電車で読んだ。

 あの荒んだ感じが鳴りをひそめ、なにか殊勝らしい感じになっていて、読みごたえと言うことだと覗きのような悪趣味が満足されることはないように思う。

 西村賢太には最近発売されたものにこの「蝙蝠か燕か」の他に「雨滴は続く」があり、両方とも同じ2月4日の土曜日に買ったのだが、「雨滴は続く」は品薄らしく、まだ届かない。

 こちらは遺作で、未完だという。

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 引き続き平凡社の60年前の古書、世界教養全集を読んでいる。

 第23巻の二つめ「ベーリングの大探検 Vitus Berings eventyrlige opdagerfærd」(S.ワクセル Sven Waxell 著・平林広人訳)を行きつけの蕎麦屋「SOBA満月」に並んでいる間の待ち時間に読み終わった。

 ところで、この巻の最初、S.ヘディンの「シルク・ロード」を読み終わったのが去年の8月22日だ。それから半年ほど経っているのだが、どうしてこんなに間が開いたのかと言うと、その間の9月30日に定年で自衛隊を辞め、今の会社に就職して忙しかったので、ゆっくり本を読んでいる暇がなかったからである。

 さて、この「ベーリングの大探検」。今から300年近くも前、日本で言うと江戸時代に、ベーリング率いるロシア帝国の探検船隊は北太平洋アリューシャン列島を踏査し、島伝いに東方遠く、米国の西海岸までを極めたという。途次日本の周囲を遊弋して沿岸にも立ち寄っている。この記録は日本側にも異国船の記録として残されていて、ベーリングの探検の裏付けとなっている。

 ただ、ベーリングは天候に悩まされ、その名を後にまで残すこととなったベーリング島へ避難してその地で帰らぬ人となり、数千人いた探検隊も著者ワクセルとともに生還し得たのは40人ほどであったというから、凄まじい大探検である。

 引き続き第23巻「暗黒大陸 Through The Dark Continent」(H.M.スタンレー Henry Morton Stanley 著、宮西豊逸訳)を読む。

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 引き続き平凡社の60年前の古書、世界教養全集を読んでいる。第23巻のはじめ、「シルク・ロード The Silk road」(S.ヘディン Sven Hedin 著・長尾宏也訳)を職場で昼休みに読み終わった。

 本書は、スウェーデンの探検家ヘディンが戦前の中国で往古の「シルク・ロード」を自動車で踏破したときの記録である。

 著者は言わずと知れたかのヘディンであり、彼の最も有名な業績は、新疆ウイグル自治区にその名も(しる)き「ロプ・ノール」の探検・発見と、その位置遷移について研究発表したことだろう。

 シルク・ロードの探検時には既に齢70を超えていたという。老いて尚旺盛なる探求心に感服する。


 次は引き続き第23巻「ベーリングの大探検 Vitus Berings eventyrlige opdagerfærd」(S.ワクセル Sven Waxell 著・平林広人訳)を読む。これも探検の書である。

2の(べき)乗漫話

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 このエントリの話は、別のエントリで、少し脚色して、別の話にして書いたことがある。下のリンクの通りだ。

 今回書くのは、上リンクのエントリの元になった話である。

先祖の数とビット数

 ある日、ある時、ある場所で、ある人が次のような話をした。 “2の(べき)乗漫話” の続きを読む

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 引き続き平凡社の60年前の古書、世界教養全集を読んでいる。第22巻の最後、「アルプス登攀記 Scrambles Amongst the Alps」(E・ウィンパー Edward Whymper 著・石一郎訳)を帰りの通勤電車の中で読み終わった。たまの気晴らしで「THライナー」の座席指定券を買い、ゆっくり座って読み終わることができた。

 本書は、ヨーロッパ・アルプスに於けるアルピニズム黎明期の第一人者、ウィンパーその人が記した名著である。

 著者は職業的登山家ではなく、本職は “読書” の続きを読む

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 引き続き平凡社の60年前の古書、世界教養全集を読んでいる。第22巻の3書目、「山と渓谷」(田部(たなべ)(じゅう)()著)を帰りの通勤電車の中で読み終わった。

 本書は、明治時代から昭和まで活躍した登山家、田部重治氏の山行記録である。日本アルプスを中心として、まだ地図もないような時代に山野を跋渉しているが、冒険というようなこととは趣が異なり、山野の美しさや山を行く深い情緒に心底惚れ抜いていることが滲み出るような文章である。

 この「山と渓谷」は色々な編集のものがあり、私は “読書” の続きを読む

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 引き続き平凡社の60年前の古書、世界教養全集を読んでいる。第22巻の2書目、「エヴェレストへの長い道 The True Book About Everest」(エリック・シプトン Eric Shipton 著)を読んだ。携帯電話が故障したので、秋葉原の修理店へ行き、修理の待ち時間、万世橋「マーチエキュート」の神田川に面したテラスで午後のひと時を過ごし、そこで読み終わった。

 本書は、幕末の江戸時代(嘉永5年(1852))に、当時名前もなく “読書” の続きを読む

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 引き続き平凡社の60年前の古書、世界教養全集を読んでいる。先日から第22巻に入った。第22巻は「山行」(槇有恒著)「エヴェレストへの長い道 The True Book About Everest」(エリック・シプトン Eric Shipton 著)「山と渓谷」(田部重治著)「アルプス登攀記 Scrambles Amongst the Alps」(エドワード・ウィンパー Edward Whymper 著)の4書である。

 まず1書目、「山行」(槇有恒著)だ。行きの通勤電車の中、乗り換えて北千住の駅を出たところで読み終わる。

 著者の槇有恒と言えば、 “読書” の続きを読む

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 引き続き60年前の古書、世界教養全集を読んでいる。第21巻の最後、5書めの「猪・鹿・狸」(早川孝太郎著)を読み終わった。珍しく「THライナー」という日比谷線の座席指定券を買い、のんびりと座って帰宅する間に本文を読み終わり、帰宅してから解説を読み終わった。

 この書は猪・鹿・狸それぞれを狩猟する話や、これら三つの獣に関する逸話を集めたものである。実に多くの話が集められているが、ところが、その話の収集元は著者が生まれ育った愛知県長篠の「横山」というところの周囲数kmの中に限られる。狭い村落にこれほどの分量の獣にまつわる逸話があるというのは驚くべきことである。

 物理的な狩猟譚の他に、特に “読書” の続きを読む

読書

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 引き続き60年前の古書、世界教養全集を読んでいる。第21巻のうち4書め、「東奥異聞」(佐々木()(ぜん)著)、帰りの通勤電車が草加駅で停車している間に読み終わる。

 著者佐々木喜善の師、柳田國男の代表著の一つに「遠野物語」がある。私は未読であるが、この遠野物語は、柳田國男が佐々木喜善から聞き取った岩手県遠野地方の伝承を記録したものである。

 本書「東奥異聞」は、その “読書” の続きを読む