コロナとノロはだいぶ違う

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 私は衛生の専門家ではないが、先だって、最新流行の武漢(ウーハン)コロナウイルスも、予防には単純明快な石鹸による洗浄が有効であることを記した。科学的知見によるものであって、迷信や(びゅう)見の類ではない。

 石鹸による洗浄は、「外被(エンベローブ)を持つウィルス」によく効く対策である。エンベローブ型と呼ばれるウィルスの場合、その外被(エンベローブ)は脂でできており、この外被は界面活性剤、すなわち石鹸や、溶媒、つまりアルコールによって簡単に溶解し、ウィルス内部を露出せしめて殺すからである。

 一方、もともとこのエンベローブを持たないウイルスもある。これは石鹸やアルコールを浴びても死なない。なんとなればそもそも壊されるべき構造を持っていないからであり、厄介である。このウイルスには次亜塩素酸が効くが、家庭にあるものだと、次亜塩素酸を含有するのは漂白剤や哺乳瓶の消毒薬などしかない。

 この「非エンベローブ型ウイルス」の代表は、ノロウイルスである。

 毎年、今の時季になると牡蠣の生食などからこのウイルスの感染症に(かか)る人が増える。

 目下、世間はコロナウイルスに血眼になっているが、その裏で、ノロウイルスによる腹下しが例年の如く蔓延することは疑いもない。しかも、ノロウイルスの方は石鹸やアルコールも効かないから厄介極まる。

 逆に言えば、である。石鹸で死滅するコロナウイルス如き、恐るるに足らぬと言えないか。

 新聞・テレビはさながらこの世の終わり到来とでも言わぬばかりに不安を煽り立てるニュースを垂れ流しているが、これなど風説や煽動に類する。そんなニュースに過度に左右されるのはよろしくない。

 妄動を自制し、風説に左右されず、落ち着き払って暮らすことが肝心と思う。来日している善良な中国人を排斥(はいせき)するなど、近隣の友好国民として言語道断である。

ウイルス王

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 コロナウイルスによる重症肺炎が中国を起点に蔓延(まんえん)猖獗(しょうけつ)を極めつつある。

 ところで、このコロナウイルスの「コロナ」とは何であるかというと、これは「王冠(クラウン) Crown」のことを希臘(ギリシア)語で「コロナ Corona」と言い、このウイルスの顕微鏡的所見がさながら王冠を上から見たような形状であるからだという。

 「ウィルスの王」と言ってみるとなんだか強そうである。

 しかし、上のリンクにある科学的所見によれば、インフルエンザウイルスなどと同じく、遺伝情報が直接弱い膜に囲まれ、その外側に蛋白質の粒が王冠のように並んでいるそうだ。細かく言えば、インフルエンザウイルスの場合、外側膜は人の細胞膜の一部を盗み取ったものだそうだが、コロナウイルスの外側膜は「(あぶら)」である。

 単細胞生物である細菌が、ウイルスと違って細胞膜に覆われていることを「卵」で例えると、これは「卵の殻」で柔らかな白身と黄身が守られているようなものである。他方、純粋遺伝情報のみを持つウイルスは「白身と黄身が宙に浮いて露出しているようなもの」である。但し、それでは瞬時に消滅してしまうので、「油膜で遺伝子を覆ってある」のである。卵のたとえで言うと、殻を取り去り、内側の白い卵膜だけにしたプヨプヨの卵のようなものである。

 しかも、コロナウイルスの場合、その膜は「脂」に過ぎない。

 石鹸による洗浄がウイルスに有効な理由はここにあるという。すなわち、石鹸の持つ単純だが強力で物理的な界面活性効果は、ウイルスの遺伝情報の外側を守る油膜の界面を壊して水に溶かし、ウイルスの構造を壊してしまうのだ。卵の中身が壊れてしまうように、ウイルス内部のRNAは外に出されると死ぬ。

 我々一般人は強力な感染症から身を守る(すべ)とてはなく、国・自治体等関係当局の処置に待つ他はないが、せめては、科学的知識を渉猟(しょうりょう)し、その弱点を見極めて対応するより他にない。(ひん)回、石鹸による洗浄を行うだけでも、手指等で目・鼻・口を触ることによる感染は相当防ぐことができるだろう。

 「王冠ウイルス」と言えばなにやら強そうだが、石鹸で壊れる如き、むしろ「ビール瓶のふた(王冠)に似ている」と言ってやれば、多少は胸の不安も晴れる。