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ホワイトホース
立待
今日は旧暦五月の
気象庁から「梅雨入りらしい」という発表があったのは先週のことだが、暦の上の「入梅」は今日で、名実ともに梅雨入りしたと言えるだろう。
それにしても雨が降らない。今のところ空梅雨らしい。一昨夜も昨夜も晴れて、夕方には月が綺麗だった。昨夕など気圧が下がったか、水の匂いがして風向きが変わり、遠雷が聞こえ、頭上に積乱雲が成長する気配すらあったが、結局私の周囲には雨は降らなかった。その後晴れて、暑い夜になった。
さっさと汗を流したら、冷蔵庫から氷の塊を出してカチワリをたくさん作り、ウィスキーを飲むのが良い。飲み慣れたバランタイン、ひと瓶千円しない。風呂上がりに飲むなら、
あちこちの植栽の、
一杯
総本家 更科堀井
今日はひとつ「大エルミタージュ美術館展」を見てやろうと、六本木まで出てきた私である。
さて、展覧会を見終わって、昼めしはどうしようかな、と思案する。もう14時ほどにもなろうとしている。
こうなれば、六本木まで出てきたついでだ。やはり麻布十番へ行って、名代の「
「総本家 更科堀井」へ歩いていく。六本木ヒルズから麻布十番まで、10分とはかからない。
「一人ですがかまいませんか」と有名店「更科堀井」の
まずは蕎麦前に「純米・名倉山」の冷や一合と焼海苔。通しものの揚げ蕎麦を
更科の総本家に来たからには名代の更科を手繰るのが本当なのだろうが、今日は気まぐれで、この店の一方の名物である「太打ち」を頼んでみた。
断面が5ミリ四方はあろうかというごく太打ちの蕎麦で、歯応えがあり、そのため、一見少なめの見た目なのに満足のいく喰い応えがある。蕎麦
微醺を帯び、秋葉原で少し買い物をして、上機嫌で帰宅した。
もう一杯
一杯
肴を代えてもう一杯
一杯
図書館~蓮玉庵~不忍池
蕎麦通・天婦羅通
図書館へ本を読みに行く。この前から読みかけの「蕎麦通・天婦羅通」という戦前の本の復刻だ。
最近珍しい本を読むことが多く、市立・県立の図書館にはないようなものに限って読みたくもなるもので、それで国会図書館へばかり行っていた。
国会図書館には古今のあらゆる本があり、漫画や雑誌まで含めて全て読むことができる。だが、ただ一点の難は借り出しができないことだ。なので、文字の多い本を数日かけてじっくり読むと言う事ができない。
この本、「蕎麦通・天婦羅通」は、先日たまたま市立図書館で見つけた。市立の図書館なので、この本は借り出すことができる。
読み始めた時には拾い読みする積もりで、借り出す気はなかったのだが、面白いから全部読みたくなってしまい、結局、今日になって借り出した。
蓮玉庵
こういう本を読んでいると本当に腹が減ってしまう。蕎麦の本だから蕎麦を
前々から気になっていて、だが入ったことのなかった、上野・池之端、仲町通り入り口に近い「蓮玉庵」へ行ってみることにした。
上野・池之端と言うと「池之端藪蕎麦」に限ったくらいのものだったが、残念ながら先頃閉店してしまった。今は店も取り壊されて、すっかり更地だ。
だがこの「蓮玉庵」も、なかなかどうして、江戸時代創業の有名店なのである。
- 「蓮玉庵」(「木鉢会」サイト)
樋口一葉の日記や野村胡堂の作品などにも登場する古い蕎麦
上野・池之端の仲町通りはピンサロなどの客引きが多くて閉口するが、そんな中、この蕎麦屋は貫禄のある古い店構えで、ひときわ目立つ。
表の店構えは相当に古びているのだが、一歩店内に入ると、美しく調度されており、非常に清潔な店内である。壁の造り付け棚に
品書きはそれほど多くはない。酒の銘柄がいろいろ揃っているというわけでもない。だがそれだけに迷わず楽しめるのだ。
酒をぬる燗で一合、肴に焼海苔をとる。
焼海苔はシンプルにお皿に乗せて出してくる。通しものは煮豆だ。やさしく、かつ味わい濃く煮てあって、これは酒に良い。
盃一杯ほど酒の残っている頃おい、蕎麦をたのむ。私は蕎麦屋に入ったら、いつもは大抵、「もり」や「せいろ」、あるいは「かけ」をたのむことにしているのだが、今日はこの店
1枚目と3枚目は新蕎麦風味の
2枚目に、季節ごとの変わり蕎麦が入っており、今の時季は「桜切り」である。写真の左側のものだ。馥郁と桜の香りがする。桜の花と葉が練り込んであるのだ。
実に旨い。
蕎麦
酒 一合 | 700円 |
焼海苔 | 400円 |
古式せいろそば別打ち入り三枚重ね | 1000円 |
合計 | 2100円 |
本当に東京の蕎麦屋らしい蕎麦屋で、のんびりと飲みかつ
不忍池 をうろつく
桜
この前まで不忍池の周りは工事中で、東京オリンピックや外国人観光客の誘致を狙ったものか、舗装などを相当直したようだ。
今日は工事が完成していて、沢山の人で賑わっていた。
桜は七分咲きというところだが、折
弁天参詣
折角だから弁天に詣でる。
布施をして、「融通守銭」というのを頂き、お香も寄進する。
花見の時季を当て込んでか、相当数の露店が出ていて、美味しそうな匂いをふりまきつつ、焼いたり煮たり、声を枯らして客を呼び込んでいる。昔の風景と違うんだろうな、と思うのは「ケバブ」の店が何店かあることだ。それに、縁日などを見物に出かけていつも思うことだが、寺の境内で肉類の露店、豚焼きや焼き鳥などがあるのも面白い。これは関東の特色だろうか。
弁天堂の参詣列にヒジャブを被ったイスラム教徒が並び、手を合わせている。……いや、コッチはいいんですがね。正月に皇居の一般参賀に行った時にも思ったことだが、あなたがた、イスラムのバチが当たるんじゃないですかと、他人事ながら心配してしまう。
下町風俗資料館
弁天島からボート乗り場に隣り合う堤を歩いて行って、池之端の方に戻り、ふと思いついて「下町風俗資料館」へ入ってみる。
昔の長屋の暮らしが再現されており、座敷へ入ってみることもでき、大変面白かった。
小雨の桜もいいものだな、と思った。