(かん)()

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 昨夜思い付いたとおり、朝から庭に出て、花壇の敷砂利と防草シートを上げ、(かん)()を施した。

 躑躅(つつじ)皐月(さつき)(じん)(ちょう)()馬酔木(あせび)の紅白それぞれ、それから枯れたかに見える矮性の百日紅(さるすべり)の根元の周囲にも肥料を()き込み、乾き気味の土にたっぷりと水をやった。

 残念ながら、5株の折鶴蘭(オリヅルラン)は枯れたかに見える。根からまた生えればよいのだが、とわずかに希望を残し、抜かずそのままにする。

 不食(クワズ)(イモ)の葉がすっかり萎れてしまったのを鋏で伐る。これは放っておいても暖かくなるとまたニョキニョキ大きくなることは、多年にわたり実証済みである。

 白花のほうの馬酔木に少し元気がなく、ちょっと心配な感じがする。

 紅白それぞれの沈丁花は、はや、なかなか大きな芽をつけている。春が楽しみだ。

スウェーデンの親子の幸福を祈る

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 左は、()(ぶと)(たくま)しい腕をしたスウェーデンの鍛冶(かじ)屋のおっさんが、精妙・精密・繊細、なおかつ質実剛健な製菓道具を作って、それでお菓子をこしらえ、可愛いお嬢ちゃんと一緒にパクつくという動画である。

 それだけの動画に、なぜだか思わず涙ぐんでしまいそうな感動を覚えるのであった。

 今しも、スウェーデン王国は1千万人強の人口に対して悪性コロナウイルス感染症により1万人を超える死者を出し、国難の()(なか)にある。国民のうち1000人に1人が既に亡くなっているのだ。

 (ひるがえ)ってわが日本は、1億人を超える人口を(よう)する過密の国であるにもかかわらず、諸外国に比べればまだましなほうだ。今、日本が仮にスウェーデンと同じくらいの人口、総勢1千万人強の国であると仮定すると、同感染症による死者は500人強ということになる。2万人に1人が亡くなっている状況だから、スウェーデンも含めた欧米の状況とはかなり異なる。

 勿論、我が国内で不幸にも同感染症で亡くなった多くの方々には、衷心より悲しみとお悔やみを共にしたい。

 さはさりながら、諸外国と比べてこの相対状況であるならば、日本はむしろ余力のある国として、他国に救助のための手を差し伸べ、俄然奮迅努力しなければならない立場にあると思うのだ。ところが、残念ながら日本国内の状況は、緊急事態宣言に目の色を変え、有象無象の勢力が互いに批判と罵倒を繰り返し、自らの不幸を嘆き、恐怖に駆られて政府や行政を()()ろし、愚図愚図(ぐずぐず)するな助けろ馬鹿野郎などと絶叫するのみに終始するばかりか、日本よりよほど困難を極める状況にある欧米が血の(にじ)む思いで開発し終わったワクチンを「とっととよこせ、俺が先だ!」などと言って争奪騒ぎまで起こしかねぬばかりの情けない有様(ありさま)、さながら女装してタイタニック号の救命ボートに潜り込もうとする卑怯な東洋人の姿そのものであることには、ひたすら恥じ入るばかりである。眼前で蜘蛛の糸がプッツリ切れて再び真っ逆さまに地獄の奈落へ消えてゆく(カン)()()のような末路すら(かい)()見えるような気がして、暗澹(あんたん)鬱然(うつぜん)たる気持ちになるのは、私だけであろうか。

 科学者の活躍が待たれるところだが、学術会議の人事にあんなにも頑固で片意地な異を唱えた学者連中がここにきて沈黙しているのは、笑止千万と言わざるを得ぬ。どんな素人が見ようと、あれなど外患誘致の疑いによる騒動でしかない。科学者は皆、学際挙げてのあの馬鹿げた喜劇の如き狼狽(ろうばい)を恥じるべきだ。敵国への卑しい通謀(つうぼう)で得た大した額にもならぬ汚いカネなど直ちに捨て、さっさと世界の困難を救う薬品の研究を完成させ、中立と潔白、そして(みずか)らの学問の高さの証明となし、それを()()げてはじめて政府に噛みついてはどうか。

 だが、「お()(こう)馬鹿(ばか)」の揃った学者連中にそんなことなどできないことはこれも知れ切ったことで、残念ながら書いて詮無きことではある。呵々(かか)、力なく吐息混じりに哀笑せざるを得ぬ。

 スウェーデンの美しい親子の動画から、そんなことをあれこれと連想する冬の午後なのであった。

今週のさえずり季題

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保身と改革

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 革命の9割はいじめと同じ構造ではなかったろうか。

 すなわち、加担せねば自分の身が危ういという恐怖心が9割で、正義とか進歩などは残りの1割にも満たず、否、もっと言うならそんなものはどうだっていいのである。フランス革命のギロチンの(あぎと)は、それ自身が欲して圧政を噛み砕いたのではなく、恐怖に駆られた人々が自分と五十歩百歩の同類を押し込んだだけだと言えるだろう。無論、国王が賎民と同類とまでは言わないが……。

 とまれ、保身、それが革命だ。

 であるとするならば、改革も保身の一形態ではなかろうか。