読書

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 岩波の竹取物語、読み終わる。

 全部読んでみて感じたのは、おとぎ話、童話というふうにとらえられがちなこの物語は、意外に男臭い、がっちりとした構成と文体を持ったれっきとした文学である、ということである。そう思って解説を読んだら、解説にもそんな風なことが書かれてあった。

 補注の後には付録として今昔物語巻三十一の「竹取翁、見付けし女の(ちご)を養へる語」と、海道記の「竹取説話」の2編が全文収載されている。

 別の本を読み始める。同じく市立図書館で借りた岩波の「日本の酒」。多少古い本だから、酒に関わる現代の法制度などとは少し用語等は異なるのだろう、と予測して読み始める。

 思いのほか面白く書かれている。

竹取物語の味わい深いところ

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 まことに人間臭い描写の多い竹取物語である。

……かぐや姫の心ゆきはてゝ、ありつる歌の返し、

まことかと聞きて見つれば言のはを飾れる玉の枝にぞありける

と言ひて、玉の枝も返しつ。竹取の翁、さばかり語らひつるが、さすがに覺えて眠りをり。御子は、立つもはした、居るもはしたにて、ゐ給へり。日の暮ぬれば、すべり出給ひぬ。

 本当に、嘘や確認不足がバレて具合が悪くなってしまった人たちの狼狽する様が、今も昔も変わらずこのとおりであろうなあ、と感じさせ、納得もさせるほどによく出ている。