一字詠「残」

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窓際に残りの日々や関東煮(かんとだき)
ふと(かおり)(くち)寄す(いまし)残る月
残身(ざんしん)を口やかましく寒稽古
(あかぎれ)(はした)無残や築地(つきじ)
炉辺(ろべ)に酒語る深更(しんこう)(すみ)残る

佐藤俊夫

#kigo #jhaiku #haiku #jtbt

 「夏雲システム」で関谷氏が運営しておられる「じたばた句会」に投句したものです。

去年(こぞ)()(とし)

投稿日:
去年(こぞ)()(とし)花鳥(いま)だし星の寺
テレビさへ去年今年てふ構へある
(うずくま)るしゞまの隅に去年今年

佐藤俊夫

#kigo #jhaiku #haiku #saezuriha

今週のさえずり季題

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矢野峰人(ほうじん)訳のルバイヤート

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 矢野峰人(ほうじん)訳のルバイヤートの、程度のいい古書が手に入った。

 前から欲しかったのだが、戦前に出版されてから長年にわたって刊行が絶えてなく、古書も市場になく、見ることができずにいた。ところが、17年前に刊行されていたことを、7年前に知った。ただ、 “矢野峰人(ほうじん)訳のルバイヤート” の続きを読む

テーマ詠「プロポーズ」

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結納に陶人(すえひと)の銘十二月
寒星(かんせい)(もと)文無しのキス(きよ)
寒紅を差す言ひ出しを待つ(いち)()
遠火事になどて求婚する馬鹿は
今のうち指輪を渡せ神の留守

佐藤俊夫

#kigo #jhaiku #haiku #jtbt

 「夏雲システム」で関谷氏が運営しておられる「じたばた句会」に投句したものです。

 「遠火事に」の句は投句時「遠火事になどて結婚など言ふ馬鹿は」でしたが、修正しています。

今週のさえずり季題

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読書

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 引き続き60年前の古書、平凡社の世界教養全集を読む。第19巻の三つ目、「先史時代への情熱」(H・シュリーマン著、立川洋三訳)を、往きの通勤電車の中、水道橋と飯田橋の間の辺りで読み終わった。

 著者ハインリッヒ・シュリーマンは、トロヤ遺跡発掘で有名なかのシュリーマンその人である。往時は立志伝中の “読書” の続きを読む

一字詠「百」

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マフラーの(あみ)()を百も数へ()
百億の(あら)(ぼし)この手こそ()かめ
(いっ)(ぴゃく)(かぞ)ふ鍛錬(かん)(げい)()
百敷(ももしき)や隙間風にも見ゆるもの
無造作に寒天(かんてん)干すや(ひゃく)()(ひゃく)

佐藤俊夫

#kigo #jhaiku #haiku #jtbt

 「夏雲システム」で関谷氏が運営しておられる「じたばた句会」に投句したものです。

狐火

投稿日:
狐火も鬼も去りけり巨大都市
弥陀(みだ)()(かん)(きつね)()もゐる()(さつ)かな
狐火のみづ()(こい)(あと)ならむ

佐藤俊夫

#kigo #jhaiku #haiku #saezuriha