天皇と庶民とはどちらも、辞任などという言葉でその責任を回避することのできない「日本人」であった

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山岡荘八「小説太平洋戦争〔2〕」p.95から引用

 私はさきに、山下奉文中将が、この作戦中に一度も笑顔を見せず、絶えず何ものかに向かって怒りをぶつけているようであったと書いた。

 その怒気をふくんだ表情の裏をさぐってゆくと、彼の理想とする軍と、当時の陸軍の間の思想の距離がまざまざと計り出される。

 むろんこれは、どこまでも職業軍人としての陸軍のことであって、民間人としての一般兵隊のことではない。

 一般の兵隊は、前にも記したように、少く((ママ))とも個人的な生活のすべてをなげうってご奉公を考えさせられている。その間には悲しいあきらめや郷愁は存在しても、戦うことがより正しい世界の創造に通ずるであろうということを、疑う余地など全く与えられていなかった。

 その意味では、近衞の新体制以来の東亜共栄圏建設の理念とかけ声は、そのまま彼らに滅私の奉公を強いる、何のかけ値もかけ引きもない(すが)りの綱になっている。日本人の中で、もっとも無邪気に正義の灯をしたって行動したのは天皇と、そして、その愛児であるこれら庶民の兵隊たちであった。

 天皇と庶民とはどちらも、辞任などという言葉でその責任を回避することのできない「日本人」であったからだ……

 この見方と、今上陛下の譲位について並べ論じるというのも面白いだろう。

薨去に関する報道調べ・続

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 日経新聞の前身は「中外商業新報」といい、明治時代までバックナンバーを遡ることができることを知る。

 国会図書館の場合、デジタル(日経テレコン21)で調べるときは昭和50年までしか検索できないが、マイクロフィルムは明治9年のものからある。

 そのことに気付いたので、以前作った皇族薨去等時の報道の文言に関する資料を少し修正する。

勤労感謝の日

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%e5%8b%a4%e5%8a%b4%e6%84%9f%e8%ac%9d%e3%81%ae%e6%97%a5天皇陛下万歳。

 祝日・勤労感謝の日である。国旗を掲揚し拝礼する。

 今日は遠く飛鳥時代、皇極天皇の御世にその起源を(さかのぼ)る「新嘗(にいなめ)祭」の日である。皇極天皇というと「重祚(ちょうそ)」と言って、後に斉明天皇と名を改めて再び即位した女帝であり、これは日本史で習うから、覚えている人も多いことだろう。

 日本書紀巻第二十四「皇極天皇」紀には、

十一月壬子朔癸丑、大雨雷。丙辰夜半、雷一鳴於西北角。己未、雷五鳴於西北角。庚申、天暖如春氣。辛酉、雨下。壬戌、天暖如春氣。甲子、雷一鳴於北方、而風發。丁卯、天皇御新嘗。是曰、皇子・大臣、各自新嘗。

(十一月(しもつき)壬子(みずのえね)(ついたち)癸丑(みずのとうしのひ)に、大雨(おおあめ)ふり(いかづち)なる。丙辰(ひのとたつのひ)夜半(よなか)に、雷(ひとたび)西北(いぬゐ)(すみ)()る。己未(つちのとのひつじのひ)に、雷(いつたび)西北の角に鳴る。庚申(かのえさるのひ)に、(あめ)(あたたか)なること春の(しるし)の如し。辛酉(かのとのとりのひ)に、雨()る。壬戌(みずのえいぬのひ)に、天の暖なること春の氣の如し。甲子(きのえねのひ)に、雷(ひとたび)北の(かた)に鳴りて、風(おこ)る。丁卯(ひのとのうのひ)に、天皇(すめらみこと)新嘗(にひなへ)(きこしめ)す。是の曰に、皇子(みこ)大臣(おほおみ)(おのおの)(みづか)新嘗(にひなへ)す。)

 と、その年の天変などとともにこの新嘗の記述があり、日本書紀の中ではっきりと新嘗の記述が現れるのはこの箇所が最初であることから、これが新嘗祭の起源となっている。

 この新嘗祭は、重要な宮中祭祀であるため、明治時代から祝日として定められていた。

 戦後、「勤労感謝の日」と改められたが、宮中においては今も変わらず、天皇陛下おん(みずか)神嘉殿(しんかでん)において古式ゆかしくこの祭祀を執り行われると漏れ伝え聞く。

 本来、「新嘗祭」は新収穫を(みかど)自らおしいただいて、五穀豊穣を天地神祇に納め祈る日であったことから、無論これは農業を慈しみ奨めることに通じており、これが近代的に発展して「勤労感謝」となったことはおかしいことではなく、当時の政府はGHQの影響下、国民世論をも取り込んで、名称変更を上手い具合にまとめたものだと思う。

文化の日

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%e6%96%87%e5%8c%96%e3%81%ae%e6%97%a5天皇陛下万歳。

 祝日「文化の日」である。国旗を掲揚する。

 文化の日の趣旨が「自由と平和を愛し、文化をすすめる。」ことにあるのは、「祝日法」によって明らかであるが、その制定経緯を(ひもと)けば、基礎となったのが、(まさ)(しか)るべし、人ぞ知る、明治天皇の誕生日「明治節」であることは論を待たない。

 (かしこ)し、維新の志士らの心を大いに取り上げ、日本の文化を進め、五カ条の御誓文によって議会制民主主義を導入したのが他ならぬ明治大帝である。

 戦後、政府は明治大帝の天長節(天皇誕生日)であった明治節を、「文化の日」として定着・記念することに成功した。GHQの影響まだ極めて大なる時代であるにもかかわらず、である。

 当時の国民の選択と、またその選択をできる限り()んだ政府の、巧妙と言うほかない政治的技術に感嘆せざるを得ない。

祝日暮る

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天皇陛下万歳。

 祝日一日、「海の日」も暮れる。

 国旗を降下する。

 やあ、今日は何事もなく暮れたなあ。よかった、よかった。

海の日

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天皇陛下万歳。

海の日

 祝日「海の日」である。国旗を掲揚し、拝礼する。

 法律には「海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う」とある。

俺はポッポのおっさんなんか嫌いだが

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 標記のとおりだし、右翼一般の論調は「またコイツか!」「利敵行為だ!」と興奮気味だ。

 しかし、このこと、私にはそう悪いこととは思えない。

 現在、中国との関係はあまりよくないのは確かだが、「AIIBにもツバをつけて逆保険をかけておく」というような意義はあると思う。AIIBを無視するわけにはいかないのだ。

 だが、政府としては、公式のおおっぴらにはAIIBに関係するわけにもいかない。

 そこで、「今は野党に転落」した政党の関係者で、その野党からはとうに縁も切れ、「韓国で土下座するような国辱変人」ではあっても一応「元総理大臣」ならば、「表向き政府公式には関係のない唾付け役」として関係させるのに、このおっさんは適任なのではないだろうか。

春分の日

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建国記念の日天皇陛下万歳。

 春分の日である。軒先に国旗を揚げて拝礼する。

 もともと春彼岸の今日である。このため、皇室でも春分と秋分は皇霊祭を行っていた。

地球粉砕兵器を人工ブラックホールにより建造せよ

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 ブラックホールの研究が一歩進んだという。米国を中心とする研究チーム「LIGO」による重力波の観測がそれである。

 こうした研究が幅広く進み、ブラックホールのなんたるかが更に詳細に解明されてゆけば、いずれ、SF小説の中にしかなかった人工ブラックホールも作られるに違いない。専門家によると、物質をシュワルツシルト半径と呼ばれる限界の半径以下にまで圧縮すると、これはブラックホールになるのだそうである。例えば、地球ほどの質量のものであれば、直径18ミリにまで圧縮するとブラックホールになるのだそうだ。

 そうすると、地面から両手ひと(すく)い分、10センチほどの大きさの、文字通り「一握(いちあく)の砂」をとり、これを7億分の1ミリメートルほどに圧縮するとブラックホールになるのであろうか。

 人工ブラックホールは兵器に転用すると良いだろう。投射可能兵器にして地球に近づく小惑星等にこれをぶつけ、その衝突から地球を救うという妄想もよいが、これにボーイ・ミーツ・ガール・ストーリーでもくっつければ、なんだか安物のハリウッド・ヒロイックの一丁上がりみたいで面白くない。

地球粉砕兵器 ここはやはり、日本による世界征服の野望を達成すべく、人工ブラックホールを作動原理に採用し、核兵器の威力など遥かに超越した「地球粉砕兵器」の建造をこそ目指すべきだろう。緊急総動員した科学者・研究者をして兵器の建造に従事せしめ、地球粉砕を可能ならしむるべきだ。

 地球粉砕兵器は、ひとたび起動するや地球全部が粉砕されて消滅するという恐るべき兵器である。日本を含め、地球全部が消滅するので、核兵器のようにロケットなどに搭載して敵国の首都に精度よく投射するというような必要はまったくない。その場で炸裂、即地球消滅であるから、これは地球人全部を人質にとった自爆テロのようなものである。なァに、スーサイド・アタックはカミカゼ以来(このかた)日本のお家芸であるから、今更なんてことはない。

 地球粉砕兵器・ブラックホール爆弾の設置場所は、皇居の地下1000メートルがよい。そして、その起爆権は、(かしこ)し、恐れ多くも、ひとり天皇陛下のみがこれを保持したまう。

 これを起爆する場合、天皇陛下は衣冠にお姿を改められ、皇居の地下1000メートルまで降りたもうて、そこに設置された地球粉砕兵器におん臨みあそばされる。地球粉砕兵器の起爆トリガーは、大幣(おおぬさ)の姿をしている。そう、神社でお祓いの時に使う、棒に紙垂(しで)のついた、あのハタキみたいなやつだ。アレがほの暗い皇居の地下に、三方にのせて安置されているのである。

 天皇陛下が神事を執り行われ、この大幣を手に取る。大幣は形こそ古式ゆかしいが、その祓串(はらえぐし)はハイテクの塊で、天皇陛下の指紋や静脈パターン、脳波、DNA等あらゆる資格情報を検知して識別認証が行われる。天皇陛下以外の者の操作では、起爆は絶対に不可能なのだ。そして、陛下が(おもむろ)に大幣をサッ!と(はら)い給うや、見よ、間を置かず、八咫鏡(やたのかがみ)八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)草薙剣(くさなぎのたち)からなる三種の神器が、関東平野全域の地下に張り巡らされた極超大規模光速加速装置、スーパーLHC「大日本帝國号」によって光速にまで加速されて互いに衝突し、たちどころに10億分の1ミリ以下の大きさに圧縮され、「三種の神器ブラックホール」が出現するのだ。地球はおろか、地球周辺を漂う光すらすべて三種の神器に飲み込まれて消滅だ!祓穢(ばつえ)の神通力をここに見よ!腐りきった地球人類など全部(はら)われてしまえ!!

 これを可能にすれば消滅の恐怖は世界を屈服させ、すべての価値は万世一系の天皇陛下に帰着し、その(あまね)御稜威(みいつ)の下にひれ伏すこととなろう。ほんの僅かでも天皇陛下の御感(ぎょかん)を損ずることあらば、即、地球は粉砕、すべては無である。

 まことに恐懼(きょうく)のことながら、将来は女帝の治世も考えられる。全世界がこの女帝に(かしず)くのだ。

 嗚呼(ああ)、畏きかな、あなかしこ、恐懼々々、天皇陛下万歳。ブラックホール万歳。