災害派遣で人を助ける

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 「自衛隊の悪口言う奴なんか、災害時に助けるな!まして『貧乏人呼ばわり』する奴なんか、助けなくていい!」みたいなことを書いている人が結構いて、いや、それは違うぞ、誰でも助けなきゃいかん、何なら戦時だって、敵国の困っている人や、傷を負った敵だって、助けなきゃいかんのだぞ、人道ってモンがわからんのか、などと内心ブツブツ考えていて、ふと次のようなことを思い出した。

 3尉の頃、私は阪神淡路大震災の災害派遣に従事した。神戸では「平和の街神戸を軍靴で踏みにじるな!」だのと一般の人から抗議された。海自からは輸送艦「さつま」他の艦隊が派遣されて神戸港に入り、大いに陸自を助けてくれたのだが、神戸の人々はこれをしも「平和の港たる神戸港への戦争道具の入港を拒否する」などとがなりたてたものだ。

 私も当時若かったものだから、抗議には不満と言うか、 “災害派遣で人を助ける” の続きを読む

スマートタグ雑想

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 紛失防止用のスマートタグ「MAMORIO」を私費でいくつか買った。

 きっかけは、去年、会社から出た指示だった。「全員にスマートタグを支給する。入館IDには例外なくこれを装着すること」との指示があったのだ。社員の誰かが、入館IDを紛失してしまった事例があったからである。IT企業のセキュリティ失陥は直ちに会社の存亡に繋がりかねない厳しいものなのだ。で、それぞれの私有スマートフォンの機種に応じて、AirTagなりMAMORIOなりが、私のような協力会社の社員なども含めて全員に配られた。

 会社の命令であれば是非もなく、受動的に1年ほどそれを使っていたのだが、「これは極めて有用なものだ」と思うようになった。入館IDを自宅に置き忘れて出社すると、自宅をしばらく離れた時点で携帯電話が鳴動し、「入館IDを忘れていますよ」と知らせてくれる。

 以前は、1時間の通勤時間を費やして会社に行ってから入館IDを忘れたことに気づくことがあった。そんな時には「紛失ではありません」なんてことを言い訳して臨時入館の手続きをするか、所属部署に遅刻を詫びた上で自宅に取りに戻るか、いずれにしても面倒なことになっていた。ところが、 “スマートタグ雑想” の続きを読む

自衛隊制度異感

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 40年あまり勤めた自衛隊を定年退官して、はや4年目も半ばを過ぎた。最近、(たま)さかには自衛隊の思い出話なども書くようになった。

 多少、雑感を(したた)めておくのも悪くない。

憲法に関して

 諸論あるところであり、私のような退官自衛官が全員同じ意見とは思 “自衛隊制度異感” の続きを読む

Monocle(モノクル)

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 モノクルを一つ買った。いわゆる片眼鏡だ。他人が感じるであろうよりもかなり実用的かつ合理的だ。二つほど感想を。

感想一つ目

 一つ目。

 そもそもなんでこんなものを買ったのかというと、老眼のためである。視力の良い私は――なにしろ自衛隊で毎年受けることになっていた健康診断の視力検査で Monocle(モノクル)” の続きを読む

時間がはやい件

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 去年一昨年とくらべて、今年は蝉の声をあまり聞かないようだ。蝉の繁殖には周期があると聞くが、多分その谷間なのだろう。

 毎日日中は37℃を超えるなど暑熱が厳しいが、この4、5日ほどは早朝などにふと秋の気配を覚えることがある。来週は原爆忌、そして8月7日にはもう立秋、再来週は月遅れの盂蘭盆、それから終戦記念日。

 流れ去る季節のはやさ。あっという間だ。この調子な “時間がはやい件” の続きを読む

嫌な野郎と(ほが)らかな娘

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 平日、仕事している日の昼食には、会社の近所に多くある飲食店のうち、何軒かを順繰りに使っている。

 最近の私は、袖()り合うも他生(たじょう)(えにし)人世(ひとよ)にこそ(なさけ)あれかし、とばかり、入ったお店ではつとめておとなしく迷惑をかけないようにし、店員さんがいらっしゃいませと言えばこちらもこんにちはこんばんは、ごちそうさまにありがとう、なぞとできるだけ言うようにしている。そうしていると店員さんにも人情というものがあり、丁寧にサービ “嫌な野郎と(ほが)らかな娘” の続きを読む

スウェーデン

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スウェーデン、NATO加盟

 ついにあの、中立の王国スウェーデンが、「もう中立やめますッ!」と、ブチギレてしまった。

 無論、ウクライナ紛争の影響によるものだ。

 勿体(もったい)ない。スウェーデンは、実は戦闘機を含 “スウェーデン” の続きを読む

変人落想

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 このところ、よくアニメや漫画を見たり読んだりするようになった。若い頃は活字だけでなく漫画もよく読んでいたが、ここ数十年は活字にばかり親しんでいたので、60歳を前にしてまたずいぶん変わったものだと我ながら思う。

 アニメや漫画は楽しい。

 このところ楽しんでいるのは、「異世界おじさん」「葬送のフリーレン」「薬屋のひとりごと」だ。「薬屋のひとりごと」は単行本は買っていないが、「異世界おじさん」と「葬送のフリーレン」は単行本も全部買って読んだ。

 これら3作品のうち、「異世界おじさん」と「葬送のフリーレン」には、「旅」が共通項としてあるが、「薬屋のひとりごと」に旅の要素はない。他方、これら3作品に共通しているのは、いずれも「主人公が相当な変人 “変人落想” の続きを読む

給料一件顛末(てんまつ)

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 今の会社に雇い入れて貰ったときに給料の相談をした。

 会長は私が提出した当時の源泉徴収票などを仔細に検分し、「あなたが今貰っている程度までなら払える」と言った。が、私はあべこべに、慌ててこれを辞退し、「その半分でお願いします」と値切ってのけたものだ。これを私は、前代未聞の珍事だと評価している。給料を貰う側が値切るなんて、実際珍事だろう。

 会長も耳を疑ったようで、「ハァ?!何を言ってる。……どういうことだ」と尋ね返してきた。

 これには理由がある。自衛官は “給料一件顛末(てんまつ)” の続きを読む

自衛隊の戦い

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 私は自衛隊にいた40年もの間、()(フタ)もない端的な言い方をすれば、人殺しの仕方を一貫して鍛え続けていたわけであるが、どの自衛官もそうであるように、それによって人を殺したことはない。

 だがしかし、そうやって対人戦を鍛え続ける一方で、自衛隊は常に人ではない他の何かと戦っていて、今もそれは続いている。

 思いつくまま挙げれば「ウイルスとの戦い」「牛との戦い」「鶏との戦い」「トドとの戦い」「鹿との戦い」 “自衛隊の戦い” の続きを読む