柚子

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さえずり季題【309】は「柚子」を詠んでみましょう。もう冬も近くなりましたが、柚子は秋央(しゅうおう)よりも冬隣(ふゆどなり)のほうが色づき柚子らしくなります。

鈴のごと星鳴る買物籠に柚子 岡本眸
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人間ドック

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 今週10月31日(月)から昨日11月2日(水)までの3日間、人間ドックに入っていた。50歳の節目検診である。

 職場の施策なので、いきおい、同じ職場の、同じ年齢の者ばかりが集まる。結果、同期生や仲の良い旧知の知り合いが集まることとなり、まるで同窓会合宿のおもむきで、なにやら楽しかった。但し、「一切、酒・食抜き」の同窓会だから、なかなか清潔である。

時程
前日まで

 常識通り、数日前から(スジ)っぽい食べ物、わかめとか胡麻、繊維豊富な野菜などは控える。内視鏡検査に影響するからだ。前夜からは飲食禁止となる。

初日

 入院・受付。


 爾後(じご)三日間を通じて待ち時間が多く、結構ヒマであるから、本などを持ち込むのがよい。私が持ち込んだのは、再読だが「輝きの一瞬 短くて心に残る30編」という講談社文庫の短編集と、愛用の角川文庫歳時記のうち「秋」巻だ。

 結果から言うとこれは正解であった。というのも、待ち時間が多いとはいうものの、10分20分置きに何かしらすることがあり、ブレスの長大な本を持っていくと、読書時間が細切れになって気が散るからだ。10分20分でひと息つけるようなものを持っていくといいと思う。

 言うまでもなく、歳時記は一季語一季語を数分単位で味わうことができるし、落想を得次第、詠んだものを書き留めるなりすればいいわけだから、人間ドックにはうってつけである。

 「何が読書だ俳句だ、俺はパソコンと仕事を持っていくッ!」という根性のあるアナタは大変立派ですから、どうぞそうしてください。……いやあ、私には真似できません。すみません、私はヘタレですので(笑)。

 初日の時程は……

  •  体温・身長・体重・体脂肪率・腹囲(メタボリック)・血圧・脈拍
  •  血液・尿検査
  •  腹部超音波エコー
  •  心電図
  •  糖負荷試験
  •  眼底検査
  •  胸部レントゲン検査
  •  栄養士による栄養指導

 血液は相当取られる。分量そのものは少ないし、今はディスポーザブル方式の真空瓶でとっかえひっかえするから、針こそ何度も刺し込むことはないが、それでも7、8本もあの真空試験管が並ぶとギョッとする。しかし、臨床検査技師さん、看護師さんにすっかり身を(ゆだ)ね、任せておけば特に心配することもない。

 糖負荷試験では純糖のサイダーをゴクゴクと飲んで、その後定刻ごとに採血する。それによって糖を代謝する能力がどれほどあるか測定するわけである。

 で、この「純糖サイダー」が、精製されたブドウ糖と純水などで作られているのか、非常に美味なのである。しかも、実にほどよく冷やされている。半分ほど飲み干して「旨いッ!」と(たん)じたら、看護師さんに笑われてしまった。とまれ、人間ドック入院間、このサイダーが最も旨かった。一緒に入院していた人たちも、異口同音に「アレは旨かった」と言っている。

 尚、昼食・夕食は検査向けの消化の良い病院食である。病院食とはいいながら、病気で入院しているわけではないので、夕食などは私にとっては大変旨かった。これでビールの一杯もあれば極楽だな、と思ったが、残念なことに酒は厳禁である。

2日目

%e5%a4%a7%e8%85%b8%e3%82%ab%e3%83%a1%e3%83%a9%e4%b8%8b%e5%89%a4 二日目は、早朝から大腸カメラのための下剤を1.5リットルほど、1時間強くらいかけて()むところから始まる。

 大腸カメラに関しては、この下剤が不味(まず)いというのでよく話題に上る。

 水で指示通りに薄めて服むのだが、この時、よく冷えた水で薄めると不味さが我慢しやすくなる。また、私の睨んだところ、体液等との濃度の調整のためであろう、少し塩味が感じられるのだ。この塩味がコップの底にたまるため、飲み干す際に不味く感じる。そこで、箸やスプーンでよく攪拌すると、あまり不味くなくなる。

 便に固形物が交じらなくなり、さながら尿のような状態になるまで下剤を服む。便器に座って尻から小便のようなものを出していると、なんだか女性の感覚が解ってくるような気がして妙である。

 この時、先に述べたように、前日までに筋っぽい食べ物を控えておかないと、いつまでたっても便に(カス)のようなものが交じり、下剤を何度もお代わりする羽目になるから要注意である。こうなると下剤が不味いことより何より、いつまでも服用が終わらず、大腸カメラの順番が後回しになって無駄に時間を過ごすことになるから気を付けた方が良い。また、便がなかなか綺麗にならないと、何度もトイレに通うことになるので、しまいには尻が(ただ)れてヒリヒリと痛くなり、辛い目にあう。私は幸いにしてそうはならなかったが、周囲には何人かそういう人がいた。

 担当の看護師さんによると、「大腸カメラに限ってのことですが、普段、所謂(いわゆる)健康に良い食生活、つまり、海藻や野菜、豆、芋など、食物繊維をたくさん摂っている人ほど、こういうふうに苦労する傾向にあるんですよねえ……」とのことであった。そういえば、苦労していた人たちはみなスリムで健康そうな人たちばかりであった。イヤ、でも、だからと言って普段肉や油ばっかり食ってたら、別のところが悪くなりますぜ(笑)。

 この日の時程は……

  •  体温・血圧・脈拍
  •  大腸カメラ
  •  聴力
  •  医師による生活習慣病に関する講話

 尚、朝食なし、昼・夕食は検査向けの消化の良い病院食。この日の夕食も、淡白・少量ながら、まことにうまかった。これなら毎日食っててもいいかな、と思った。

3日目

 最終日の時程はごく簡単である。

  •  体温・血圧・脈拍
  •  胃カメラ
  •  医師による総合所見・指導・診断

 尚、朝食なし、昼食は胃カメラなどの検査終了後向けの消化の良い病院食。

 医師の総合所見を聴き、昼食後退院。

 悪いところの見つかった人も何人かあったようで、この後、居残って、だいぶ長時間、治療などについて医師と相談していたようである。

結果
悪いところ
  •  胃カメラで、

    「あなたは食道と胃の境が非常に逆流しやすい形をしている。なのに、よく中年の男性に見られる『逆流性食道炎』の所見がない。その理由は胃液が少ないからである。胃液が少なければ当然胃酸も少なくなるから食道炎に(かか)りにくい。しかし、胃液全体が少ないのは体全般の健康から言ってよろしくない。

     胃液が少ない理由だが、胃カメラの所見として、あなたの胃壁には『委縮(いしゅく)』と言われる状態が見られる。萎縮とは、つまり、正常な胃壁をフカフカの絨毯(じゅうたん)に例えると、あなたの胃はすり減って固くなり、毛が抜けてペッタンコになった廃品絨毯のようなものだ。これは、普通なら豊富に分泌される筈の胃液が出なくなってしまっている状態である。

     あなたの胃がそうなってしまった理由は、ずばり、『ピロリ菌』の仕業である。ピロリ菌についてはご存知のことと思う。怪我の功名のようなもので、そのせいで逆流性食道炎にならず、また、これまで偶々(たまたま)重大な胃潰瘍などの症状もなかったようだが、このままピロリ菌を放置すれば胃癌リスクが高まるから、除菌しなければならない。

     ピロリ菌の有無については、胃カメラの時に採取した組織で今から検査して確定するが、当医の長年の経験から言って、このパターンはほぼ間違いなくピロリ菌に感染している例だと思う。検査結果は追而(おって)はっきりしてから連絡するが、それに先立って、早く済むよう、あらかじめ来月の除菌治療の予約を取っておくこと。」

    ……と言われた。

     ピロリ菌は私の年代を最後に、私より年上の人たちには非常に保菌者が多いことが知られている。また地域性もあるやに聞く。感染していたらしいのも()むを()ないところではある。

  •  ごく軽い難聴。「両耳の『軽度感音難聴』、音の帯域の一部のもの」と言われた。

     ……まあ、若い頃から怒号と轟音の職場で暮らしてきたからなあ……。今から治せと言われても、これもどうしようもない。

  •  大腸に2ミリくらいのポリープがあった。

     ところが、面白いことに、「ま、これは心配ないと言えば心配ないんですが、一応検査のために組織の一部を採りますね」と先生が言って、モニタの視野にカニみたいな「挟むアレ」が出てきて、そのポリープというものを摘んで引っ張ったら、先生、「あっ、全部とれちゃった。……まあ、一応検査しますけど、これ多分なんともないですよ」とのことであった。

良いところ
  •  中年男性がよく言われる、血圧、腹囲、脂質代謝に関する数値や、肝臓の数値、エコーで出てくる胆嚢・膵臓・腎臓の所見、心電図その他、自分でも驚くほど中正で、何の所見もなく、

    「佐藤さんは特に悪いところもありませんから、今の生活をこれからもずっと続けてください」

    ……と言われた。

  •  大して裕福でもないので魚ばかり食っているせいか、「HDL」(善玉コレステロール)が81mg/dl(基準値は40~80mg/dl)ほどあり、そのために総コレステロールが224mg/dl(基準値は220mg/dl以下)と、全体として(わず)かに合計が上回っているのを、逆に誉められた。

 これらは私自身の健康管理が良いということではなく、妻の御三度(おさんど)の食事によるものだ。私はこれまで偶々(たまたま)単身赴任がなく、弁当持ちで通勤しているので、長いこと三度三度、妻の作るものばかり食べているのだ。

 帰宅して、妻に礼を言い、そのことを話したら、「うふふん、そうかしらん」と、妻も満更(まんざら)でもないようだ。

 ええ、そうです。惚気(ノロケ)です。すみません(笑)。

その他の事項

 たまたま気のおけない同期生が多く集まったものだから、待ち時間にヒソヒソとバカ話や雑談に打ち興じていた。

 2日目の大腸カメラが済み、3日目の胃カメラの時である。

「ナァ、佐藤。あの、ドアの開いた内視鏡室の中ほどにチラホラ見える内視鏡の装置なんだがな」

「おう、あの黒い、ホースみたいなやつか?」

「そうだ。……アレ、昨日、尻に入れた奴と同じじゃないか?」

「……(笑)、バカ、んなワケあるかよ。別の装置なんじゃねえの!?……いや、待て、いまドアが開いたときにチラッと見えたから見直したんだが、……。……確かに、昨日、俺らの尻に入ったやつと同じだな……。」

「オイ、佐藤よ、大丈夫かな」

「……。いや、でも、……しかし、形は同じだな……。」

 そうしたら、別の同期生が早々と検査を済ませて出てきた。

「おい、胃カメラはどうだった?」と私。

「おう、あのカメラな、昨日、尻に入れたのと同じやつらしいぞ。ほのかになにやら『味』と『香り』がした」

「ええっ!!マジかよ!」

「でも、一人ひとり、本人の尻に入れたのと同じので胃も診るらしいから、まあ、心配いらん、って、医師先生が言ってた」

「おいおい、やめてくれよ~っ!」

「……バカ。嘘に決まってンだろ」

「はぁ、びっくりした。」

 と、バカ話はそれで終わったものの、素人目には大腸の時も胃の時も同じに見えた内視鏡、昨日オノレのケツメドに入ったものと同じ装置かどうか、聞くのが怖かったから医師先生にも看護師さんにも聞かずに済んでしまい、結局ナゾのままである。

技術的事例としても非常に興味深い

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 先日の三井住友銀行のインサイダー・ハック事件。

 技術的事例としても非常に興味深い。

 というのも、現代の銀行システムは、仄聞するところ、非常に完成度も高く、またコンプライアンス、コーポレート・ガバナンスといったことが厳しく()かれるようになり、付け入る隙はかつてほどには無くなってきているからだ。

 反面、例えばみずほ銀行で平成14年(2002)と、東日本大震災当時の平成23年(2011)にあったシステム障害などの状況をつぶさに見るに、現代の銀行システムはインサイダーでもその全容を把握しきれぬほどの大規模なものになっており、思わぬところに穴があるかもしれないということは、専門家でなくてもなんとはなしに想像はつく。

 思うに、システムの穴と大金が絡んだだけに、三井住友の事件が殊更大きく取り上げられるが、システム技術者たるもの、このことは氷山の一角ととらえるべきことは当然だ。防衛、宇宙、医療等、人の命にかかわるようなシステムは、その運用管理の組織や体制、ルール作りまでをも含めて、いずれも建て増しに建て増しを続けた地方の温泉旅館の建物さながら、思わぬ出入り口がかならずあるものと思って自戒した方が良い。

 私も技術者の端くれ、これを他山の石として、気を引き締めていきたいと思う。

 これは技術上の問題ではなく、システム運用、会社全般の業務チェック体制の問題だ、という向きもあるかも知れない。しかし、システム運用管理、ITサービスマネジメントの分野では、ルールや組織、全社的な体制をも含めて「システム」というのだ。技術者が技術上の問題として組織や管理体制を見なくなることは、職務放棄である。たとえ狭義のIT的な問題ではなくても、そこになにか、技術的に解決すべき事柄や工夫はないか、自戒していかなければならないと思う。

文化の日

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%e6%96%87%e5%8c%96%e3%81%ae%e6%97%a5天皇陛下万歳。

 祝日「文化の日」である。国旗を掲揚する。

 文化の日の趣旨が「自由と平和を愛し、文化をすすめる。」ことにあるのは、「祝日法」によって明らかであるが、その制定経緯を(ひもと)けば、基礎となったのが、(まさ)(しか)るべし、人ぞ知る、明治天皇の誕生日「明治節」であることは論を待たない。

 (かしこ)し、維新の志士らの心を大いに取り上げ、日本の文化を進め、五カ条の御誓文によって議会制民主主義を導入したのが他ならぬ明治大帝である。

 戦後、政府は明治大帝の天長節(天皇誕生日)であった明治節を、「文化の日」として定着・記念することに成功した。GHQの影響まだ極めて大なる時代であるにもかかわらず、である。

 当時の国民の選択と、またその選択をできる限り()んだ政府の、巧妙と言うほかない政治的技術に感嘆せざるを得ない。

猟銃等講習(初心者)申込

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 意を決し、前々からやってみたいと思っていたことをやってみることにした。

 私物の銃を持ちたい。クレー射撃をやってみたい。これである。

 日本は基本、銃を持てない国だが、特定の目的や用途に限って限定的な許可が出る。狩猟を生業にしている者や、もっぱら競技のために使用するような場合だ。

 この許可を得るためにまずすることは、「猟銃等講習(初心者講習)」というものを受けることだ。それには、埼玉県に住む私の場合、地元の警察署の生活安全課に、指定の申請書を整えて提出する。写真が必要である。その際、手数料6800円を埼玉県収入証紙で納付する。

 埼玉県警のホームページの説明を読むと、

「事前に電話予約のうえ、管轄の警察署に必要書類と手数料納付書(証紙貼付)を郵送してください。」

……と書いてあるのだが、ホームページ記載の「保安課」に電話すると、

「管轄の警察署に電話して、そこの説明を聞いてください」

……と言われる。

 また、写真の大きさに注意が必要だ。「申込書のダウンロードページ」のほうには「大きさ縦36mm×横24mm」と書いてあり、「猟銃等講習会開催のお知らせ(初心者講習)」のほうには「縦の長さ3.0センチ横の長さ2.4センチ」と書いてある。大きさが違う。しかも、このどちらもが、申請書の枠の大きさには合わない。電話で確かめると「3センチ×2.4センチで結構です」と言われた。

 で、私の場合は埼玉県越谷市在住であるから、越谷警察署の生活安全課に電話すると、「揃えた申込書類一式を持参してください」と言われる。

私  「郵送ではだめなんですか?」
係官 「面接がありますので、警察署まで来ていただかなければなりません」

……とのことである。

 手数料の納付は収入証紙で行うが、収入証紙は収入印紙とは違うから、注意しなければならない。証紙は払込証明書みたいなもの、印紙は税である。収入証紙は警察署や役所で買える。

 越谷警察署へ行く。収入証紙は本庁舎の隣の免許事務庁舎で買える。6800円分購入し、3階の生活安全課へ行く。受付カウンターで「電話で猟銃等講習会の問い合わせを致しました、佐藤です」と言うと、担当官が対応してくれる。

 納付書に収入証紙を貼り付け、用意してきた届出書と共に提出する。そうすると、その場で担当官から面接が行われる。質問事項は、届出書の記載事項、住所、生年月日、本籍地などに相違がないか、犯罪歴がないか、銃の許可が取り消しになったことはないか、精神病歴がないか、暴力団に所属していないか、禁治産者等になっていないか、などといった、まあ、普通の人には縁がないようなことの有無をテキパキと聞かれて終わりである。

img_4900 手続きが終わると、

「猟銃等取扱読本 猟銃等を所持しようとする方のために」(一般社団法人 全日本指定射撃場協会)

という150ページほどのテキストと、講習後行われるテストの模擬問題、それから初心者講習の受付票と受講番号が渡される。

 ここまで、1時間もかからない。

 埼玉県警のホームページでは、「電話予約、郵便で申し込み、その際テキストを返送するから返信用切手を貼り付けた封筒を同封する」という意味のことが書かれているが、越谷警察署ではそうではない。実際は上述のように出頭申請、その場でテキストと受講番号交付であるから注意が必要だ。

 さておき、これで、テキストを読みつつ講習を待つことになる。講習は(きた)る11月27日(日)に、見沼グリーンセンターで行われる。